6月2~3日、トルコ日本科学技術大学(TJU)のベキル・サーミ・ユルバシュ学長(以下、ユルバシュ学長)一行が東京工業大学を訪れました。
1日目は、晴天の中緑豊かなすずかけ台キャンパスを訪れ、オープンイノベーション(OI)機構の大嶋洋一副機構長によるOI機構、産学連携・共同研究マネジメントについて説明を受けた後、全固体電池研究センターのセンター長である科学技術創成研究院の菅野了次特命教授の案内のもと同センターを視察しました。全固体電池研究センターは、2021年4月に発足し、材料と技術、産学官を通じた連携を軸として、固体電池の基礎から社会実装までを視野に入れた材料化学、固体化学、電気化学をリードする研究を行っています。次に、科学技術創成研究院フロンティア材料研究所の佐藤大樹准教授と共に研究をしているアレクシー・バジモビチ・シガイ(Aleksey Vadimovich Shegay)助教の案内で、20階建てのJ2棟にある免振装置を見学しました。見学後は、総合理工学研究科長の三宅美博教授との意見交換を行いました。TJUは優秀な研究者と大学院生を集めた研究型大学としてスタートする計画です。本学で40年以上にわたり学部を持たない独立大学院として運営された「総合理工学研究科」の知見について一行は興味を示し活発な質疑応答が交わされました。
また、同席した環境・社会理工学院 建築学系の山中浩明教授から、自身が関わるトルコのトップ大学であるイスタンブール工科大学、中東工科大学、ボアージチ大学、東京大学と本学が協力した「エネルギーシステムと都市のレジリエンス工学日土協働教育プログラム」、トルコとの地震工学の遠隔講義、最近のトルコとの地震関係のプロジェクト等の説明および意見交換が行われました。
2日目は閑静な住宅街にたたずむ大岡山キャンパスで、益一哉学長、佐藤勲総括理事・副学長、林宣宏副学長(国際連携担当)と懇談をしました。益学長は東工大の概要について詳しく説明し、ユルバシュ学長は2023年に開学を目指すTJUと東工大との国際連携について希望すると同時に、世界の最先端の研究拠点となる大学への抱負を語りました。益学長とユルバシュ学長は記念品を交換し、懇談は終始和やかな雰囲気で終了しました。
その後、ウッドデッキ周辺で超スマート社会卓越教育院教育院長の阪口啓教授より5G研究の説明を受けデモを見学し、本学に在学中のトルコからの留学生2名も合流し談笑しました。次に、スーパーコンピュータ「TSUBAME 3.0」について東京工業大学 学術国際情報センター先端研究部門の遠藤敏夫教授から説明を受け、マシンルームを見学しました。一行は昼食を挟んで、佐藤総括理事・副学長、井上光太郎工学院長、東京大学 大学院工学系研究科の関村直人教授との意見交換を行い、2日に渡る充実した訪問を終えました。