このセミナーは、原子力の基礎や地球環境を、原子力関係以外の分野の学生でも学べるもので、TV遠隔システムを利用して全国16大学が協力して実施しています。 今回は6回目の開催で、1月6日に福井大学からの講義が東工大の他、北海道大学、八戸工業大学、茨城大学、湘南工科大学、山梨大学、金沢大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、岡山大学、九州大学等の各会場へ配信されました。講義のテーマは、「原子力防災と地域共生」に関する内容でした。
- 1.原子力防災と放射線
(安田仲宏 福井大学附属国際原子力工学研究所教授)
原子力災害において何を考慮し、どう対処するかが主題でした。関連法令の改訂のポイントや、放射性物質については身近にもあることを知り、正しく理解することの必要性が述べられました。 - 2.地震環境と耐震設計
(大堀道広 福井大学附属国際原子力工学研究所准教授)
地震発生のメカニズムと建物の揺れ、耐震設計についての講義でした。原子力発電所の耐震性が普通の建物の3倍もあることが述べられました。 - 3.東北地方太平洋沖地震による津波災害と耐災の概念
(鈴木啓梧 福井大学大学院工学研究科講師)
津波の数値シミュレーション結果と予測方法、津波に対する耐災の考え方の理解がポイントでした。 - 4.福井における原子力防災総合訓練
(川本義海 福井大学大学院工学研究科准教授)
福井で実際に行われた原子力防災総合訓練の様子が紹介されました。この結果得られた今後の課題として、平常時からの情報共有の重要さが強調されました。
受講生からは、「原子力災害に関する実際のデータや、新しくなった対策や法律について、今までは知ることの少ない分野であったが、今回のセミナーで学ぶことが出来た。今後の勉強の考え方の助けになるように感じた。」「通常の講義では受けることが出来ない内容のものばかりで、とても有意義だった。」等の感想が寄せられました。次回のセミナーは2015年夏ごろ、北海道大学から「過酷事故対策」についての講義の予定です。
お問い合わせ先
原子炉工学研究所 大学連合人材育成事務局
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