東京工業大学学生支援センター未来人材育成部門では、不定期で学修コンシェルジュ・ジュニア(学生支援センター未来人材育成部門に所属するTA)が企画するイブニングセミナーを開催しています。その第5回目となる「映画セミナー」を11月17日、感染対策を万全に行い、約2年ぶりに対面で開催しました。学士課程1年から博士課程まで幅広い学年の学生15名が参加し、スティーブン・ソダーバーグ監督の『コンテイジョン』(2011)を鑑賞しました。
本セミナーのポスター
映画鑑賞の前後に、リベラルアーツ研究教育院・リーダーシップ教育院の小泉勇人准教授による予習・解説の時間があり、より映画を楽しむことができるプログラムとなっていました。
小泉准教授は映画を用いた大学英語教育に精通しており、第3回イブニングセミナーの『バットマン・リターンズ』(1992)に続き、今回講師として2度目の登壇をされました。
会場は、2021年春にオープンしたTaki Plaza地下2階ワークショップエリアで、プロジェクター及び音響設備を初めて活用したイベントでした。
2011年に公開された『コンテイジョン』は新種のウイルスの拡大と、それに伴う人間社会の混乱を描いた作品です。映画の中で登場する「ウイルス・ハンター」や「CDC」という用語の紹介とともに、「家を出てから今まで、何回ほど自分の手で公共物に触れましたか?」、「家を出てから何回ほど自分の顔に手で触れましたか?」といった質問があり、受講者が答えていました。映画について意識すべきポイントや深く考えるべき点を事前に知った上で鑑賞を開始することができました。
講師の小泉准教授
上映前の予習セミナーの様子
観賞後、講師はこの作品について「徹底的に『クリシェ』(お約束)を外し、リサーチを徹底してリアルさを追求した映画だ」と解説しました。また、スティーブン・ソダーバーグ監督が自らカメラマンを務めるほどカメラワークにこだわりがあることや、静止画的なショットを連続で見せることで感染拡大の早さを表現したことを聞き、受講者は映画鑑賞の新たな楽しみを発見しました。
スティーブン・ソダーバーグ監督について学ぶ受講生
受講者のコメント
- 映画を見て考察するということはよくやりますが、セミナーという形で先生が授業にできるレベルの内容の考察を聴くという体験は非常に新鮮で楽しかったです。
- 監督の話など、普段あまり気にかけないことに対しての内容も多く、興味が湧いた。
- 好きな映画について熱弁される様子から、講師のこの映画への愛が伝わった。
- 名優揃いの作品ですが、題名すら知らなかったので、解説付きで観ることができてよかった。
- 新しく知ったことがあったので、参加できてよかった。
セミナーでは時間の都合上、質疑応答の時間を設けることができませんでした、一部の受講者は終了後に講師のもとへ集まり、質問をする関心の高さが見られました。学修コンシェルジュ・ジュニアは、今後も、映画セミナーをはじめ、学生の目線でイブニングセミナーを開催していく予定です。
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