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Tokyo Tech-AYSEAS 2018 実施報告

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8月29日から9月8日まで、Tokyo Tech-AYSEAS(東工大・アジア理工系学生派遣交流プログラム)2018の参加学生13名が、ベトナムを訪問しました。

ハノイ工科大学にて

ハノイ工科大学にて

Tokyo Tech-AYSEASは、東工大生が東南アジアの国に赴き、タイ、インドネシア、フィリピン、シンガポール、ベトナム等現地・近隣諸国の大学生とともに、施設見学、ディスカッションを行い、インターカルチュラルコミュニケーションを通して、急速な発展段階にある東南アジア諸国連合(ASEAN)各国のダイナミズムを体感する実践型海外派遣プログラムです。AYSEASはAsia Young Scientist and Engineer Advanced Study Programの略語です。

プログラム概要

AYSEAS 2018では、ベトナムのハノイ工科大学がホスト大学となり、本プログラムのアレンジに尽力してくれました。今年は、東工大生13名に、ハノイ工科大学学生8名、さらに東工大の海外協定校からの参加学生6名が加わり、総勢27名となりました。現地の日系企業やベトナム企業、公共施設、国際協力機構(JICA)ベトナム事務所等を見学し、ベトナムの産業や社会問題、ASEAN諸国と日本との関係について学びました。

企業訪問
企業訪問

グループディスカッション
グループディスカッション

毎日の見学後に行われるグループディスカッションでは、訪問先で得た知識を基に、エネルギー資源開発と環境保護、自動車社会の発展に伴う交通渋滞、技術移転が企業成長に与える影響等、それぞれの国が抱える問題とその改善策について意見を交わし、最終日にプレゼンテーションを行いました。休日には、世界遺産のハロン湾を訪れたり、参加学生の各国文化を紹介する文化交流会を行ったりし、東南アジアの国々の歴史・文化への理解を深めました。

ハロン湾の鍾乳洞
ハロン湾の鍾乳洞

文化交流会
文化交流会

本プログラムにおいて、学生たちは活気溢れるベトナムの現状を肌で感じるだけでなく、国籍・文化・宗教の違いを超えて信頼関係を築いていく過程を経験しました。また、毎日寝食を共にし、共通の目標に向かって真剣に語り合うことで、仲間との強い絆を実感しました。

帰国して約一ヵ月後の10月10日には、本学において帰国報告会を実施し、現地で行ったプレゼンテーションをさらに発展させ、本プログラムの成果として発表しました。その後、水本哲弥理事・副学長(教育担当)より、東工大の参加者全員に修了証が授与されました。

スケジュール

6月-7月
事前学習(英語による講義、キリンビール横浜工場見学、現地文化学習、訪問先事前調査及びプレゼンテーション)
夏季休暇中
参加学生による自主勉強会
8月29日(水)
ベトナムへ出発、顔合わせ会
8月30日(木)
ハノイ工科大学(HUST)にて開講式、キャンパスツアー
8月31日(金)
ベトナムHTMP機器(金型・樹脂企業)、サントマス・ベトナム(精密部品企業) 訪問
9月1日(土)
ハロン湾見学
9月2日(日)
ホーチミン廟周辺、文廟、民族学博物館等見学
9月3日(月)
文化交流会
9月4日(火)
デンソーベトナム、タンロン工場団地訪問
9月5日(水)
荏原ベトナムポンプ、イェンソーポンプ場訪問
9月6日(木)
ルビナソフトウエア、JICAベトナム事務所訪問
海外協定校学生向け留学説明会
9月7日(金)
最終プレゼンテーション、閉会式
9月8日(土)
日本へ帰国
10月10日(水)
帰国報告会、懇親会

AYSEAS 2018参加大学

  • ベトナム:ハノイ工科大学(ホスト大学)
  • フィリピン:デラサール大学、フィリピン大学ディリマン校

参加学生の体験談

野村尭平(理学院 物理学系2年)

いつもと違った夏季休暇を過ごしたい。そんなことを考えながら東工大の留学プログラムを探しているときに見つけたのがAYSEASでした。他のプログラムと違い、AYSEASは訪問国の学生とのディスカッションがあったり、派遣先以外の国からの学生も来るので様々な国の友達を作れることがとても魅力的であると感じました。また、昨年度このプログラムに参加した先輩の強い勧めもあり参加を決めました。

このプログラムを終え、重要なのは英語というよりも英語を通したその先であると改めて実感しました。自分の意見をしっかり持ち、それを相手にきちんと説明することが重要です。このようなことは英語を勉強しているだけでは身につくものではないことに参加した学生はみな気づいたと思います。

参加学生との交流を通して刺激を受けたことは多々ありました。中にはとてもプレゼンの上手な学生がいたり、いつも鋭い質問をする学生など周りを驚かせるような学生がたくさんおり、彼らから学べることは多かったです。どのように声のトーンを落とし、どのようなスピードで、どのタイミングで間を入れれば聞いている側を引き込めるかなどということについてバスの中で熱心に聞かせてくれたことは今でも覚えています。今回の派遣を通じて自分も自発的に発信して行動していかなければいけないなと強く感じるようになりました。また、これらのとても貴重な経験は今後のモチベーションアップにつながると感じています。

最後になりますが、英語を通じて何かやりたいと思っている方、これを読んでいるあなた、迷っているならぜひ参加してみてください!

ハノイ市内のレストランにて
ハノイ市内のレストランにて

ハノイ工科大学での昼食
ハノイ工科大学での昼食

鎌田莉子(生命理工学部 分子生命科学専攻4年)

このプログラムは現在留学を考えている人や英語力を特に強化したい人にも、またそうでない人にもお勧めできます。

まず、英語やディスカッションについてです。海外の学生とほぼすべての時間一緒なので英語を話す機会が多く、グループでディスカッションやプレゼンテーションを行います。留学や英語に元々興味がある人にとっては、留学や英語へのさらなるモチベーションにも、実践的なトレーニングにもなると思います。一方で、そうでない人にとっても、そうでない人こそ、グループでのディスカッションを通じて、性別、民族、出身地、文化、考え方の異なる人々の持つ専門知識や、自分とは異なる視点を利用すれば、物事をより正確に見ることができることを実感できます。多様な知識、経験、考え方が、自分の知らなかった、気づかなかったことに気づかせてくれます。帰国後も、私は積極的に自分の意見や悩みを共有し、フィードバックを求め、学ぶつもりで真剣に答えを聞くことを以前より意識するようになったと思います。

次に、熱意さえあれば海外の友達ととても仲良くなれます。私達は、帰国後も連絡を取り、お互いの国に旅行や留学をしたりガイドをしたりしています。何より楽しいですし視野も広がります。私はAYSEASを通してこのような機会をいただいたことに最も感謝しています。

ハノイ大教会(聖ヨセフ大聖堂)

ハノイ大教会(聖ヨセフ大聖堂)

陳韋宏(物質理工学院 応用化学系 修士課程1年)

Tokyo Tech-AYSEASは、留学を考えている人にお勧めしたいです。10日間は程よい長さなので、大学院生でも研究にあまり影響が出ないと思います。私がAYSEASに参加した理由は、海外の日系企業に興味を持っていたからです。ハノイでの訪問先の一つ、ソフトウェア開発の企業は、私たちの先輩にあたる東工大出身のベトナム人が設立した企業で、日本向けサービスに特化したユニークな会社でした。報告、連絡、相談(報連相)やOJT(職業訓練)など、日本企業と同様の特徴がありました。

私は台湾の大学に在学していた時に4回海外渡航プログラムに参加した経験がありますが、AYSEASの特別なところは、異なる国からの参加学生と知り合い、活動する機会が多いところだと思います。そのおかげで現地の生活をじっくり体験できました。帰国後の10月10日に行われた東工大での帰国報告会では、自分のグループの順番が回ってくる前に、現地で同じグループだったベトナム、フィリピンの学生とインターネットを通じてビデオ・トークをしました。プレゼンテーションの直前はとても緊張しましたが、彼らのおかげで私たちの不安は完全に打ち消されました。私は大学院生活の中で彼らと出会うことができてとても嬉しいです。 10日間の現地滞在中に、私たちは見知らぬ他人から親しい友人へとなりました。もしこの出会いがなければ、研究に従事するだけの味気ない毎日を送っていたかもしれません。AYSEASに参加できてよかったと思います。

JICAベトナム事務所訪問

JICAベトナム事務所訪問

お問い合わせ先

学務部留学生交流課交流推進第1グループ

E-mail : ayseas@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-3433


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