東京工業大学博物館では、本学の前身、東京高等工業学校建築科を大正5年に卒業された建築家、平林金吾氏のご遺族より、氏が在学中に制作した設計課題図面等71点をご寄付いただきました。2月24日には感謝の会が催され、大谷館長(理事・副学長)より感謝状を贈呈しました。
平林氏は本学卒業後、大阪府庁舎や名古屋市庁舎の建築設計競技で一等当選を果たし、両庁舎とも氏の案に基づいて設計されています。そして後者は昨年重要文化財に指定されました。また、氏が設計に携わった建築物には明治神宮宝物殿や学士会館など日本近代建築史上著名なものがあるほか、関東大震災後の東京市において数多くの震災復興小学校の建築に従事しました。
このたび寄付を受けた資料は、関東大震災で多くの資料を消失した本学にあって、大正期の建築教育の実態を知る上で大変貴重なものです。また寄付に先立ち、建築学専攻藤岡洋保研究室において本資料の調査およびデータベース作成が行われました。今後博物館では、この資料を永年保管するとともに、教育研究に有効に活用していきます。
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