11月24日、第9回「蔵前ベンチャー賞」「蔵前特別賞」の授与式が、東工大蔵前会館 くらまえホールで開催されました。
「蔵前ベンチャー賞」は2007年、「蔵前特別賞」は2009年に、東工大の全学同窓会である蔵前工業会が設置した賞です。「蔵前ベンチャー賞」の目的は、「高い経営理念を持って、新しい技術、サービス、製品、ビジネスモデル等を事業化することにより、新しい市場や雇用を創造したベンチャーを表彰する」ことです。一方、「蔵前特別賞」は社会の進歩に顕著に貢献した個人または企業を表彰しています。
当日は授与式に引き続き、両賞の受賞者による記念講演会が行われ、その後は会場をロイアルブルーホールに移して交流会が催されました。
今回の講演会参加者は134名、その後の交流会参加者は122名となり、大盛況でした。交流会では、講演者を中心にして会話の輪が広がり、今年は学生の参加者が40名と多く、活発な交流がされました。
「蔵前ベンチャー賞」がベンチャー・中小企業の革新、活性化の一助となること、また、「蔵前特別賞」により、東工大卒業生の多方面での活躍や社会貢献を多数の方に知っていただく機会となることが期待されます。
蔵前ベンチャー賞
株式会社ハイボット
取締役Chairの広瀬茂男氏は、1973年に東工大制御工学専攻修士課程、1976年に同博士課程を修了し、1992年に東工大教授、2013年以降は名誉教授となり、現在に至ります。取締役CTOのミケレ・グアラニエリ氏は、2004年東工大機械宇宙システム専攻修士課程、2007年に同博士を修了しました。
株式会社ハイボットは、極限作業型ロボットの創造開発に40年以上の実績を有する広瀬研究室の成果を基に2004年創業した東工大発ベンチャー※です。様々な特殊環境で活躍する、独創的な最先端ロボットを提供しています。ロボット産業のパイオニアとして本格的な事業展開が期待されます。
- ※
- 東工大が認定したベンチャー企業に与えられる称号。東工大の技術や知財を活用して創業した企業、もしくは、学生が起こした企業に対して与えられる。
株式会社シービーエージャパン
代表取締役の國枝博昭氏は、1973年に東工大電子工学科を卒業し、1978年に同電気工学専攻博士課程を修了、1994年から東工大教授を務めています。
指紋認証は、
- 1.
- 公安関係や入国管理システムなどの公的認証
- 2.
- 電子錠やネットワーク端末機などの業務認証
- 3.
- スマートフォンやネット決済などの消費者向けユーザー認証
に大別されます。大学研究室発ベンチャーを発展させて、独自の事業分野を開拓しています。
株式会社コモドソリューションズ
代表取締役社長の上杉秀樹氏は、1979年に東工大電気電子工学科を卒業しました。
ハードウェア技術およびソフトウェア技術を活用し、医療連携分野、スマートフォン分野、エンターテイメント分野など多方面で事業展開を行っています。独自の技術力により、有力顧客を獲得し、創業したベンチャーを堅実に成長させてきました。
中央葡萄酒株式会社
代表取締役の三澤茂計氏は、1973年に東工大応用化学科を卒業し、三菱商事に入社しました。その後、1982年中央葡萄酒に入社、1989年に社長に就任し、現在に至ります。
同社は1923年に三沢長太郎氏が創業し、茂計氏は4代目です。世界的なワインコンクール(英国)「デカンタ-・ワールド・ワイン・アワード2014」で金賞を授賞しました。家業を引き継ぎ、これを世界一流のワイナリーに革新した中興の祖です。品質、ブランド政策「勝沼ワイン」等地域のワイン振興にも貢献しています。
蔵前特別賞
盛田正明テニス・ファンド 会長 盛田正明氏
盛田氏は1951年に東工大電気化学科を卒業し、ソニー副社長、ソニー生命会長を歴任し、現在は日本テニス協会名誉会長を務めています。
テニスで世界のトップに立てる選手の養成を目標に私財を投じて盛田正明テニス・ファンドを設立し、厳しい選考により才能のあるジュニア選手を見出して米国へ送り出してきました。錦織圭選手は期待に応えて世界のトップ選手となり、日本の青少年に夢を与えています。この活動を通じて社会に顕著に貢献しました。