東工大では現在、2016年4月スタートに向けて、教育システムの抜本的な改革を進めています。それに向けた教員サポートの一環として、3月2日~3月6日の間、FD※研修「英語による教授法(実践)研修」が開催されました。各研究科の助教から教授まで、様々な立場の意欲溢れる23名の教員が参加し、計5日間のプログラムを修了しました。
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- FD : ファカルティ・ディベロップメントの略称で、教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組の総称
今回の研修は、クイーンズランド大学付属英語学校による「英語による専門科目授業を実施(CLIL)するために必要な能力を向上させること」を目的とする内容のプログラムを採用しました。CLIL とは“Content and Language Integrated Learning(内容と語学の統合学習)”の略で、非母国語を媒介に科目を教授するアプローチを指します。
受講者は、CLILの原理はもちろん、様々な課題や活動を体験することによって、学習者の意欲を引き出す方法を学びました。そして、実際に自らの担当科目の講義資料を持ち込み、その場でノートパソコンを使いながら、講義計画に改良を加えていきました。最終日にはグループに別れ、研修で学んだヒントを取り入れてどのように自分の担当講義を変更したかについて、1人8分の持ち時間でプレゼンテーションを行いました。
今回の研修は、英語力を向上させるための内容ではありません。英語を使って「どのように教えるか」の代わりに、学習者を中心として「どのように学ばせるか」ということに主眼を置いた教育設計を、英語で理解・体験するものだったという点が特徴です。受講者からも「英語の授業だけでなく、日本語の授業にも応用できるヒントがたくさんあった」という意見が多く寄せられました。また、「これまでに受けたことのある授業形態でしか、授業を実践できないと思うので、新たな授業形態を実際に体験できる今回の研修のような機会は貴重だと思う。」という感想もありました。CLILによる講義の学習者の立場となることによって、いつもとは異なる視点から授業を見直すことができたようです。
今回参加した23名の受講者は皆とても積極的で、新しいことをどんどん取り入れようと意欲的でした。元気でパワフルな講師の影響もあり、教室が常に明るい雰囲気に包まれていました。毎日席替えをし、いろいろなパートナーと活動を行うことによって、今まで知り合うことのなかった他研究科の教員と知り合うことができたことも、副次的な収穫となったようです。
今回、この「英語による教授法(実践)研修」は初めての試みでしたが、大変好評を得たFD研修となりました。今後も定期的にこのような研修を実施し、多くの教員に体験してもらう予定です。
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