今年度も2015年5月27日から7月1日の間、毎週水曜日の19:00より2時間弱、大田区教育委員会と東工大の提携区民大学が実施されました。
今年は国連が定めた国際「光」年であることも意識して、「光・輝く未来のために」という主題で行われました。以下の6名の教員が専門とする研究分野の全体像、並びに社会との関わりを、わかり易く紹介し大変好評でした。
- 1.河合誠之教授(大学院理工学研究科 基礎物理学専攻)
「宇宙からのさまざまな光」 - 2.岩本光正教授(大学院理工学研究科 電子物理工学専攻)
「レーザ光を用いて電子の動きを覗いてみると」 - 3.内川恵二教授(大学院総合理工学研究科 物理情報システム専攻)
「光と色を見る仕組み」 - 4.小山二三夫教授(精密工学研究所 フォトニクス集積システム研究センター)
「面発光レーザの新展開 -光で送る、光で結ぶ-」 - 5.伊原学教授(大学院理工学研究科 化学専攻、講演時は化学工学専攻)
「ナノ構造を利用する最新太陽電池開発と新しいエネルギーシステム」 - 6.バッハ・マーティン教授(大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻)
「光を使って単分子レベルから見た有機材料のナノスケール世界」
会場となった講義室の定員が90名程であるのに対し、各講座とも抽選で選ばれた参加者で満席という状況でした。各教員の講演内容に関しては、大田区で公共施設に配布したチラシも参照ください。またその概略は区報で大田区内全戸に配布されております。
この区民大学は、20年ほど前に開催されていた旧応用物理学科公開講座が基となって、17年前より大田区教育委員会との共催で開催しているものです。東工大側の窓口として物質科学専攻の腰原伸也教授が学習コーディネータをつとめています。特徴としては「自然科学交流会」という大田区民サークルが、区民自身による「テーマの企画、立案」を行う点が挙げられます。
区民大学の運営は、本学教員から講師を選択して依頼し、区が配布するチラシを準備するなど、地元大田区と密接にサークルが連携しながら運営されてきています。
また毎回大田区がアンケートを実施し、聴衆層やその要望の把握に努めています。退職後の新たなる知的活動を楽しんでいる方々、仕事の帰り道に立ち寄っている方々に加えて、大学生、制服姿の高校生も今年は参加しており、極めて幅広い聴衆層となっています。このため、講師の教員は熱気あふれる講義のみならず、その表現の仕方に大変努力しており、その結果、大田区民の方々から高い評価をいただいているようです。特に今年は、国際化の一つのデモンストレーションも兼ねて、最終回のバッハ教授が英語での講演内容プリントを配布しました。英語で基礎光学はどう説明するのか、参加者も大いに関心を寄せていたようです。