東京工業大学のインドネシア留学生協会は10月27日、東工大大岡山キャンパスで、駐日インドネシア大使館の協力を得て、論文発表・特別講演会「東京工業大学 インドネシア コミットメント アワード」(以下、TICA)を開催しました。
TICAは研究と技術を通してインドネシアの発展を支援するもので、今年で9回目を迎えます。
TICA2018のテーマは「国家を力強くする誠実さ」です。インドネシアの大学で科学・技術を研究している大学生が参加しました。「情報通信技術」「エネルギーと環境」「インフラストラクチャーと輸送」「ライフサイエンス」の4つのサブテーマがあり、200本以上の論文が提出されました。選ばれた優秀な学生3名が論文発表のファイナリストとしてインドネシアから日本に招かれ、それぞれの研究を発表しました。
論文発表に先立ち、3名は科学技術創成研究院 先導原子力研究所の吉田克己准教授、物質理工学院 材料系の松下伸広教授、情報理工学院 情報工学系の篠田浩一教授の3つの研究室を訪問しました。
当日はTICA実行委員会の代表者、インドネシア大使館の代表者、環境・社会理工学院 融合理工学系の日野出洋文教授の挨拶で始まりました。続いて3名のファイナリストが論文を発表し、最優秀者が選ばれました。審査員は、科学技術創成研究院 先進エネルギー国際研究センターのアズイッズ・ムハンマッド特任准教授、環境・社会理工学院 融合理工学系のウィナルト・クルニアワン助教、科学技術創成研究院 化学生命科学研究所のミフタクル・フダさんの3名が務めました。
審査結果は次の通りです。
エネルギーと環境のサブテーマ |
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1位 |
アユ・リア・プラタマさん |
UO2、(TH-U)O2、および(PU-U)O2を使用して高温ガス炉50のMWtの核分裂利用研究 |
ライフサイエンスのサブテーマ |
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2位 |
ナディラ・ヌルファティヤさん |
鉄(Fe3+)イオンセンサとしての有機廃棄物からの炭素ドットの合成 |
エネルギーと環境のサブテーマ |
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3位 |
エルビリアナさん |
微生物燃料電池技術によるバイオマス廃棄物を用いた電力生産に関する研究 |
論文発表の後、物質理工学院 材料系のレトノ・ミランティさん(博士後期課程2年)の司会で講演会が開かれました。基調講演者はインドネシアのガジャマダ大学 のパヌト・ムリオノ学長で、アカデミアを通して国家を力強くする誠実さについて話しました。
最後に、参加者全員で写真を撮影し、インドネシアの科学と技術の発展を支援する証として拳を上げました。東工大インドネシア留学生協会はTICAを継続して開催し、インドネシアの研究者を積極的に支援したいと考えています。