東京工業大学は授業の方法を向上させるため教員が研修する「全学FD2020※」を11月30日、オンラインで開催しました。
今回の研修テーマは「Student-Centered Learning(スチューデント・センタード・ラーニング、学生本位の学び)の実現に向けて」です。2016年度より始まった本学の教育改革は「学生が自ら学び考える教育」を目指しており、また「東工大アクションプラン2018-2023」で取り組む4つの柱のうちの1つでもあります。例年、宿泊形式で開いていますが、新型コロナウイルス感染拡大のためオンライン開催となり、全学から教員47名が参加しました。
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- FDはFaculty Development(ファカルティ・ディベロップメント)の略称で、教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取り組みの総称です。
全プログラムを終えて行ったアンケート(24名/回収率51.1%)では、参加教員の満足度は「そう思う」と「ややそう思う」を合わせて83.4%と高く、特にグループ活動(検討)やレクチャーが有益であったことが見て取れます。自由記述には「教員とのグループミーティングは大変有益でした」「オンライン講義の準備や方法などについて、多くの先生方の考え方や工夫されている点などの話を直接うかがい、とてもよいアドバイスとなりました」等の感想が寄せられました。
当日は、開会挨拶及びオリエンテーションの後、グループ活動から開始しました。「オンラインを授業内外で活用する」というテーマの下、「ライブ配信(同期)による授業づくり」「オンデマンド型(非同期)教材を用いた授業づくり」「オンラインを活用する対面授業のリデザイン」という3つの話題ごとに、参加教員が計8つのグループを編成し、Zoomのブレイクアウトルームに分かれて活発な意見交換と検討を行いました。
続くレクチャーでは、益一哉学長が「本学が目指す教育」と題して、本学の掲げる人材像、教育ポリシー、教育プログラムの全体像、本学の将来構想について講演しました。
水本哲弥理事・副学長(教育担当)からは、本学が取り組んでいる様々な教育改革の現状と課題について話題提供がありました。
レクチャーに続いて、『学長と理事・副学長を囲んで』と題して、参加教員から益学長及び水本理事・副学長へ本学の教育改革に関する質疑がなされ、活発に意見が交換されました。
その後各グループは、セッションルームに分かれて、それぞれの話題ごとにプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションは、エドワード・デボノ博士が考案した「6色ハット発想法」の手法を用い6色の発表スライドに6つの視点(中立的・直感的・悲観的・楽観的・挑戦的・俯瞰的)から課題に対する検討を加え、改善案などの提案を行いました。
最後に保健管理センターの齋藤憲司教授から「オンライン空間の学生」と題する、コロナ禍における現代学生の気質と教職員の学生への関わり方についてのレクチャーが行われました。
閉会挨拶の後、全てのプログラムが終了しました。
従来、全学FDに参加する教員にはしおりを配布していました。2020年度はオンラインでの開催となり、研修の円滑な進行と、参加者がプログラムの内容に注力することを目的とし、当日のプログラムやグループ活動で使用するリソース等をウェブサイトに整理して利用しました。今後、FDをオンラインで実施する方々に活用いただけるよう、個人情報等を削除した上でアーカイブサイトとして以下のとおり公開します。
- 教育革新センター(CITL)
- 東工大アクションプラン2018-2023|東工大の方針|東工大について
- FD活動とは|東京工業大学 教育・国際連携本部
- 教育の質向上を目指して「令和元年度全学FD」を実施|東工大ニュース