東京工業大学は、皆さまから寄附いただいた東工大基金を活用した社会貢献の一環として、「理科教育振興支援(ものつくり人材の裾野拡大支援プロジェクト)」を行っています。
その取り組みとして、12月6日、小学校4年生~6年生18名とその保護者を対象としたサイエンスワークショップ「細胞の中ってどんな世界?~ゆらゆら動くミクロの世界を探検してみよう~」をオンラインで開催しました。このサイエンスワークショップは、文部科学省の科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)「発動分子科学:エネルギー変換が拓く自律的機能の設計」(代表:生命理工学院 生命理工学系 金原数教授)との共催のもと、領域の公募班メンバーである京都大学白眉センターの宮崎牧人特定准教授が講師を担当しました。
オンラインによる小学生向けワークショップで、どのようにすれば児童がミクロの世界を探検できるかが課題でした。宮崎特定准教授は、直径が1マイクロメートルのプラスチック粒子のブラウン運動を顕微鏡で撮影した映像を児童に送り、児童は自宅のパソコンでブラウン運動の分析を行いました。続いて、2次元スゴロクシートとサイコロを用いてランダムウォークの実験を行い、粒子の運動との比較を通してブラウン運動の特徴を児童に考察してもらいました。最後にブラウン運動を巧みに利用して働いている細胞内の分子モーターについて紹介しました。
参加した子どもたちからは、「内容は難しかったがミクロの世界に興味を持った」という感想が寄せられました。保護者からもこの取り組みに関して高い評価が得られ、充実したサイエンスワークショップとなりました。
理科教育振興支援とは
東工大基金を活用した社会への貢献として、我が国の将来を担う小・中・高校生を対象とした「科学教室」など知的創造性を育む活動やイベント開催に対して支援しています。将来のものつくり人材の裾野を拡大することを促進します。