大岡山蔵前ゼミは、東工大の全学同窓会である蔵前工業会の東京支部が主催する、卒業生と学生の交流の場です。日本社会や経済をリードしている先輩を講師に迎え、これから社会に出る大学生・大学院生に、講演会・懇親会をとおして、様々な情報提供、意見交換を行っています。
5月29日、大岡山蔵前会館くらまえホールにて第24回大岡山蔵前ゼミが開催されました。今回は「持続的成長への道筋を考える」と題して株式会社三菱総合研究所の本多均専務執行役員(本学卒業生)より講演がありました。学生83名、社会人40名が参加しました。
三菱総合研究所は1970年創業のシンクタンクの老舗ともいえる会社です。経済・経営から科学技術、環境・エネルギー、社会基盤、情報通信、教育、医療、福祉など多面的な分野での事業展開をしており所属する研究員も広い分野の人材を有しています。研究員の7割程度が理工系という特徴があり、その内の1割が東工大の卒業生です。
事業内容の紹介では、地方創生に向けた取り組みを中心に、これからの日本の課題解決に向けてヒントになりそうな事例が多く紹介されました。高齢化が進んだ地方の島嶼部において若い学生が島外から流入するようになった事例、地元の産業が疲弊していく中で、東京で働いている企業家が集まるようになった事例、シャッター街となった商店街について所有権と利用権を分離したことによって再生した事例などです。
成功のポイントは地域社会が持っている地域資源を再発見することであると、本多氏からのアドバイスもありました。また、学生に対して「社会に出て年齢を重ねるにつれて他流試合をして行かなければならない、そのためには自分の専門性だけでは生きていけない」とのメッセージと共に「今の学生は、認知能力は上がっているが非認知能力(判断する力や人を説得する力など)が下がっている」との指摘もありました。
講演会に引き続き、学生と卒業生の懇親会がロイアルブルーホールにて開催され、活発な交流が行われました。
問い合わせ先
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