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海外大学院への進学という選択肢を考える―2016年度夏期海外大学院留学説明会開催報告―

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6月29日に、大岡山キャンパスで、海外大学院留学説明会(主催:東工大国際交流学生会SAGE、米国大学院学生会、後援:東工大国際室、船井情報科学振興財団、米国大使館)が開催されました。

パネルディスカッションの様子 パネルディスカッションの様子

毎年、夏に開催している本説明会では、海外の大学院に留学予定の方や海外での学位取得をした方を招き、留学のための準備、留学中および留学後の生活、そして学位留学の良い点や苦労する点などについての講演が行われ、続いて講演者が参加者の質問に答えるパネルディスカションが行われます。

説明会には開始時間前から東工大生のみならず、たくさんの来場者が会場に詰めかけました。今年の講演者は、成田海さん、中島美紀さん、坂本啓准教授の3人に加え、パネリストの源勇気助教が自己紹介を兼ねて自身の体験を語ってくれました。

成田海さん

今年3月に東工大の修士課程を修了し、9月からカリフォルニア工科大学博士課程に進学予定。専門分野は金属系生体材料です。

海外大学院を目指した理由について、率直に「夢を叶えるため」と話す成田さん。海外の大学院には世界最高峰の研究設備が揃っていて、世界中から優秀な学生たちが集まるにもかかわらず、経済的負担 が少ないことに触れました。その理由として、海外の大学院には学生がリサーチアシスタント(RA)やティーチングアシスタント(TA)として働くことによって授業料はもちろん、生活費までもが支給される仕組みがあると説明しました。

一方、このことは海外の大学院への進学が生易しいことではないことも意味していると話し、その大きな壁を乗り越えるためには、日本語でしばしば「コネ」と呼ばれる、積極的につながりを求めて得られるネットワークが大変重要な役割を果たすと強調しました。成田さんは、教員による紹介や研究室訪問など様々な方法で積極的にこのネットワークを作ったと述べ、その具体的な方法についても説明しました。調べようと思ってもなかなか調べることができない成田さんの貴重な経験談に会場全体が惹きつけられていきました。

中島美紀さん

中島さんの講演 中島さんの講演

東工大修士課程修了後、アメリカに留学し、今年カリフォルニア工科大学で博士課程学位を取得。専門は地球惑星科学で、現在はアメリカのカーネギー研究所でポスドクとして活躍しています。留学前と留学中の苦労、そしてその乗り越え方を中心に話しました。

高校時代から留学に憧れ、東工大修士課程時代に交換留学を経験し、そこで挫折を経験するも、アメリカの研究規模、博士という学位に惹かれ海外大学院進学を目指したと語りました。その後、困難を乗り越えて日本の奨学金を獲得し、そして同年に数々のアメリカのトップレベルの大学院に合格したことを振り返りました。日本の奨学金を獲得することで受験を有利に進められることについては、前出の成田さんも強調していましたが、様々な方法で自分を大学にアピールすることが合格への鍵だと話しました。

中島さんは、合格した中からNASAとの結びつきが強く、少人数が特徴のカリフォルニア工科大学を進学先として選びました。アメリカでは最高峰の研究環境に恵まれ、広範囲でスピーディーなネットワークを築くことができたと話しました。その反面、ライバルとの争いは激しく苦労することも多かったけれど、それも含めて全て自分の力になったと笑顔で語ってくれました。

坂本啓准教授

坂本准教授は、米国大学院学生会を運営する1人で、自身のアメリカのコロラド大学で博士課程学位を取得した経験について話しました。

アメリカの博士後期.課程に留学する学生のうち、主な財源を自費で賄っているのはわずか2.4%で、なんと53.6%がRAを主な財源としているというデータを示し、その分、学生間の競争も激しいが、その競争を勝ち抜き得た博士という学位は、その後の進路において多くの選択肢を与えてくれると強調しました。日本で博士号というと研究者の印象が強いかもしれないが、アメリカでは研究施設よりも、企業で働く人や自分で起業する人の方が多いと坂本准教授は話し、海外留学によって得られるものは、夢の実現への選択肢を広げてくれると力強く語りました。

3人の講演終了後、パネルディスカッションが始まる前に、源勇気助教が自分の経験談とともに自己紹介しました。東工大出身の源助教は、ケンブリッジ大学に留学し博士の学位を取得後、さらにアメリカの国立研究所でのポスドクを経験しました。具体的な経験談を中心にテンポよく話を進め、特にイギリス、アメリカ、日本の大学の仕組みや習慣の違いなどについて解説しました。

すべての講演が終了し、いよいよパネルディスカッションが始まると、会場から次々と質問が飛び出しました。留学に向けての準備や留学のタイミングについてなど、留学体験者の生の声がきけるとあって質疑応答は時間いっぱいまで続き、大いに盛り上がった説明会となりました。

お問い合わせ先

SAGE(東京工業大学国際交流学生会)

Email : sage.tokyo.tech@gmail.com


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