東京工業大学ものつくり教育研究支援センターと学生支援センターは、2021年度秋季IoT導入教育セミナー第一弾として、10月6日と13日にアクロクエストテクノロジー株式会社による「機械学習セミナー」を開催しました。
IoTとはInternet of Things(モノのインターネット)の略で、パソコン以外のモノ(家電等)をインターネットに接続し、より便利に活用することを意味します。このセミナーは、IoT、プログラミング、AI、セキュリティなどの知識・技術の初歩を実践的に学ぶ機会を学生に提供するため、東工大卒業生が活躍している企業の協力を得て、2018年から開催しています。10月6日を「初級者向け」、10月13日を「中級者向け」として、難易度を分けて2週にわたってオンラインで開催し、それぞれ23名(うち留学生5名)と15名(うち留学生4名)の東工大生が参加しました。
10月6日の「初級者向け機械学習セミナー」は、ものつくり教育研究支援センターの齊藤卓志副センター長による開会のあいさつで始まりました。セミナーのテーマは画像解析で、初級者でも理解できるように、機械学習の意味、用途、作業の流れの説明から実施しました。その後、学生はジュピターノートブック(Jupyter Notebook)を使用し、画像に映っている衣類の種類を特定するプログラムを、講師の丁寧な説明のもと、実装しました。
セミナー後に実施したアンケートには、「機械学習の概念的な知識はあるが実際に自分で実装したことが無いという状態だったので大変ためになった。」「まっさらの状態から雰囲気をつかむことができて満足です。」等のコメントが寄せられ、機械学習を学ぶ良いきっかけとなりました。
10月13日の「中級者向け機械学習セミナー」では、グーグルコラボラトリー(Google Colaboratory)を使って、ピクセル単位で画像の分類をするセマンティックセグメンテーション(Semantic Segmentation)を学びました。また、画像内の画素を複数のクラスに分割して特定する技術を体験しました。
学生からは、「中級者向けということでついていけるか不安だったが、わかりやすい説明で最後までできてよかった。学習の精度が良くなり、画像を確認することができて達成感があった。」「自分で手を動かして実装する体験ができてよかった。」とのコメントが寄せられました。
両日とも、セミナーのかなりの時間が実際にコードを書きこむ演習時間に充てられ、満足感のあるものとなりました。
最後に、ものつくり教育研究支援センターの間中孝彰センター長による閉会のあいさつで、2日間のセミナーは締め括られました。
今回講師を担当したアクロクエストテクノロジー株式会社の古賀匠氏と、アシスタントとして参加学生のサポートを担った奥井貴之氏、野村優太氏はいずれも東工大の卒業生です。頭を使う内容にも関わらず、和気あいあいとした雰囲気でセミナーは進み、参加学生がセミナー途中に積極的に質問したり、1対1で講師陣と話したり、といった様子も多く見られました。
学生からは「実際に企業で働いている方の話が聞けてよかった。」との感想もありました。企業の第一線で活躍している現役エンジニアから、今回の講義で学んだ内容が社会のどのような場面で実際に活かされているかを聞くことができ、学びの多いセミナーとなりました。
2021年度は、秋季IoT導入教育セミナー第二弾として12月に、また第三弾として1月に、それぞれ別の企業の協力を受け、同様のセミナーを開催する予定です。
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