8月20日、21日の2日間、東京国際フォーラムにて開催された学び体験フェア「マナビゲート2016」に、本学がブース出展しました。ブースでは生命理工学院の山田拓司准教授、及びJCHM※の本学学生パートナーによる「腸内細菌ってなんだ?」が企画され、参加者は自らが腸内細菌となり個体の増殖を目指す対戦型ボードゲーム、「バクテロイゴ」の試遊を楽しみました。
学び体験フェアマナビゲートは、子ども目線でアレンジした大学の知的財産を、子どもたちに「見て・聞いて・触れて」体験してもらう夏休みイベントです。NPO法人学びの支援コンソーシアム主催、文部科学省後援のもと開催され、今年度は本学を含め12大学が出展し、土日の2日間で約22,000人が来場しました。
今回ブースに登場した「バクテロイゴ」は、腸内細菌のしくみを楽しく学べるボードゲームで、大学院生命理工学研究科(現:生命理工学院)の学生たちが山田拓司准教授と考案したものです。ヒトの腸内には、1,000種100兆個体の細菌が共生していると言われています。近年、腸内細菌の解析技術が飛躍的に向上し、これらの細菌を網羅的に調査する事が可能になり、様々な発見が相次いでいます。 「バクテロイゴ」はそうした目に見えない細菌たちの活動や仕組みを、子どもたちに分かりやすく学んでもらうべく開発されました。
プレイヤーはそれぞれ特徴の異なる4種類の腸内細菌の中から、好きなものを1つ選びます。そして「分裂」カードを使って自身を増殖させたり、「蠕動(ぜんどう)運動」によって腸内を移動したり、あるいは「抗生物質」を投与してライバルの細菌を倒したりと様々な戦略を用いて、自身の細菌が腸内で最多数を獲得できるように競います。
「バクテロイゴ」は対象年齢が9歳からのゲームですが、その多様なカードを用いた生存戦略の奥深さには、思わず大人でもゲームに入り込んでしまうものがあります。当日は、マナビゲート、及び同時開催された私立学校展(進路説明会)に訪れた子どもたちのみならず、同卓した保護者も対戦に熱中している様子が伺えました。
試遊会終了後には、ヒトの身体に住んでいる細菌たちが一目で分かる「ヒト細菌フローラマップ」をお土産に配布しました。「トイレに貼って勉強してね!」と学生がフローラマップを渡すと、子ども達は大事そうにマップを抱えていきました。今回のイベントでは多くの方に本学のブースにお越しいただき、またゲームを通じて腸内細菌の研究に興味を持っていただくことができました。
山田拓司准教授のコメント
たくさんの小学生やその保護者の方々に参加してもらい有意義な会となりました。
腸内細菌研究、そして東京工業大学に理解を深めてもらえたならば幸いです。
また、暑い中、アシストしてくれた学生達の熱意に心から感謝しています。
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- JCHM(Japanese Consortium for Human Microbiome、日本人腸内環境の全容解明とその産業応用プラットフォーム)とはヒトの腸内には 1,000種100兆個体の微生物が共生していると言われ、 それらの腸内細菌の乱れは多くの疾病に関わっている事が知られています。 欧米では腸内細菌解析の重要性が早くから認識され、 大型予算が割り当てられ多くの研究者が携わっていることから、日本においても日本人腸内環境の全容解明は急務と言えます。そのため、JCHMでは、日本人腸内環境の全容 解明をテーマに掲げ、 日本人腸内微生物データーベース構築による「日本人固有の腸内環境及び腸内代謝系の発見」と 「疾病マーカーの発見」を目指したプロジェクト活動を推進しています。
- 黒川・山田研究室
- JCHM 日本人腸内環境の全容解明と産業応用プラットフォーム
- 東京工業大学基金 | 東工大への寄附
- 東工大生オリジナル 腸内細菌ボードゲーム「バクテロイゴ」発売決定 | 東工大ニュース
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