東京工業大学が加盟するアジア・オセアニア工学系トップ大学リーグ(The Asia-Oceania Top University League on Engineering 以下「AOTULE」(アオチュール))は2007年に発足し、アジアとオセアニアの13大学からなる連盟です。加盟する大学間の合同ワークショップや、学生・教職員の派遣交流などを通して、工学系の教育研究の質を向上させ、国際意識を養うことを目的としています。AOTULEは年に1度、加盟大学の代表が集まり、「系長会議」「スタッフ会議」「学生会議」を開催しています。2019年度は本学が主催し、11月25日から27日にかけて、教職員45名、学生37名、合計82名を招聘し、本学大岡山キャンパスなどで行われました。
概要
加盟大学と当日のプログラムは以下の通りです。
AOTULE加盟大学
- 1.
- バンドン工科大学(インドネシア)
- 2.
- チュラロンコン大学(タイ)
- 3.
- ハノイ工科大学(ベトナム)
- 4.
- インド工科大学マドラス校(インド)
- 5.
- KAIST(韓国科学技術院)(韓国)
- 6.
- 南洋理工大学(シンガポール)
- 7.
- 国立台湾大学(台湾)
- 8.
- 香港科技大学(香港)
- 9.
- メルボルン大学(オーストラリア)
- 10.
- 清華大学(中国)
- 11.
- マラヤ大学(マレーシア)
- 12.
- モラトゥワ大学(スリランカ)
- 13.
- 東京工業大学(日本)
プログラム
1日目(11月25日) |
歓迎レセプション 於:本学百年記念館 |
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2日目(11月26日) |
開会式、招待講演 |
3日目(11月27日) |
運営委員会会議 表彰式および送別昼食会 於:本学百年記念館 都内観光(浅草、チームラボボーダレス) |
開会式
2日目の11月26日午前にディジタル多目的ホールで行われた開会式は、本学の佐藤勲総括理事・副学長、および主催である本学工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院の3学院を代表し、和田雄二物質理工学院長の歓迎の挨拶で始まりました。その後、AOTULE会長のインド工科大学マドラス校アショーク・クマール・ミシュラ教授が本会議への祝辞を述べました。
学生会議
学生会議では、2日目の午前中に、各加盟大学の代表学生たちが4つのテーマ別セッションに分かれて自分の研究発表を行いました。その後、参加学生全員を7つの複数大学混成チームに分け、“Actions towards Achieving the Sustainable Development Goals (SDGs) in Asia and Oceania”『アジア・オセアニア地域において持続可能な開発目標を達成するための活動』にそったテーマを決めて話し合いを重ね、最終日にグループ発表を行いました。本学代表の学生20名は、8月7日~8日に開催された第11回多専門領域にわたる国際学生ワークショップ(11th Multidisciplinary International Student Workshop (MISW 2019))で選抜されました。
個人発表のテーマ
セッション |
テーマ |
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セッションA |
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セッションB |
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セッションC |
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セッションD |
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グループ発表では複数の審査員による審査が行われ、「産業と技術革新の基盤をつくろう」をテーマに議論し、独自の解決法を発表したグループに最優秀グループ賞が贈られました。
系長会議
2日目の11月26日には環境・社会理工学院 ジェフリー・クロス教授の司会により、各大学代表の系長がAOTULE発足から12年を振り返る発表をし、これからの12年間の本リーグの方向性、連携の可能性について、コンソーシアムの特長を生かした交流、二国間交流、新しい教育活動、教員交流などを討論しました。加盟校をさらに増やす提案があり、今後、アジア・オセアニア地域の工系大学間での交流がさらに活発化することが期待されます。
2日目の招待講演は、JXリサーチ代表取締役社長で、経団連の未来産業・技術委員会産学官連携推進部会長を務めている五十嵐仁一氏が“Society 5.0 - Seeking for the future Industry-Academia cooperation in Japan”『ソサエティ5.0 - 日本における未来の産学連携像を求めて』というテーマで話しました。
運営会議
最終日の11月27日には、ホームページの新設や会計報告があった後、来年度以降の運営について議論しました。また、運営委員会の新役員が決定し、今後の方針が出されました。持ち回りで開催する来年の会議はKAISTが主催大学となりました。最後に、本会議の主催者である和田物質理工学院長が、来るべき12年間でさらにAOTULEが発展することを祈念するとコメントし、会議を締めくくりました。