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Tokyo Tech-AYSEAS 2016実施報告

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2016年8月22日~9月1日、Tokyo Tech-AYSEAS (東工大・アジア理工系学生派遣交流プログラム) 2016 参加学生10名がタイを訪問しました。

ホスト大学・キングモンクット工科大学ラカバン校にて

ホスト大学・キングモンクット工科大学ラカバン校にて

Tokyo Tech-AYSEASは、東工大生が東南アジアの国に赴き、タイ、インドネシア、フィリピン、シンガポール、ベトナム等現地・近隣諸国の大学生とともに、施設見学、ディスカッションを行い、インターカルチュラルコミュニケーションを通して、急速な発展段階にあるASEAN各国のダイナミズムを体感する実践型海外派遣プログラムです。

1. プログラム概要

AYSEAS 2016では、タイの国立大学・キングモンクット工科大学ラカバン校がホスト大学となり、本プログラムのアレンジに尽力してくださいました。今年度は、海外協定校からの参加学生20名とともに、現地の日系・タイ企業、政府機関、国連教育科学文化機関(ユネスコ)バンコク事務所等を見学し、タイ産業の最新技術、ASEAN諸国と日本との関係について学びました。

毎日の見学後に行われるグループディスカッションでは、訪問先で得た知識を基に、自動車社会の発展に伴う交通渋滞、技術移転の企業成長に与える影響等、タイの抱える問題やその改善策について意見を交わし、それを基に最終日にプレゼンテーションを行いました。

  • 企業訪問時の様子

    企業訪問時の様子

  • グループディスカッションの様子

    グループディスカッションの様子

参加学生の各国文化を紹介する文化交流会やアユタヤなどの世界遺産見学等も実施し、東南アジアの国々の歴史・文化を知る良い機会となりました。

本プログラムにおいて、学生達は成長著しいタイ産業の現場を肌で感じるだけでなく、国籍・文化・宗教等の違いを超えて協働する難しさや、相互理解の大切さを学び、将来世界で活躍する人材となる上で重要な素養を養うことができました。毎日寝食を共にし、同じ目標に向かって真剣に語り合った仲間との強い絆もまた、かけがえのない財産となりました。

  • 最終プレゼンテーション

    最終プレゼンテーション

  • ワット・プラ・ケオ(王宮寺院)にて

    ワット・プラ・ケオ(王宮寺院)にて

11月9日には、本学において帰国報告会を実施し、現地でのプレゼンテーションを更に深め、本プログラムの成果を発表しました。その後、丸山俊夫理事・副学長(教育・国際担当)より参加者全員に修了証が授与されました。

帰国報告会の様子
帰国報告会の様子

帰国報告会の様子

2. スケジュール

6月 - 7月
事前学習(英語による講義、現地語・現地文化学習、新日鐵住金君津製鉄所見学、訪問先事前調査及びプレゼンテーション)
夏季休暇中
参加学生による自主勉強会
8月22日(月)
タイへ出発
8月23日(火)
ホスト大学・キングモンクット工科大学ラカバン校にて開会式、キャンパスツアー
三菱エレベーターアジア社訪問
8月24日(水)
NSTDA(タイ国立科学技術開発庁)、アジア・パシフィック日産自動車会社訪問
8月25日(木)
Summit Auto Body Industry(サミット車体工業株式会社)、曙ブレーキタイランド訪問
8月26日(金)
ユネスコバンコク事務所訪問
海外協定校学生向け留学説明会
8月27日(土)
王宮、ワットプラケオ、ワットポー、ワットアルン等見学
8月28日(日)
アユタヤ等見学
8月29日(月)
Betagro Foods International(ベタグロ・フーズ・インターナショナル)訪問
8月30日(火)
文化交流会
8月31日(水)
最終プレゼンテーション、閉会式
9月1日(木)
日本へ帰国
11月9日(水)
帰国報告会、懇親会

3. AYSEAS 2016参加大学

  • タイ
    : キングモンクット工科大学ラカバン校(ホスト大学)、キングモンクット工科大学トンブリ校
  • インドネシア
    : ガジャマダ大学
  • フィリピン
    : デラサール大学
  • ベトナム
    : ホーチミン市工科大学
  • シンガポール
    : 南洋理工大学

4. 参加学生の体験談

工学部 機械科学科3年 飯田侑美

プレゼンテーションのグループメンバーと
プレゼンテーションのグループメンバーと

このプログラムは留学を考える人全てにお勧めしたいですが、その中でも特に海外に旅行や短期の留学で行ったことがあり次のステップを探している人、海外で新たな挑戦をしたい人にはもってこいのプログラムだと思います。なぜなら私がそうだったからです。私は春の超短期派遣でオーストラリアに行ったことがありますが、次に挑戦するプログラムを探しているときに出会ったのがAYSEASでした。

AYSEASの一番の特徴であり長所は、海外からの学生達がプログラムのメンバーであることだと思います。彼らはチームメイトでありルームメイトであり、ともすれば一緒に行った日本人学生よりも多くの時間を共にする近しい存在でした。また留学では、訪問する日本人に現地の学生たちがその国について教えることが多いと思いますが、このプログラムでは出身国に関わらず全員がメンバーとして共に学び成長していくのも特徴だと思います。もちろんタイの学生は積極的にタイの文化や生活に必要なことを教えてくれましたが、企業などを訪問した際は同じ立場として共に学び、また複数の国の学生が集まっているので、お互いの国の学生がお互いの国について教え合うということがたくさん行われました。

また学びに対して学生が受け身にならず、積極的に発信できるのもAYSEASの良いところだと思います。AYSEASでは企業を訪問し説明を聞いた後に質疑応答により理解を深める、特定のテーマについて議論を行う、議論で得られた事を元にプレゼンを行うなど、情報を受けとった後に自分の考えを発信する機会が本当に多く設けられていました。もちろん海外の学生が共にいるため英語で行います。日本語で行うのも難しいことを英語でやるため最初は言う前に頭の中で何度も繰り返すなど苦労しましたが、AYSEASのプログラムでは英語を「目的」ではなく「手段」として活用していくことが意識されていると強く感じました。

最後に、このプログラムに参加してたくさんの素晴らしい方たちと出会えて本当に良かったと思います。AYSEASに参加した日本の学生たちはその英語力やコミュニケーション力の高さから、自分が学ぶべき点を見出すことができ、AYSEASの先生方にはこれからの人生で大切になっていくことをたくさん教えていただき、また特にAYSEASに参加した海外学生たちからは本当にたくさんのことを学び、大切な時間と経験をもらいました。タイでの最後のプレゼン発表が終わりタイで過ごす最後の夜、参加した学生みんなでカラオケに行き様々な国の歌を歌ったこと、ホテルに戻ってからもみんなで別れを惜しみながら共に歌い、Vitamin Cの“Graduation”をみんなで歌っているときに歌の歌詞をAYSEASのプログラムから卒業する自分たちに重ね、みんなと離れ難く感じたことを鮮明に覚えています。

“We will still be friends forever”と歌の歌詞にあるように、AYSEASで出会った全ての人とのつながりをこれからもずっと大切にしていきたいです。

工学部 金属工学科3年 一居太朗

僕はAYSEASで得られるメリットは主に2つあると感じています。1つは発展途上国の現状を知ることができること、もう1つは海外の学生と深く交流できることです。今回のAYSEASのプログラムで我々はタイのバンコクを訪れ、様々な会社や機関を訪れました。それだけでなく、夜にはマーケットやレストラン、さらに最終日の夜には現地のカラオケにも行きました。

印象に残っている訪問として、自動車パーツを作る現地企業があります。その会社は事業で使われる技術を100%日本から輸入しているため、自力で技術革新を行うことが困難で、ホテルやゴルフコースなど他の事業に手を出さざるを得ない状況におかれています。このような企業はタイでは多く存在しており、経済成長に影響を与えているのではないかと感じました。最終プレゼンのトピックは「技術移転と双方の経済成長をいかにして両立するか」であったため、この事実を踏まえていくつかの解決策を議論しました。

また現地の日本企業を訪問しましたが、そこで責任者として働く日本人は仕事に満足しているように見え、また待遇も充実しているとのことでした。今回の訪問を通して、アジアで日本人技術者として働く、ということが今後のキャリアの選択肢として増えました。ただ一方で、現地の経済成長に従って現地従業員の人件費も高くなってきているという現状も心にとどめておかなければなりません。

夜の自由時間にはマーケットにも行きました。思っていたよりも清潔だったことと、とても活気があったことが印象的でした。現地人は日本人よりもとても積極的で、なぜか元気づけられてしまいました。ただ何を買っても安いせいで爆買いしてしまうのでそこは注意が必要です。

このプログラムの2つ目の大きな特徴は、他の留学プログラムに比べ海外学生と交流する機会がとても多いことです。これは将来のキャリアのために重要であると僕は考えます。現地では海外学生のモチベーションに驚かされてばかりでした。さらに特筆するべき点は、どんなときでも会話を全て英語でしなければならないことです。部屋でパーティーをしている時も、飲んでいる時も全て英語です。もっと言えば僕の場合ルームメイトがタイ人だったので寝る瞬間まで英語でした。これのおかげで英語力は勝手に上がります。海外の学生とは今でも連絡を取っていますし、何人かは日本に来るようなので日本を案内してあげようと考えています。

終わりに、今回全てのプログラムの引率をしてくださった花村先生、また学生リーダーとして尽力してくれた紺野くんに、深く感謝の意を表します。

  • マーケットにて

    マーケットにて

  • 右から2番目が一居さん

    右から2番目が一居さん

理学部化学科 3年 大田哲郎

カラオケにて(一番左が大田さん)
カラオケにて(一番左が大田さん)

今回のAYSEASのプログラムが自身初の海外でした。このプログラムを志望した理由は2つあります。1つは英語です。たった10日間で英語力がグーンと伸びることは期待していませんでしたがそれでも自分の英語の実力を知るうえでいい機会にしたいと考えていました。2つめは留学生との交流です。グローバルな時代で社会人になったとき戦う相手は外国の人だと思っていたので今のうちから交流をしておきたいと思ったからです。

ここからはプログラムの話です。

英語のことに関して、まずは事前学習です。当時、留学のみだと思っていたのでこの存在に驚きました。授業は英語で、最近のトピックについての講義があります。この時から英語に触れる機会が増えました。事前学習以外にもお昼休みにICSで留学生と一緒にディスカッションをしたり、プログラムのメンバーと英語でディスカッションをしました。この時点でかなりの英語に触れることができました。しばらく英語に触れた後本番である留学に旅立ちました。多少の英語力は培っていきましたが、現地ではかなり苦労しました。留学生は何の躊躇もなく英語をペラペラとしゃべっている一方で、自分は聞くことに全力を注いでいました。ただそれではやっていけないのです。ルームメイトも留学生でとにかく英語で話さなければならない状況でした。初めはお風呂に入っていいかを聞くことから始まりどんなに拙い英語でも伝わればいいと気持ちを切り替えていくことができたのが大きなことだったと思いました。とにかく英語漬けの日々でした。後半は留学生のご飯を食べているグループに1人でも混ざることができて自信もつきました。最初は、自分の英語力を計る機会くらいに思っていましたが、事前学習を含め、間違いなく英語力が向上したと思います。ここでいう英語力は、文法や単語量もありますが、何よりも自信がついたことです。

2つめの理由の留学生との交流についてです。AYSEASに参加した留学生はもちろんホスト大学の学生からも刺激をもらいました。留学生は結構なんにでも興味を持っていたように感じました。企業訪問での質問が多く、普通の会話でも日本ではどうなのかを聞かれたりしました。一番感じたことがとにかく勤勉だということです。海外の人はとにかく貪欲です。あとは友達がたくさんできました。いい人ばかりです。

自分がAYSEASで感じたこと得られたことはほかにもたくさんあります。かなり大変なプログラムであるとは思いますが、多くのことを得られるのは間違いありません。そしてそれは一生ものになると確信しています。

学生の学年は参加当時のものになります。

お問い合わせ先

国際部 国際事業課 国際事業グループ

Email : ayseas@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-3828


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