Art at Tokyo Tech 2015 Autumn が10月5日、10月13日、10月28日、11月6日の4回開催され、計11名が演奏しました。各回、個性豊かな演奏が披露され、立見がでるほどの盛況ぶりでした。
Art at Tokyo Techは、大学院社会理工学研究科が主催して毎年行っている、芸術と科学の融合教育を目的としたイベントです。今年は、4月にオーディションを行い、昼休みを利用したミニ・コンサートを、夏・秋に開催いたしました。
4月22日に開催されたオーディションは、ピアノ、弦楽、木管、金管など広く音楽にかかわる演奏を対象とし、東工大の学生・教職員、またはその家族で高校生以上からの応募を受け付けました。ジャンルはクラシックに限るわけではありません。短い1、2曲を気軽に演奏するエントランスホールを使ったコンサートプログラムですので、音楽を趣味とする者からプロまで、音楽を愛好する幅広い層からの参加を募集しました。
10月5日
吹奏楽カルテット
阪本真(ファゴット)、杉田充(オーボエ)、西岡里奈子(フルート)、山下崇裕(クラリネット)
- 曲目
あやつり人形の葬送行進曲(シャルル=フランソワ・グノー)
夜の音楽のための三つの小品(ウジェーヌ・ボザ)
- プロフィール
阪本真:工学部土木・環境工学科4年。
東工大管弦楽団OB。中学からホルン、大学からはファゴットを始める。現在、東京農業大学OBOG管弦楽団、CTK交響楽団に在籍。東工大管弦楽団第153回定期演奏会にも出演予定。また、今年お茶の水管弦楽団の卒業生と木管アンサンブル団体アンサンブルオルフェを結成した。杉田充:工学部無機材料工学科4年。
東工大管弦楽団OB。中学高校ではクラリネットを、大学からオーボエを始めた。西岡里奈子:工学部経営システム工学科4年。
東工大管弦楽団に3年間所属していた。現在、東京大学フルート同好会、日本大学第二高等学校吹奏楽部OB・OG会、CTK交響楽団などに所属。小野田裕子氏に師事。山下崇裕:工学部機械科学科4年。
13歳よりクラリネットを始める。東工大管弦楽団OB。TBSK管弦楽団所属。これまでにクラリネットを岡田渉氏に師事。
息の合った演奏で、吹奏楽の華やかな音色に客席にも楽しげな雰囲気が漂っていました。演奏者による作品解説も簡潔ながら興味をひきつけるものでした。来場者数約40名。
10月13日
川村弥(ピアノ)
- 曲目
舟歌第7番 作品70(フォーレ)
前奏曲集第一巻より2.帆(ドビュッシー)
舟歌(ショパン)
- プロフィール3歳からピアノを始める。第七回ヤングアーチストピアノコンクール・Cグループで入賞。高校時代からチェロを始め、平成21年度東京工業大学管弦楽団チェロ首席。近年、ピアノ演奏では木管楽器・弦楽器とのアンサンブルを中心とした活動を行っている。
福澤道子(声楽)、添田千恵子(伴奏)
- 曲目
落葉松(野上彰作詩 小林秀雄作曲)
お天道様は忙しい(粟倉健二作詩 加藤由美子作曲)
愛の賛歌(エディット・ピアフ作詩 マルグリット・モノー作曲)
私のお墓の前で泣かないでください(メアリー・フライ作詩 ジェフ・スティーヴンス作曲)
- プロフィール
福澤道子:東京藝術大学大学院修士課程オペラ科修了。
オペラやオラトリオのソリスト、各種コンサートで活躍。日本の伝統音楽の味わいを持った日本歌曲を中心に、演奏活動を行っている。近年は、シャンソン、ジャズ、歌謡曲とレパートリを広げ、多彩なプログラムによるおしゃべりコンサートには定評がある。
グローバル原子力安全・セキュリティ・エージェント教育院教育研究支援員。添田千恵子:埼玉大学教育学部音楽科卒業。
教員を経て音楽教室を主宰し、演奏活動を行う。カワイ音楽コンクール優秀指導者賞受賞。女声合唱団「小磯マザーズコール」主宰。
ピアノ演奏では、ハイレベルな演奏に通りすがりの人も足を止めて、聴き入っている姿が見られました。ゆるやかな曲とベヒシュタイン※の柔らかな響きが溶け合い、非常に良い演奏になりました。声楽曲は、珍しい日本の歌曲とよく知られた曲のプログラム構成でした。来場者たちは、あるときは楽しげに、あるときは抒情的に、多様な表現を味わうことができたようです。来場者数約70名。
- ※
- ベヒシュタイン:アメリカのスタインウェイ、オーストリアのべーゼンドルファーとともに3大ピアノの一つ。東工大には、ドイツ・ベルリンで1923年に製造され、世界の名器と言われた「ベヒシュタイン・グランドピアノモデル E」があり、90年経った今でも現役として頻繁に公開コンサートで使用されています。このピアノがあることが、「Art at Tokyo Tech」を始める上で重要なきっかけにもなりました。
10月28日
櫻庭遥(ヴァイオリン)、古清水智香(ピアノ)
- 曲目
ヴァイオリンソナタ第5番 スプリングソナタ 第1楽章(ベートーヴェン)
創作主題による32の変奏曲(ベートーヴェン)
ヴァイオリンソナタ第9番 クロイツェル 第3楽章(ベートーヴェン)
- プロフィール
櫻庭遥:バイオリンは4歳より始め、中高時代は学校の管弦楽班と地元のジュニアオーケストラに所属し定期演奏会に参加。大学では音楽サークル「Platanus(プラタナスの会)」のメンバーとして工大祭やすずかけ祭などでのコンサートに出演している。
古清水智夏:2歳よりピアノを始める。某音楽教室の専門コースでアンサンブルの楽しさや作曲の勉強をした。今は趣味としてピアノのソロ演奏を楽しんでいる。また、音楽サークル「Platanus」に所属し、工大祭やすずかけ祭での演奏活動を行っている。
ベートヴェンの作品3曲を、デュオ・ピアノソロ・デュオのプログラム構成で演奏し、室内楽らしい優雅なコンサートになりました。ヴァイオリンとピアノのバランスも良く、会場は華やかな雰囲気に包まれました。来場数約60名
11月6日
阪本哲郎(ピアノ)
- 曲目
Mazurka Op. 24-2(ショパン)
Mazurka Op. 41-2(ショパン)
Tarantelle Op. 43(ショパン)
- プロフィールピアノは趣味として個人的に練習をしている。大学ではプラタナスの会に所属し、年数回のコンサートに参加している。
三木優足(ヴァイオリン)、石津真樹(ピアノ)
- 曲目
ヴァイオリンとピアノのための3つのロマンス Op.94(ロベルト・シューマン)
- プロフィール
三木優足:1990年東京都生まれ。東京工業大学情報理工学研究科数理計算科学専攻所属。
7歳よりヴァイオリンを始める。ヴァイオリンおよびヴィオラを飯室悠紀子、村上豊に師事。大学入学後東京工業大学管弦楽団に所属しヴァイオリンを務めた。2012年村上豊氏主催<すみれの会>第2回コンサートを機にヴィオラに転向し、現在リベラトゥール弦楽合奏団やTBSK管弦楽団にて演奏活動を行っているほか、作曲や編曲活動も行っている。石津真樹:1990年生まれ。東京工業大学大学院 総合理工学研究科 化学環境学専攻修士1年。
小2よりピアノを始め、高3まで個人レッスンに通う。高校にてファゴットを始め、東京工業大学入学時に同大学管弦楽団にてファゴットを続ける。現在、TBSK管弦楽団、東京大学歌劇団のファゴット奏者、東京大学フルート同好会のフルート・ピアノ奏者として演奏活動を続けている。ピアノを富樫樹氏、鈴木志朋氏に師事。
最終回は東工大の学生2組が演奏しました。ピアノソロは曲目にふさわしく踊るようなリズムを感じさせ、ピアノ・ヴァイオリンデュオは緻密な音の重なりと滑らかな旋律を披露しました。来場者数約30名。
演奏者からは「思っていたよりも音がよく響いて演奏しやすかった。」「お昼休みに気軽に聴けるコンサートがあるというのは文化的で良い。」「このような企画は今後も続けてほしい」など、エントランスコンサートでの演奏を楽しみ、継続を希望する声が寄せられました。来場者の表情からも、芸術の秋にふさわしいひとときをすごした満足感がうかがわれました。
- Art at Tokyo Tech 2015 お昼のエントランスホールコンサート秋
- Art at Tokyo Tech 2015 Summer 開催報告
- Art at Tokyo Tech 12年の軌跡
- Art at Tokyo Tech 2014 Autumn 開催報告
- Art at Tokyo Tech 2014 Summer 開催報告
- Art at Tokyo Tech 2013 Autumn
- ※
- 11月27日 9:00 キャプションに誤りがありましたので、修正しました。