1月29日(水) 13:00~17:30、東京工業大学大岡山キャンパス西8号館E棟10階大会議室にて、シンポジウム『社会が求める大学院教育の在り方 -企業と連携したOPL教育の挑戦-』が開催されました。このシンポジウムは情報環境学専攻が平成23年度より実施している「高度専門教育のためのOPLを核とした情報環境教育・研究システムの展開」プロジェクトの関連行事として開かれたもので、企業関係者、教員、学生、一般参加者をあわせて、およそ70名の参加があり活発な議論がなされました。
有信睦弘氏の講演
まず、情報環境学専攻廣瀬壮一教授が開会の挨拶として本シンポジウムの趣旨を述べた後に、東京大学監事の有信睦弘氏から「これからの大学院教育にむけて」と題してご講演をいただきました。世界の中における日本の課題など広く社会背景を踏まえて、大学教育における課題と方向性についてご説明がありました。また、現在文部科学省の実施している博士課程リーディングプログラムに言及されました。このプログラムでは大学院教育の新しいモデルの構築と牽引のために各大学の特性やプログラムの類型に応じた支援がなされており、これをモデルケースとして他の大学の博士課程の制度改革や新しいイノベーションモデルの構築の進展を期待しているとのことでした。
次に、情報環境学専攻笹島和幸教授より、専攻で実施しているOPL(On the Project Learning) 教育の概要について説明がなされ、様々なPDCAサイクルを学生に提供するための仕組みを構築していることが紹介されました。
そして、学生からのプレゼンテーション発表が班ごとに行われました。各班の発表テーマは以下の通りです。
『防災訓練シミュレータ』
『外国人観光客を対象としたNFCタグ利用案内システム』
『Find Me!』
『若年層のネットリテラシー向上に向けた限定twitterによる教育システムの検討』
『大岡山駅前交差点におけるシミュレーションを用いた信号現示サイクルの検討』
『災害時助け合い促進アプリケーション』
学生発表
これらの発表は、社会における問題発見から解決案の提示までを行う、後期授業科目情報環境プロジェクト第一の成果でもあります。本年度は、初めての試みとして授業期間を通じて各学生班が企業の方々と連携しディスカッションを重ねる仕組みを採用しました。発表テーマは多岐にわたり、活発な質疑応答が行われました。また、情報環境プロジェクト第一における海外からの留学生と本学日本人学生の混成チームによる国際班のポスター発表も行われました。
最後に講演・発表を受けての総合討論が行われました。情報環境プロジェクト第一における学生と企業とのディスカッションにおいて、異なる視点や考え方を持つ世代や立場を超えて意思疎通を図ることの大変さとその意義深さについての発言が多くありました。また、社会で何が求められているかについての感覚を共有することが重要ではないか、という意見もあり、その感覚共有のためにも本年度のプロジェクト及びシンポジウムは良い場となったことと思われます。
なお、参加者アンケートでは、学生から「企業の方の視点を学ぶことができ、貴重な体験ができた」との意見が多く寄せられ、学生にとって非常に有意義かつ、貴重な情報収集の場となりました。
最後に、本シンポジウムにご協力いただいた皆様に深謝いたします。
お問い合わせ先
OPLプロジェクトワーキンググループ
Email: opl@mei.titech.ac.jp