東京工業大学エネルギー・情報卓越教育院は、9月28日にキックオフ記念式典と第2回InfoSyEnergy(インフォシナジー)国際交流ワークショップをオンラインで開催しました。
エネルギー・情報卓越教育院キックオフ記念式典
記念式典には、学内外から108人が参加しました。
始めに本教育院のプログラム責任者である中井検裕環境・社会理工学院長より、開会の言葉に加え、多数の部局の協力とInfoSyEnergy研究/教育コンソーシアムとの連携によって運営されている本教育院の体制などが語られました。続いて益一哉学長より、お祝いと共に「卓越教育院に集う学生は高い技術力に加え、経済・社会の動きを読み、その先を見通して道を切り開いてほしい」という期待の言葉が述べられました。
次に、学外から招いた5人の方にあいさつやお祝いの言葉をいただきました。文部科学省の森田正信大臣官房審議官からは、卓越大学院プログラム設置の背景と概要について説明がありました。環境省の白石隆夫大臣官房審議官からは、カーボンニュートラルの実現に向けた水素エネルギーのユニークな実証例と共に本教育院への期待を込めた言葉をいただきました。また、資源エネルギー庁の日野由香里新エネルギーシステム課長兼水素・燃料電池戦略室長は、再生可能エネルギーから生まれた水素による、日本技術の粋を集めた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の聖火やトーチについて紹介がありました。続いてInfoSyEnergy研究/教育コンソーシアムの会員企業である、東芝エネルギーシステムズ株式会社の佐藤純一水素エネルギー技師長より、東芝における水素エネルギー事業の立ち上げからカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの現状などについて説明がありました。同じく会員企業であるデロイト トーマツ コンサルティング合同会社の庵原一水執行役員は、脱炭素社会に向けた世界と日本のCO2削減対策の現状と将来設計、人材育成について語りました。
最後に、伊原学教育院長が本教育院の概要を説明し、閉会しました。
第2回InfoSyEnergy国際交流ワークショップ
InfoSyEnergy国際交流ワークショップは、学内外より69人の参加があり、英語で進行されました。
伊原教育院長による開会のあいさつに始まり、フランスエネルギー省新エネルギー技術研究部門(CEA-Liten)の水素・燃料電池プログラムマネージャー ローラン・アントニ博士より「Alternative fuel feeding strategy of PEM Fuel Cell Stack to improve performance and stability(PEM燃料電池スタックの性能と安定性を向上させるための代替燃料供給戦略)」と題して、欧州における水素エネルギーの現状と戦略やCEA-Litenが果たす役割や戦略などについて講演をいただきました。続いて、英国ケンブリッジ大学 ジャッジ・ビジネス・スクールのマイケル・ポリット教授より「Electricity Markets with High Shares of Low Carbon Generation: theory, modelling and emerging international evidence(低炭素な発電が高い比率を占める電力市場:理論、モデル、新しい国際的証拠)」と題して、再生可能エネルギーと欧州電力市場の理論と将来設計、および脱炭素化・CO2排出ネットゼロの達成のための2050年欧州モデルなどについて講演をいただきました。
その後、教育院の登録学生26人が3つのグループに分かれ、エネルギー科学・工学、原子力工学、バイオメディカル、化学工学など、それぞれのテーマによる研究発表と討論が行われました。学生同士で、研究の異なる視点からの意見も含んだ活発な討論となりました。
最後に水本哲弥理事・副学長(教育担当)が、本教育院の目指す「将来のエネルギー社会を牽引するマルチスコープ卓越人材の育成」について語りました。加えて、講演者やすべての協力者への謝辞と、優れた研究を発表した学生たちへ賛辞と期待を述べ、ワークショップを締めくくりました。
お問い合わせ先
エネルギー・情報卓越教育院
マネジメント業務統括室
E-mail : management_office@infosyenergy.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3262(内線3262)