教育・国際連携本部は、11月26日~27日に東京都府中市にある研修施設クロスウェーブ府中にて宿泊形式の全学FD(ファカルティ・ディベロップメント)※1研修を開催しました。
2016年度より始まった本学の教育改革が「学生が自ら学び考える教育」を目指しているため、今回の研修テーマを「Student-Centered Learning(学生本位の学び)の実現に向けて」としました。教育革新センターと学務部の協力を受けて、当日は全学から教員41名が参加しました。
- ※1
- FDはFaculty Developmentの略称で、教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取り組みの総称。
全プログラムを終えて行ったアンケート(38名/回収率92.7%)では、参加教員の満足度は「満足」と「やや満足」を合わせて78.9%と概ね高く、特にグループ活動(検討)および教員相互の意見交換が有益であったことが見て取れます。自由記述には、「他大学から講師を呼んで話を客観的に聞く取り組みは有益であった。外部の声を聞き、良いところは取り入れていきたい」「自分の視野を広げ、具体的な実践可能なアイデアが与えられとてもためになった。できる範囲で授業に取り込んでいきたいと思う」「普段、文化も背景も異なる先生方と話をする機会はあまりないので、様々な意見交換と深い議論を交わす状況を提供していただいて、とても面白かった」等の感想が寄せられました。
1日目(11月26日)
益一哉学長は「東工大が目指す教育」と題して、本学の掲げる人材像、教育ポリシー、教育プログラムの全体像、本学の将来構想について講演しました。
続くレクチャーでは、関西大学 教育推進部の森朋子教授より、見える学力・見えにくい学力・見えない学力という学力の3要素や、学習理論の観点からこれからの授業における育成デザインについてお話しがありました。また、水本哲弥理事・副学長(教育担当)から、本学が取り組んでいる様々な教育改革の現状と課題について話題提供がありました。
これらの講演内容を受けるかたちで、2人の講師と参加者とのクロストークが行われ、今回のテーマである「Student-Centered Learningの実現に向けて」のもと、活発に意見が交換されました。
休憩を挟んで行われたグループ活動では、「大学院における英語授業を実質化する」「オンラインを授業内外で活用する」「TA(ティーチング・アシスタント)※2と協力して授業を展開する」「学生の学修を測定する」というテーマごとに、参加教員がグループを編成し、翌日のプレゼンテーションに向けて活発な意見交換と検討が展開されました。加えて、初日を終える意見交換会では、益学長や水本理事・副学長も輪に入り、学院および系・コースの垣根を超えた交流が見られました。
- ※2
- TAとは、教育や授業の補助準備など、教育に関わる業務補助を行う学生のこと。
2日目(11月27日)
オリエンテーションの後、各グループはプレゼンテーションの最終準備に入りました。その後の各グループからの発表では、それぞれが教育現場で抱えている課題や改善案などが提示されると同時に、将来の展望や教育改革に対する提案が行われました。
発表後は質疑参加だけでなく、他のグループ発表に対するフィードバックシートへの記入というワークも盛り込まれました。各グループに対し、全発表終了後に届けられたフィードバックシートを踏まえて発表内容に関する再検討を行うアクティブラーニング形式のFDを行いました。
昼食後は、保健管理センターの齋藤憲司教授から「多様化する学生の現在/大学教育のこれから」と題する、現代学生の気質と教職員の学生への関わり方についての講演が行われました。
- FD活動とは|東京工業大学 教育・国際連携本部
- 教育革新センターシンポジウム「CITL Institute 2016」開催報告|東工大ニュース
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