東京工業大学情報理工学院の石井秀明教授が3月25日、電気工学と電子工学では世界最大で最も権威がある学会IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers、アイ・トリプル・イー、電気電子学会)のフェローの称号を授与されました。
IEEE日本カウンシルによると、IEEEは、人類社会の有益な技術革新に貢献する世界最大の専門家組織で、世界160ヵ国40万人を超える会員が活動しています。フェローは会員の中で最高級のグレードであり、1年間に会員数の0.1%しか認定されない業績表彰です。連続5年以上の会員歴を有するシニア会員の中から、IEEEの指定する分野で非常に優れた資質、経験を有し、その分野において著しい貢献をした者に与えられます。
授与理由
大規模システムに対するネットワーク化制御に関する研究
石井秀明教授のコメント
この度、IEEEより栄誉あるフェローの称号をいただき、大変光栄に存じます。これはサイバーフィジカルシステムに対するシステム制御論的なアプローチによる研究への貢献が国際的に評価されたものです。
電力システムやオートメーションを含む制御システムに情報通信技術が広く導入され、大規模化してきましたが、そこに制御と通信の両分野が本質的に絡む新しい数理的課題があることに着目し、博士課程在籍時から取り組んできました。とくに物理的なシステムを遠隔制御する際に得られる達成可能な制御性能とネットワークに必要な通信量の関係を解明してきました。
その後、ウェブのような複雑なネットワーク上で用いられる分散アルゴリズム、より最近は制御システムのサイバーセキュリティへとテーマの幅を広げてきました。
これまで国内外の多くの研究者と共に進めてこられたのは、大変幸運だったと考えております。この場をお借りして、これまでご指導、ご支援くださった先生方、共同研究者、研究室の研究員や学生、スタッフの皆さんに深く感謝申し上げます。
今後もシステム制御と情報・通信が関わる学際的な基礎研究に挑戦し、またスマート社会の実現に向けた応用面での取り組みにも発展させていく所存でおります。
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