10月4日、オランダのトウェンテ大学のエド・ブリンクスマ学長、テオ・トーネン行動・経営・社会科学部長が東工大を訪問し、三島良直学長、佐藤勲副学長(国際企画担当)と懇談を行いました。懇談には、在日オランダ大使館のロブ・ストロークスシニア・アドバイザー、本学国際連携課の青木彰課長も同席しました。
ブリンクスマ学長、トーネン学部長は、前日に京都で開催された科学技術の国際会議としては最大規模の「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)」の学長ランチミーティング(議長:三島学長、司会:佐藤副学長)にも出席しました。
三島学長は歓迎の挨拶に続いて、今年4月にスタートした教育改革後の新教育システムの特色について説明を行いました。6学院19系・1専門職学位課程に統合・再編された新システムでは、学生は学士課程から博士後期課程のカリキュラムを学年ではなく達成度に応じて履修できること、また、従来は学士課程の履修科目だった教養教育を博士後期課程まで拡大したことを説明しました。専門分野に加えて、人文科学、社会科学、外国語等の広範な教養教育を通して、幅広い視点や柔軟性、創造性を養い、自らの研究に活かしてもらうことを目的としていると話しました。ブリンクスマ学長からは、教養教育のカリキュラムや博士後期課程でのプログラムについて質問がありました。
続いて、ブリンクスマ学長がトウェンテ大学の概要説明を行い、同大学が1961年に設立され、現在、本学と同規模の学生(約9,600名)が在籍していること、1980年代から起業推進コンセプトを導入して、学生や研究者の起業を強力に奨励しており、ブッキング・ドット・コムを含む約900社を起業していることについて話しました。さらに、教養教育や社会科学のカリキュラムについても触れ、同大学では、専門が異なる学生たちが共同でプロジェクトを進めるプロジェクトベースの教育を行っていると話しました。また、ナノテクノロジー研究所(MESA+)を含む6つの研究所について説明しました。
懇談の前に一行は、同大学と研究交流を行っている理学院の藤澤利正教授の研究室を訪問し、半導体ナノ構造での量子状態に関する研究や共同研究について意見交換を行いました。
今回の来訪により、両学の教育や研究への取り組みへの理解が深まり、将来的な連携につながることが期待されます。