東京工業大学は、2021年度の卓越教育院修了式を3月28日、大岡山キャンパスのTaki Plaza(タキ・プラザ)で行いました。物質・情報卓越教育院の7名、超スマート社会卓越教育院の2名、計9名の修了生のうち8名が出席しました。
本学の3つの卓越教育院(物質・情報卓越教育院、超スマート社会卓越教育院、エネルギー・情報卓越教育院)は、文部科学省「卓越大学院プログラム」の実施組織であり、全学横断型の修士博士一貫の大学院教育プログラム「卓越教育課程」を運営しています。本学では、「新・元素戦略」「デジタル社会デバイス・システム」「統合エネルギー科学」の3つを重点研究分野としており、それぞれの研究分野に対応した人材を養成するために、3つの卓越教育課程(物質・情報卓越教育課程、超スマート社会卓越教育課程、エネルギー・情報卓越教育課程)を用意しています。
修了式
2021年度の卓越教育院修了式は、大学院課程の学位記授与式の前に、新型コロナウイルス感染のリスクを減らすためオンラインと会場での参加によるハイブリット形式がとられ、会場の座席は密とならないよう間隔をあけて開催しました。今年度の修了生9名は、本学の卓越教育課程が始まって以来最初の修了生となります。修了生全員には、卓越教育課程の修了を記念するメダルが贈られました。
はじめに、益一哉学長が「卓越教育院の修了生の皆さんは、新しい価値観を創造し、国際社会のリーダーとしてのスキルを身につけるため、研究活動に加えて、卓越教育院の様々なイベント等を通じ、多くのことを学んだと思います。また、様々な分野の先生方との議論、企業や海外メンターの先生からの助言、分野を超えた学生同士の関わり合いや交流は皆さんを大きく成長させたことでしょう。卓越教育院で一緒に学んだ仲間との絆は、皆さんが将来、困難に立ち向かうときの糧になると信じています。卓越教育院で学んだことに自信と誇りを持って、歩んで行ってほしいと思います。」とお祝いの言葉を述べました。
それに引き続き、水本哲弥理事・副学長(教育担当)が卓越大学院プログラムの成り立ちや修了生へお祝いの言葉を述べました。次に、各教育院長から修了生の紹介と修了後の健闘を応援する祝辞がありました。最後に物質・情報卓越教育課程の修了生を代表して渡邊正理さん、超スマート社会卓越教育課程の修了生を代表してイン・ユエ(YIN Yue)さんがあいさつしました。
修了生たちは、プログラムを支えてきた教員、事務担当者に見守られる中、各卓越教育院所属中の印象に残った活動・苦労話や抱負などを語りました。今後は、卓越教育課程で習得した卓越した専門性に加え、広範で深い知識と豊かな教養、国際性やリーダーシップ等を備えた博士人材として、それぞれの道での活躍が期待されます。
卓越教育課程
卓越大学院プログラムは2018年度から始まった文部科学省推進事業で、各大学が自身の強みを用いて、 国内外の大学・研究機関・民間企業と組織的に連携し、世界最高水準の教育力・研究力を結集して卓越し た博士人材を育成するプログラムです。東京工業大学からは2018年度に「『物質×情報=複素人材』育成を通じた持続可能社会の創造」が採択され、2019年1月から物質・情報卓越教育院(TAC-MI)がスタートしました。2019年度には、「最先端量子科学に基づく超スマート社会エンジニアリング教育プログラム 」が採択され、2019年12月から超スマート社会卓越教育院(WISE-SSS)がスタートしました。2020年度には、「マルチスコープ・エネルギー卓越人材」が採択され、2020年12月からエネルギー・情報卓越教育院(ISE)がスタートしました。
これらは、卓越した博士人材を育成する、全学横断型の修博一貫の大学院教育プログラムとして、以下のような人材の養成を目指しています。
- 物質・情報卓越教育院では、複素人材が持つべき能力の涵養を目指して独創力、俯瞰力、実行力、国際リーダーシップ力を持つ人材を養成しています。
- 超スマート社会卓越教育院は、修士・博士後期課程を一貫した学位プログラムにより、フィジカル空間技術とサイバー空間技術にとどまらず、量子科学や人工知能などの最先端の科学技術をも融合できる知のプロフェッショナルを養成しています。
- エネルギー‧情報卓越教育院は、"ビックデータ科学"(AI解析+データ科学)を活用してサステイナブルなエネルギー社会をデザインする「マルチスコープ・エネルギー卓越人材」を養成しています。