東京工業大学は、IoT(モノのインターネット)に欠かせない、プログラミングを学生が学ぶ「IoT導入教育セミナー」を6月16日と23日の2回、オンラインで行いました。それぞれ30名(うち留学生4名ずつ)を超える学生が申し込み、学士課程1年から博士課程まで幅広い年次の学生が参加しました。このセミナーは、ものつくり教育研究支援センターと学生支援センターが2018年から開いています。
IoTとはInternet of Things(モノのインターネット)の略で、パソコン以外のモノ(家電等)をインターネットに接続し、より便利に活用することを意味します。それに不可欠であるプログラミングの知識・技術を学ぶ機会を学生に提供するため、東工大卒業生が活躍している企業の協力を得て、毎年開催しています。
両日ともに、IoT事業を推進するアクロクエストテクノロジー(Acroquest Technology)株式会社の古賀匠氏(東工大卒業生)を講師に迎え、行われました。1日目を「初心者から始めるパイソン(Python)セミナー」、2日目を「初心者から始める機械学習AIセミナー」と題し、参加者が実際に自身のパソコンを使い、手を動かしながら進められました。
1日目 プログラミング言語パイソン
1日目の「初心者から始めるパイソンセミナー」では、ものつくり教育研究支援センターの齊藤卓志准教授の開会の挨拶の後、プログラムとは何かという解説から始まり、今回のテーマであるプログラミング言語のパイソンの特徴についての説明がありました。プログラミングの基礎を学んだ後、実際にタートルグラフィクスを用いた演習を行いました。最後にはブレイクアウトルームにわかれ、グループワークでタートルによる図形の作成をし、グループごとに作品を発表しました。中には、東工大のロゴを作成したり、クリックした場所に花を咲かせたりと、短時間でレベルの高い作品を仕上げる参加者もいました。
「プログラミングへの入門になった」「グループ学習が楽しかった」等、パイソンに初めて触れる学生も、楽しく学べたようでした。
2日目 機械学習AI
2日目の「初心者から始める機械学習AIセミナー」では、機械学習の概念を含めた基礎知識から学んだ後、ジュピターノートブック(Jupyter Notebook)を使った演習に移りました。ファッション・エムニスト(Fashion MNIST)という、大量の衣類の画像から何の衣類かを当てるか試すデータセットを使用し、それに再学習をさせて精度を上げていく過程を体験しました。最後にどこまで精度が上がったかを発表しあい、ものつくり教育研究支援センターの間中孝彰教授の閉会の挨拶で、本セミナーは幕を閉じました。
参加者からは、「難しかったけれど面白かった」「機械学習の勉強を始める良いきっかけになった」など、機械学習への興味が強くなったという声が多く聞かれました。
セミナーは、学生が随時チャットで質問をしたり、困っている学生には、ブレイクアウトルームで同社のスタッフが1対1で指南したり、Zoomの機能を駆使して行われました。対面に負けず劣らず、「講師との距離の近さを感じた」「インタラクティブに学べた」という参加者の声もありました。
今年の秋以降、アクロクエストテクノロジー株式会社、株式会社コモドソリューションズ、株式会社ソリトンシステムズの3社による合同セミナーも開催される予定です。
お問い合わせ先
東京工業大学
学生支援センター 未来人材育成部門
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