「夏の電脳甲子園」として、高校生・高専生が4日間をかけて難題を解くプログラムを作成し、その性能を競う「スーパーコンピューティングコンテストSuperCon(スーパーコン)2018」(以下、スーパーコン)の本選が、8月20日から8月24日にかけて東京工業大学学術国際情報センターで開催されました。
東京工業大学学術国際情報センター、大阪大学サイバーメディアセンターが主催するスーパーコンは、高等学校もしくは高等専門学校の高校相当学年の学生からなる2~3人のチームが、スーパーコンピュータを駆使して難問を解くプログラミングコンテストで、今年は本学のTSUBAME3.0が使用されました。35チームの応募があり、その中から予選により22チーム(東日本12チーム、西日本10チーム)が選抜されました。本学の会場には東日本12チームが、大阪大学サイバーメディアセンターの会場には西日本10チームが集まり、本選を戦いました。
今年の本選課題
今回のプログラムの作成では、いかに効率よく計算を行うプログラムを作るかということ がポイントとなります。
課題 : 問題の入力として量子回路を与える。入力は、
で与えられる。
量子ビットの数Nは25≤N≤30、量子ゲートの数Kは500≤K≤2000、各G_iは量子ゲートの種類を表していて、パウリX変換 X、パウリZ変換 Z、アダマール変換 H、コントロールX変換 CX、コントロールZ変換 CZ、トフォリ変換 CCXのいずれかである。ただし、Hの総数は125以下とする。
量子ビット|00・・・0〉を量子回路の入力としたときに、その量子回路から出力される量子状態を測定した際に得られる確率が一番高い測定結果とその確率を問題の解とする。この問題を解くプログラムを作成せよ。確率は相対誤差10^-5未満を正解とし、順位付けは、「計算結果が正しいものが多い方が上位」「計算結果が正しいものが同数の場合は実行時間の総和が小さい方が上位」というルールに従って決める。
本選課題の詳細はSupercomputingContest2018からご覧いただけます。
発表会・表彰式
発表会・表彰式は8月24日に、東工大蔵前会館ロイアルブルーホール(東京会場)において開催されました。大阪会場でも予定されていた発表会・表彰式は台風のため中止といたしましたが、大阪大学サイバーメディアセンター豊中教育研究棟7階会議室にテレビ会議システムで中継を行い、安全に来場できる参加高校生には集まっていただきました。東工大 学術国際情報センター長の山田功教授(工学院)の開会の挨拶に始まり、東工大の佐藤 勲理事・副学長からの主催校挨拶(東京会場)、大阪大学サイバーメディアセンター長の下條真司教授の挨拶(大阪会場)、情報処理学会情報処理教育委員会の萩谷昌己委員長の来賓挨拶に続いて、参加チームの紹介を実施委員会委員長である東工大 学術国際情報センターの西崎真也教授が行いました。本選課題・審査方法の説明等については、東工大 情報理工学院数理・計算科学系の森立平助教が行いました。
本選結果
上記発表会・表彰式において、1位から3位までのチームにメダルと賞状が、佐藤 勲理事・副学長から贈呈されました。
また優れたアルゴリズムやプログラムを作成したチームに贈られる学会奨励賞(電気情報通信学会通信・システムソサイエティスーパーコンピューティング奨励賞、情報処理学会若手奨励賞)は3位のチーム「SHIROXTL」が受賞しました。
競技結果
順位 |
チーム名 |
学校名 |
---|---|---|
1 |
Anantash |
灘高等学校 |
2 |
dispro |
大阪府立大手前高等学校 |
3 |
SHIROXTL |
宮崎県立宮崎西高等学校 |
4 |
justiCE |
埼玉県立大宮高等学校 |
5 |
Vimaster |
静岡県立浜松工業高等学校 |
6 |
Kerberos |
静岡県立浜松工業高等学校 |
来年も「夏の電脳甲子園」の熱戦を期待しています。
- 第23回スーパーコンピューティングコンテスト本選開催報告|東工大ニュース
- 第22回スーパーコンピューティングコンテスト本選開催報告|東工大ニュース
- 「夏の電脳甲子園」第21回スーパーコンピューティングコンテスト開催報告|東工大ニュース
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