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「より優れた教育の推進に」令和2年度東工大教育賞授与式を実施

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授賞式出席者の集合写真

授賞式出席者の集合写真

益学長から賞状を授与される小西准教授 益学長から賞状を授与される小西准教授

12月10日、東京工業大学はくらまえホールで「東工大教育賞」の授与式を行いました。
この賞は、教員の教育方法及び教育技術等の向上を図り、より優れた教育を推進することを目的として制定されたもので、今回で19回目となります。
授与式では、最優秀賞に選ばれた物質理工学院 応用化学系の小西玄一准教授、学術国際情報センターの西崎真也教授をはじめとする受賞者に対して、益一哉学長から賞状及び報奨金(目録)が授与されました。

「令和2年度東工大教育賞」受賞者一覧

教育に関して優れた業績を挙げたとして、次の15名(9件)が選ばれました。

最優秀賞「学生と音楽家との交流による国際人・教養人の育成—5年間の取組み」

物質理工学院 准教授 小西玄一

2015年に工系3学院広報委員会の企画として、教育改革の理念の浸透を図ることと、東工大は先端科学だけでなく芸術の花咲く大学という矜持を示すために「東工大コンサートシリーズ」を立ち上げた。国内外の音楽家との交流(ウィーンフィルの首席奏者のマスタークラスなど)、演奏会の企画・運営などを通して学生の教養や国際性を涵養するものである。本企画をきっかけに卒業後も交流が続き、音楽で活躍する学生が多数いる。

参考資料:東工大コンサートシリーズの軌跡

最優秀賞「学生のオンライン授業受講のためのサポート体制の構築」

学術国際情報センター 教授 西崎真也

2020年4月より現在に至るまで、新型コロナウイルス感染症の拡大にともなうZoomによるオンライン授業が円滑に実施されるよう、新入生の情報基盤調査、Zoom受講のための新入生向けマニュアルの作成を行なった他、新入生Zoomサポートデスク、新入生情報サポートデスクを開設・運営に取り組んできた。
その他にZoomの調達支援を行う等、学生のオンライン授業受講のサポート体制の構築に多大な貢献があった。

優秀賞「従来のフレームワークにとらわれない、化学的な位置付けを明確にした分析化学教育」

理学院 教授 岡田哲男

「分析化学」の教育は、溶液平衡論と機器分析から構成されることが多く、その意義や化学の中での位置付けが不明瞭であった。化学を専攻する学生が知っているべき内容は維持しつつ、その意義を明確にした「分析化学」教育を展開している。すなわち、重要なのは個々の計測法の詳細を知ることではなく、目的とする化学を解明するために設計された分析法の全体を理解することである。機器が発達した現在では何でも簡単に測れると考えられがちだが、多くの場合「分析化学」の視点と考え方が必要であることを説いている。

優秀賞「コロナ禍に於ける講義とその成績評価への口頭試問の導入」

理学院 准教授 カールマン・タマシュ(KALMAN TAMAS)

コロナ禍で激減した個人同士のやりとりを少しでも増やしたいとの思いから、筆記試験に代わって学生1人ずつと45分間の口頭試験を導入した。口頭試験は台本がないゆえに、教員は学生の準備状況と真の理解力を見極めることができ、学生も良い成績を収めるために教材のあらゆる点をしっかり把握した勉強が必要となる。口頭試験を通して、学生は数学理論の細部まで理解したことで、理論を確信すると同時に、自身の理解に対しても自信を持ったであろう。欧州で長い伝統のある口頭試験を導入した結果、私自身が経験してきたように学生もその利点を享受してくれたと願っている。

優秀賞「ライブ感のあるオンライン授業とふり返り機会の提供 」

理学院 准教授 西田祐介

電磁気学I・IIの講義では、iPadのノートアプリ上に黒板と同様のリアルタイムな板書を行い、それを画面共有で学生に見せながらわかりやすく解説することで、オンライン講義でも対面講義と同様のダイナミックなライブ感のある講義を演出した。また、各単元の終了時すぐにレポート課題を出題し、各単元の内容を適時にふり返るための機会を作り、自宅に籠るオンライン講義であっても、学生が適切な学修のペースを自然に維持できる工夫をした。

優秀賞「情報工学のハードウェア関連授業をオンラインで実施する方法の開発と実践」

情報理工学院 教授 吉瀬謙二(代表者)
情報理工学院 教授 宮崎純
情報理工学院 助教 荒堀喜貴
情報理工学院 助教 レー・ヒェウ・ハン(LE HIEU HANH)

本申請の代表者が中心となってアダプティブコンピューティング研究推進体(ACRi)を立ち上げ、産学連携でFPGA利用環境と学習機会を提供する「ACRiルーム」を設計し、運用している。このACRiルームを「仮想的な計算機室」と捉えて、オンラインの利点を取り入れながら情報工学系のハードウェア関連の講義を再設計した。これにより、対面授業が難しい状況における論理回路理論、コンピュータ論理設計、コンピュータアーキテクチャの講義の円滑な実施が可能となった。

優秀賞「プリミティブかつ最先端の空石積みを通じた次世代人材の育成」

環境・社会理工学院 准教授 真田純子

空石積みは石だけで壁をつくる伝統的な工法であるが、明治以降の土木技術の近代化の過程で忘れ去られた。それを環境負荷の小さい持続可能な工法として捉え直し、科学技術の創造プロセス、土木史等の講義、石積みワークショップなどで伝えている。石積みを体験、理解する機会を提供することで、土木技術のありかた、技術の評価とその背後の価値観、技術の進化のあるべき方向性など、持続可能な開発について考える機会としている。

参考資料:石積み教育

優秀賞「科目外活動を活かした学士課程入学前の東工大日本語予備教育の開発と運営」

リベラルアーツ研究教育院 准教授 佐藤礼子(代表者)
リベラルアーツ研究教育院 准教授 森田淳子

東工大日本語予備教育は20年にわたって韓国からの留学生に学部入学前の予備教育を行ってきた。「専門×日本語×科目外活動(ものつくり実習・化学実験・研究室訪問・学外見学)」を融合し、予備教育中に大学の学びに触れ、教室外の自然な日本語を手や体を動かしながら習得するよう設計した。日本社会や文化の理解、大学の教育・研究の真髄を垣間見る経験を通して、留学生が違和感なく本学の日本人学生とともに学ぶという目的を達成してきた。

優秀賞「蔵前工業会と協同で企画・運営する蔵前立志セミナーの実施実績」

リベラルアーツ研究教育院 教授 室田真男(代表者)
リベラルアーツ研究教育院 教授 中野民夫
リベラルアーツ研究教育院 教授 谷岡健彦

2017年からリベラルアーツ研究教育院と蔵前工業会東京支部が共同で、年に4回開催しているセミナーである。ユニークな活動をしている本学の卒業生を講師に招き、講演の後、セミナー参加者は小グループに分かれて議論するという形式で実施している。小グループには、必ず在校生と卒業生が交じるように工夫した。在校生にとって、セミナー講師をはじめとした数々の卒業生はよきロールモデルであり、本学への帰属意識を高める機会ともなっている。

授賞式の様子

授賞式の様子

お問い合わせ先

総務部 人事課 労務室 人材育成グループ

E-mail : jin.iku@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-3669


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