3月30日に、東工大―アーヘン工科大学共同国際産学連携シンポジウムを、東工大蔵前会館くらまえホールで開催しました。株式会社エヌ・アール・ダブリュージャパン(ドイツNRW州経済振興公社日本法人)の共催、大田区、大田区産業振興協会他日独の公的・民間諸機関の後援を得ました。本連携に興味を持つ企業、大学関係者等200名近い参加がありました。
日本と欧州を代表する理工科系総合大学である東工大とアーヘン工科大学は、全学交流協定を締結し、かねてより研究、教育両面で活発な交流を進めています。この連携関係の一層の強化を図るため、アーヘン工科大エルンスト・シュマハテンベルク学長の来訪を機会に、本シンポジウムが開催されました。
シンポジウムの冒頭に、東工大 三島、アーヘン工科大学 シュマハテンベルク両学長から、それぞれの大学紹介及び産学連携の戦略に関する説明がありました。その後、アーヘン工科大学フリッツ・クロッケ教授、東工大精密工学研究所 新野秀憲教授が講演を行いました。
クロッケ教授の講演タイトルは「ITテクノロジーとエンジニアリング・サイエンス融合による未来の生産の強化」です。第4の産業革命と呼ばれ、ドイツ政府が推進する、製造業の高度化を目指す戦略的プロジェクト「インダストリー4.0」と、それによる製造プロセスの技術革新をテーマとした内容でした。新野教授は「精密工学研究所における最近の工作機械工学研究」と題し、日本が得意とするものづくりの基本となる工作機械工学の研究展開について講演しました。二人とも、大学での研究を、産業界と連携してイノベーションへと導くための、大学の役割を強調していました。
それに引き続き、日独の企業、両大学の講演者、政府関係者を交え、エヌ・アール・ダブリュージャパン ロエル社長の司会で、パネルディスカッションが行われました。日独それぞれ異なった立場のパネリストにより、日独の大学と産業界の連携について、問題点や今後の展望について、活発な議論が行われました。会場からも熱心な質問やコメントが寄せられ、大変盛り上がったパネルディスカッションとなりました。
東工大は「世界トップ10に入るリサーチユニバーシティ」を目指し、研究や教育の改革を進めています。また、世界トップクラスの大学との、国際産学連携プロプログラムを推進しており、1月7日に米国マサチューセッツ工科大学(MIT)と国際産学連携ワークショップを開催しました。今回のアーヘン工科大学との共同シンポジウムは、国際産学連携に関する2回目のイベントなります。
今回のシンポジウムの議論を踏まえ、日独の関係者とも協議を継続し、今後着実に連携プロジェクトの具体化を図っていく予定です。また、今年の夏にアーヘン工科大学で次回のシンポジウムを開催することも検討しています。日独の企業や政府、公的機関他、関係各位には今後の一層のご支援をお願いするとともに、本学に対するご質問、ご要望等がありましたら、ご遠慮なく以下の問い合わせ先にご連絡をいただくようにお願いします。
お問い合わせ先
東工大-アーヘン工科大学国際産学連携共同シンポジウムワーキンググループ
Email : tokyo.tech.aachen@jim.titech.ac.jp