量子ナノエレクトロニクス研究センターの河野行雄准教授が、第14回ドコモ・モバイル・サイエンス賞 基礎科学部門を受賞しました。ドコモ・モバイル・サイエンス賞は、50歳未満の若手研究者等を対象に、日本国内における移動通信の発展と若手研究者の育成を目的とし、優れた業績を挙げた研究者に対し与えられるものです。授賞式が、10月16日にANAインターコンチネンタルホテル東京にて実施されました。
受賞テーマ
ナノ構造を用いたテラヘルツ電磁波の画像化技術の開拓と応用
受賞理由
テラヘルツ技術は、医療、産業、科学への幅広い応用が期待されていますが、計測における基本的な性能(検出感度、空間解像度、分光帯域等)が不十分のため、特にナノ領域の画像・分光計測が未開拓でした。河野准教授らは、半導体量子構造やカーボンナノチューブ・グラフェンを用いて、従来よりも格段に高い性能を持つ高感度テラヘルツ検出・高解像度イメージング・広帯域分光技術を開発しました。さらに、これを電子材料・分子・デバイス研究に応用して、物質・生体ナノ分析への有用性を実証しました。このような学問的貢献だけでなく、今後は、計測のシステム化・実用化も期待されています。
今回の受賞を受けて、河野准教授は以下のようにコメントしています。
テラヘルツ波は、電磁波の広大なスペクトルの中で最後の未開拓領域と言われ、基礎科学から産業・医療等に至る幅広い分野での応用が期待されています。未知の分野に挑戦する喜びと新規な応用可能性を追求する楽しさがあります。今回の栄誉ある賞の受賞を励みに、今後も共同研究者の方々や研究室のメンバーと研究の楽しさを分かち合いながら、邁進したいと思います。お世話になりました皆様に深く感謝申し上げます。