東京工業大学学生支援センターは9月22日と9月25日の2日間、大学院課程新入生を対象とした学修に関するガイダンス、および留学生の新入生を対象とした生活とキャリアプランに関するガイダンスと歓迎レセプションを実施しました。
ガイダンスは、異なる日程・時間帯で合計4回にわたって行い、そのうち3回はオンラインで、1回は9月22日にTakiPlazaのイベントスペースにて対面で開催しました。対面ガイダンスの終了後、留学生の新入生のための歓迎レセプションもあわせて開催しました。
大学院課程新入生ガイダンス
「学修コンシェルジュによる大学院新入生ガイダンス」では、9月に大学院に入学する全新入生を対象に、履修の仕組みや学修プログラムを90分間で紹介しました。日本語と英語の両方でそれぞれ1日に1回ずつ、2日間で合計4回実施しました。これに加え、9月の新入生の大部分を占める留学生のために、日本での就職活動やキャリアプランを説明する15分間の「キャリアガイダンス」も行いました。さらに、英語で実施するガイダンスでは、日本での生活に役立つ情報を20分で紹介する「生活支援ガイダンス」も行いました。
計4回のガイダンスには延べ317名が参加しました。オンラインで実施した3回には、24の国と地域からの参加があり、その大半はまだ日本に入国していない留学生が居住国から参加しました。
東工大の大学院課程は他大学から入学する学生が半数以上です。「学修コンシェルジュによる大学院課程新入生ガイダンス」では、他大学からの入学者も学内進学者も、大学院の教育カリキュラムを理解したうえで、学修・研究活動を自らスムーズに行えるよう、大学院の履修システムや学修プログラム・教育課程、就職活動・留学・経済的支援などに関する情報や、各種相談窓口などを紹介します。ガイダンスの後半では、学生支援センターに所属する現役大学院生のTA(学修コンシェルジュ・ジュニア)3名が、それぞれ大学院での研究生活の実体験を紹介しました。
「キャリアガイダンス」と「生活支援ガイダンス」は今回の新たな取り組みです。学生支援センターの学修コンシェルジュ窓口が、キャリア相談窓口、留学生相談窓口と連携して行いました。
キャリアガイダンスでは、キャリアアドバイザーが今後のキャリア、特に日本での就職において参考となる情報を紹介しました。
生活支援ガイダンスでは、日本での健康保険の仕組み、病院のかかり方やごみの出し方など、留学生が日本で生活するうえで必要な知識や役に立つ情報を紹介しました。
9月22日に開催した日本語と英語のガイダンスには、益一哉学長がスペシャルゲストとして参加しました。歓迎のメッセージに続き、新入生から寄せられた質問に回答するQ&Aセッションを実施しました。Q&Aセッションでは、「学長先生は大学院時代どのように研究生活を過ごしていましたか」「東工大の強みと弱みを教えてください」「日本で留学生活を送る留学生へのアドバイスをお願いいたします」など、様々な質問が寄せられました。
新入生からは、先輩の経験が参考になった、疑問・質問がある時にどこに行けば答えを得られるのかがわかってよかった、などの感想がありました。
参加後のアンケートから
- 俯瞰的な観点でのアドバイスがあってよかった。単位取得や研究などについて効果的かつ効率的に進めていきたい。
- 良いテンポで必要な情報を紹介いただき、ありがとうございました。特に先輩のご経験を共有いただいた部分が、大変参考になりました。
- 東工大生活や大学で相談できる窓口を知ることができて、良いスタートを切ることができた。
- 説明が明確だった。初めて知る情報がたくさんあったが、私が知りたい情報に関してどこで答えを見つければいいのかがガイダンスで紹介されていた。また、学修コンシェルジュなどの各種相談窓口など手厚い支援があることを知ることができた。
留学生歓迎レセプション
9月22日の英語によるガイダンス後、新入留学生のための「留学生歓迎レセプション」を開催しました。このイベントは、学生支援センター未来人材育成部門による「未来人材応援プロジェクト」の一環であり、困難な状況の中、日本に入国して東工大での学生生活をスタートさせようとしている新入留学生を教職員と在学生が歓迎し、留学生と日本人の学生が交流できる場を設けようと企画されたものです。
レセプションには、2021年秋入学の新入留学生12名とともに、融合理工学系国際人材育成プログラム(GSEP)の2020年春入学の2年生と2021年春入学の1年生合わせて14名が参加しました。また、Taki Plaza Gardener(タキプラザ・ガーデナー、Taki Plazaを運営する学生団体 以下TPG)、東京工業大学国際交流学生会(SAGE)の代表メンバーと在学生の10名のサポートにより、留学生と日本人学生の対面での交流が実現しました。
参加した留学生の国籍は、中国、タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシア、インドで、イベントに申し込みをした学生の国籍を含めると、英国、バングラデシュ、カンボジア、オマーンと多岐にわたりました。
レセプションは理学院 化学系の屋嶋悠河さん(修士課程2年)の元気の良い司会で開会しました。学生支援センター長の岡村哲至副学長(学生支援担当)は、英語で留学生に歓迎のあいさつをし、「自国を離れて日本に暮らすことは大変かもしれないが、世界有数の大学である東工大で有意義に学び、友情を深めてほしい」と述べました。
次に、江戸時代から続く長唄三味線方・杵屋佐吉家の現家元長男である杵屋浅吉さんが、歌舞伎十八番の「勧進帳」から抜粋で長唄三味線を演奏されました。演奏の合間には、事前に配布した歌舞伎解説の資料をもとに、勧進帳について説明をしていただきました。演奏の最後には、「皆さんが日本で歌舞伎座に行ったり、三味線を聴く機会があったら、今日のことを思い出してください。」とのメッセージをいただき、歌舞伎の長唄三味線を初めて聴いた留学生からも大きな拍手がありました。
長唄三味線の余韻も冷めやらぬ中、留学生は9つのグループに分かれ、「グループ懇談」が行われました。TPGとSAGE の代表学生が1人ずつグループに入って懇談を英語で補助しました。留学生は自己紹介や日本に来て驚いたことなどを話したり、連絡先を交換したりと、お互いを知り合うことが出来た様子でした。
留学生歓迎レセプションでも、益学長による留学生とのQ&Aセッションが行われました。
学長は留学生から事前に集められた「学長にとって成功とは何ですか?」や「人生の意味とは何ですか?」というような質問に、自身の経験も含めて英語で丁寧に答えました。
参加した留学生へのささやかなお土産として、事前調査で留学生に人気のあった「柿の種」、東工大3色フリクションボールペン、東工大シンボルマークの入ったフィナンシェ、緑茶ペットボトルを配りました。お土産は、一般社団法人蔵前工業会からの支援で実現しました。
学生支援センター未来人材育成部門の支援窓口
- 学修コンシェルジュ:各種ガイダンスやTaki Plaza(大岡山キャンパス)・すずかけ台図書館(すずかけ台キャンパス)での相談窓口を運営しています。相談窓口では、日本語・英語・中国語での履修相談・学修相談を実施しています。さらに、LINE公式アカウントでの修学関連の情報発信(現在は学士課程対象)や、イブニングセミナーの開催、理工系教養科目チュータリングの提供など、学生に対する様々な支援を提供しています。
- 留学生相談窓口:留学生が東工大での留学生活を順調に送れるように、Taki Plazaで生活・暮らしに関する質問・相談に対応しています。
- キャリア相談窓口:専門のキャリアアドバイザーが、大岡山・すずかけ台それぞれの窓口(予約制)で進路に関する情報を提供しています。また、就職活動に関する基本的な質問への回答やハウツー的なアドバイスをするなど、進路全般の相談に応じています。
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