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国際原子力人材育成大学連合ネットが「日本原子力学会賞(貢献賞)」受賞

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2014年3月に開催された日本原子力学会において、「国際原子力人材育成大学連合ネットによる原子力人材育成」事業が日本原子力学会賞の貢献賞を受賞しました。これは、原子核工学専攻の齊藤正樹教授(現:博士課程教育リーディングプログラム グローバル原子力安全・セキュリティ・エージェント教育院 特命教授)が中心となって設立した、「国際原子力人材育成大学連合ネット」が、平成22年度から24年度にかけて実施した国内外の原子力人材育成事業が評価されたものです。

受賞した原子力学会賞貢献賞の盾

原子力学会賞貢献賞

この大学連合ネットは、原子力教育・研究に携わっている有志の15大学(北海道大、八戸工大、茨城大、東工大、湘南工科大、東海大、山梨大、名古屋大、金沢大、福井大、京都大、大阪大、近畿大、岡山大、九州大、)が連携して、それぞれの人材育成資源を持ち寄り、横断的、集約的、効果的、効率的かつ戦略的に国内外の質の高い国際原子力人材育成するために設立したものです。本事業で行った主な活動を以下に説明します。

盾を授与される齊藤正樹教授

盾を授与される齊藤正樹教授

1. 国内向けの原子力基礎教育シリーズ・TVセミナー

原子力分野以外の国内の優秀な学生を対象として、原子力の基礎を教育するシリーズ・TVセミナー(原子力道場)を、以下のように計10回実施しました。このセミナーでは、北海道大、八戸工大、茨城大、東工大、金沢大、福井大、大阪大、岡山大の8拠点を結ぶTV遠隔講義ネットワ-クを構築し、全国を横断的に連携して、2日間づつの講義が( )内の幹事校より配信されました。

1. 新型炉開発
(福井大)
2. 原子力の安全性及び原子力平和利用と核不拡散
(東工大)
3. 原子力発電と燃料サイクル
(八戸工大)
4. 低線量放射性廃棄物の処理
(岡山大)
5. 高レベル放射性廃棄物について
(北大)
6. 放射線と医療工学
(阪大)
7. 核変換について
(茨城大)
8. 宇宙(創生、開発)と原子力
(東工大)
9. 原子力の安全性、防災・危機管理
(福井大)
10.暮らしとエネルギーと原子力
(東工大)

TVセミナーの様子

TVセミナーの様子

また、全国のTVセミナー参加者の中から優秀な学生を選抜して拠点の幹事校に集め、現地の協力機関と連携し、グループ討議や関連する原子力関係施設を訪問し、原子力に関する知識を深める原子力道場全国大会を2回(幹事校は第1回目:福井大、第2回目:茨城大、東工大)開催しました。このシリーズ・セミナー全10回のTVセミナーの延べ受講者数は1,128名、また2回の全国大会の受講者は69名でした。

これらのセミナーを受講した学生からの数多くの反響が寄せられ、その例を以下に示します。

  • 「5年10年先だけでなく、数百・数千年先のことを考える視点を学びました。技術伝承・国際共同体の意味など新しい見識を得られました。」
  • 「他大学の様々な学年の方と話し合いが出来、非常に有益だったし、楽しむことができました。是非またこのようなプログラムに参加したい。」

2. 海外向け戦略的国際原子力教育

インドネシアでの講義後の記念写真

インドネシアでの講義後の記念写真

日本の原子力産業の世界展開を支援するため、原子力新規導入国のマレーシア、ベトナム、サウジアラビア、タイ、モンゴル、インドネシア、フィリピンの7カ国を対象として、原子力の講義を1週間ずつ実施しました。それぞれの国の原子力人材育成状況や人材育成に関する要望に基づいて、大学連合の中から構成した約10名の原子力教育グループを現地に派遣し、現地で学生や行政府等の若手に対して実施し、7ヶ国での受講者総数は386名に達しました。

受講した各国の学生からは、以下のような反響が寄せられました。

  • 「マレーシアは今、原子力を導入する時期に来た。日本では福島第一原子力発電所事故があったが、約束通りセミナーを開いてくれた。日本からは学ぶべきことは多い。」
    (マレーシア原子力庁ユナス副総裁挨拶)
  • 「ベトナムは経験豊富な教授陣や指導者ならびに実習機材が不足している。従って、人材育成の面でも日本の支援に期待する。」
  • 「タイの発電は現在、天然ガスの比率が高いが、これは長く続かないことを承知している。このため原子力の必要性を十分認識しており、そのためにも今から人材育成をしておかなければならない。」
  • 「サウジアラビアの国内石油消費量が大きく、このままでは、あと15年くらいで国内生産量の全てを国内で消費してしまう。従って、石油を残すためにも16基程度の100万kW級原子炉が欲しい。」
  • 「講義は毎年、またインドネシアの他の土地でも開催して欲しい。初級、中級、上級の階層別の講義を開催して欲しい。」

これらの活動が評価されて、日本原子力学会からの貢献賞受賞となりました。

※ 5月22日 14:40、リンク先に誤りがあったので修正いたしました。


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