工大祭期間中の10月10・11日の2日間に、科学教室「生命現象 ―物理と化学からのアプローチ―」と「海辺に棲む生物の観察 ―ウニやヒトデはどうやって生きているの?―」を開催しました。この教室は、東工大基金を活用した日本再生プロジェクト「ものつくり人材のすそ野拡大支援」事業の支援を受けて行われました。
初日の「生命現象 ―物理と化学からのアプローチ―」は、高校生を対象としました。
生物が作り出すシマウマの縞模様やキリンの斑点、熱帯魚のカラフルな模様を、シャーレの中の化学反応で作るという内容です。ベロウソフ・ジャボチンスキー(BZ)反応は、この化学反応の有名な例です。生物現象の複雑さを考えると、極めて単純な試薬の混合によって容易に実現といえるでしょう。
BZ反応のパターンをカメラで動画撮影し、コンピュータに取り込んで画像解析を行いました。得られた画像から、BZ反応の速度や周期性などを理解してもらい、これらのことから「生物現象の複雑さ」を考えてもらいました。
事前に調べて実験に参加した高校生もいて、「確認することができてさらに興味が深まった」「生物、物理、化学の密接な関係に触れた事が新鮮だった」という感想を述べていました。
2日目は、小学生を対象にして、ウニやヒトデ、ウミホタルを材料に「海辺に棲む生物の観察 ―ウニやヒトデはどうやって生きているの?―」を行いました。
夏に海で見かけたウニやヒトデはどうやって生きているのでしょう? ウニは棘だらけで動けるの? ヒトデは柔らかいの? 硬いの? 実際に見て、さわって確かめてみました。これらの生物は想像もつかない動きをして、餌をとり、移動します。環境の異なるところに棲むウニやヒトデの動きを観察し、かれらの餌について考えたり、実際に手に取って触って行動を推測したりして、動きの仕組みを考えました。
小学生は生き物に触れ、ヒトデの硬い状態と柔らかな状態に驚き、ウミホタルの光にも強い興味を持ったようです。
皆さんから様々なリクエストをいただき、大学院生命理工学研究科 基礎生物講座では、次の科学教室の企画を考え始めています。
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