世界的に注目されている学生向けビジネスコンテストの1つ、「ハルト・プライズ」のオンキャンパス大会が12月8日、東工大で初めて開催されました。
ハルト・プライズ@東工大には、1チームあたり3~4名の東工大生で構成された20チームがエントリーし、今年のテーマ「若者の失業-10年以内に10,000名の若者に有意義な仕事を提供するアイデア-」を解決するスタートアップのアイデアを競いました。
ハルト・プライズ@東工大 集合写真
当日は17チームが参加し、学内外から構成された審査員を前に、各チームがこの日に向けて練り上げた若者の失業問題解決に向けたアイデアを発表しました。
地域別決勝ラウンド進出チームの紹介
優勝チームは「ITHE(アイス)」。東工大代表として、2019年4月に開催される地域別決勝ラウンド(オーストラリア・メルボルン)に進出します。
優勝を勝ち取ったITHEの4名(左から永田彩乃さん、赤木茅さん、シュパルトフ・ペータさん、甲斐康平さん)
アイデアの概要
ITHEが提案したのは、スタートアップ企業のためのプラットフォームを創るアイデアです。ギグエコノミーのモデルを活用し、ビジネスのアイデアを思いついた人、そのプロトタイプを創りたい人、販促をする人、製品化をする人など、アイデアが製品になるまでのプロセスをオンラインで仕事分担・共有します。事業化に向けたアカウンティングなどのサポートも受けられるようにします。デザイン、IT、農業、製造など、業界や分野によって分断されている技術やコミュニティを統合し、それぞれが得意分野を活かして事業づくりに貢献できる仕組みを作ることでスタートアップ企業の生存率を上げ、新たな雇用の創出を目指します。
代表の甲斐さんのコメント
この度のハルト・プライズ@東工大の優勝を、チーム一同、非常に喜ばしく思っております。東工大でのハルト・プライズ開催の取り組みは初であり、このイベントをサポートしてくれた関係者の方に感謝します。この素晴らしいイベントは、いままで温めてきたアイデアを世に出すきっかけとなりました。
私たちのチームは、情報工学と感性工学の研究をしている学生で構成されています。
世の中には多くのアイデアがあります。私たちのアイデアがその中に埋もれないように、私たちのアイデンティティは何か、私たちの提供すべき価値は何か、常に問い続けていきたいと考えています。
次のピッチに向けて、引き続き邁進してまいりたいと思います。
メンバー
- 甲斐康平さん(情報理工学院 情報工学系 博士後期課程 2年)
- 赤木茅さん(情報理工学院 情報工学系 博士後期課程 2年)
- シュパルトフ・ペータさん(情報理工学院 情報工学系 修士課程 1年)
- 永田彩乃さん(工学院 機械系 博士後期課程 2年)
また、ITHEの他にもオンキャンパス大会のファイナリストから2チームが、地域別決勝ラウンドに進出することとなりました。
地域別決勝ラウンド(東京)に進出した
チーム「AJIL(アジール)」
地域別決勝ラウンド(フランス・パリ)に進出した
チーム「Kizuna(キズナ)」
ハルト・プライズとは
ハルト・プライズは、2009年にアハマド・アシュカル氏のアイデアを元に発足した世界的なビジネスコンテストです。そのアイデアとは、若者の力を利用することでスタートアップのアイデアを生み出し、持続可能な社会に向けて私たちが直面する喫緊の課題を解決することができるのではないか、というもの。発足から10年を迎える現在では、5,000万米ドル以上もの資金を活用して世界1,200大学の100万名以上の若者を刺激し、世界100ヵ国以上において大学における破壊的イノベーションをもたらしました。「学生のためのノーベル賞」とも呼ばれ、TIME誌で世界を変えるアイデアトップ5として特集されたこともある活動です。
各年のテーマは元アメリカ大統領のビル・クリントン氏により決定され、約1年間かけて行われる選考を経て優勝したチームには賞金100万米ドルが与えられます。
ハルト・プライズ@東工大の開催にあたって
東工大初のオンキャンパス大会は、キャンパス・ディレクターのカグホ・グレースさん(環境・社会理工学院 融合理工学系 修士課程2年)を中心とする、学士課程から修士課程までの東工大生7名と教員1名が主体となって実施されました。
主催メンバーの集合写真
カグホさんのコメント
参加した東工大の学生は熱心に、世界に対してどれだけインパクトを与えたいか、ということを示してくれました。ハルト・プライズを運営し、アイデアを共有し深めるプラットフォームを皆と共に生み出したのは、とても興奮する体験でした。
また、ハルト・プライズ@東工大の開催にあたり、東工大との縁も強い株式会社ぐるなび、株式会社みらい創造機構等による支援を受けました。
みらい創造機構の金子大介氏(東工大卒業生)