7月12日、アイルランド ダブリン大学トリニティカレッジのパトリック・プレンダガスト学長一行が東工大を訪問し、三島良直学長と懇談を行いました。懇談には、関口秀俊副学長(国際連携担当)らが同席しました。
ダブリン大学の学長による日本訪問は今回が初めてです。
懇談はまず、三島学長が東工大の概要と本年4月に本学が導入した教育システムについて説明を行い、続いて、プレンダガスト学長がダブリン大学の歴史や特色とともに、ナノサイエンスや生物医学、神経科学、人文科学の研究所等について話し、将来的な連携について意見交換を行いました。
プレンダガスト学長は、ダブリンがその立地や言語等の利点から世界でも有数のビジネス拠点として認知されていること、ダブリン市内やアイルランド国内にはグーグルやアップルなど、750社以上の世界企業がヨーロッパ本部を設置しており、ダブリン大学がそれらの企業との強いつながりを持っていることを紹介しました。また、同大学が学生の起業や研究の事業化を推進していることを話しました。
懇談の後半では、両学長は両学の連携を深めるためには、学生交流や共同研究を通した研究者交流が重要であることを確認し、特に両学が注力している、工学、環境、エネルギー分野の研究について意見交換を行いました。三島学長は同分野の本学の研究成果を応用した例として、環境エネルギー・イノベーション(EEI)棟を、プレンダガスト学長は同大学が新設したE3(工学、エネルギー、環境)研究所をそれぞれ紹介しました。懇談後、一行はEEI棟を見学しました。
ダブリン大学は1592年に設立されたアイルランド最古の大学で、国内トップの総合大学です。世界122か国から来た、約17,000人の学生がダブリン市内中心部のキャンパスで、芸術・人文・社会科学、工学・数学・科学、健康科学の3学部、24専攻で学んでいます。また、新設された「トリニティアジア研究センター」では、アジア研究が行われ、現在約30人の学生が日本の言語と文化を学んでいます。同大学の図書館には、600万冊の蔵書と地図、音楽、歴史的な文書のコレクションがあり、珍重される中世の写本コレクションの中には、世界的評価を受ける18世紀の「ケルズの書」も含まれています。