5月20日、東京工業大学留学生交流課は、留学イベント「東工大から世界へ~二刀流への道~」をZOOMによるオンライン講演と大岡山キャンパスのレクチャーシアターを会場とした講演のハイブリッド形式で開催しました。2022年のテーマを「二刀流への道」とし、東工大生に理工系分野だけでなく、国際経験や留学を通して、様々な分野でのエキスパートを目指してほしいという思いを込めて、リベラルアーツ研究教育院の池上彰特命教授をはじめとした、本学の教員、在学生、卒業生が講演を行いました。
当日、レクチャーシアターには約50名の在学生が来場し、オンラインでは、在学生だけでなく、高校生や保護者、教職員等、約200名が参加しました。
多様な環境へ飛び込もう
はじめに林宣宏副学長(国際連携担当)が本学の国際教育および留学のサポート体制について説明しました。
続いて、池上特命教授が登壇し、アメリカのマサチューセッツ工科大学訪問時のエピソードなどを交えながら、「世界80ヵ国以上を訪れた海外経験を通して、(世界には)行ってみないと分からないことがたくさんあり、多様な人々の中に飛び込んで、異質な存在に触れることがイノベーションにつながるということを実感した」と話しました。また、「語学に不安を感じる学生もいると思うが、「何を語るか」が重要で、語るべき「専門知識」と学びたいという「意欲」を持っている東工大生ならば、語学に不安を感じる必要はない。準備に時間をかけることも重要だが、まっさらな状態で行ってみて得られる『わくわく感』を大切にしてほしい」と話しました。
その後、国際教育推進機構の太田絵里特任教授が「東工大の正規教育で得られる『専門性』とグローバル理工人育成コースで得られる『国際性』の二刀流で、専門分野の知見を深め、活動の場を選ばず国内外で活躍することができる」と本学独自の教育プログラムを紹介しました。
後半には、生命理工学院 生命理工学系の櫻井咲季さん(修士課程2年)、本学卒業生の舘野春香さん(2010年理工学研究科 地球惑星科学専攻 博士後期課程中退、2012年博士(理学)取得)と舘野繁彦さん(2007年理工学研究科地球惑星科学専攻 博士後期課程修了)が登場しました。
櫻井さんは、学士課程時にアメリカのワシントン大学への語学短期留学、修士課程でスイス連邦工科大学チューリッヒ校へ長期留学を経験したことで、人生にはたくさんの選択肢があることに気づくことができた、と語りました。
本学で博士号を取得後、研究職等を経て、現在は、埼玉県秩父郡横瀬町に認可外保育施設「森のようちえん・タテノイト」を運営している、舘野春香さんと繁彦さんは、2人が経験してきた「3つの越境」―「社会と学術の越境」、「研究分野の越境」、「国境」―について紹介しました。この3つの越境で得た「専門性・異質(人としての多様性)」があるからこそ、イノベーションが生まれるので、多様性の根本となりうる国際経験を通して、ユニークな存在になってほしいと参加者へ語りかけました。
最後に、東工大の留学促進学生団体FLAP(フラップ)のメンバーによる「留学のスモールトーク」が行われ、参加者の投票によりその場で選ばれた留学トピックについて、FLAPメンバー2人が自身の留学経験を交えて話しました。
クロージングで再び登壇した林副学長は、「東工大には、留学のプログラムやサポートが十分に揃っています。どのプログラムを選び、どこで、何をするのかを決めるのは君たちです」と述べました。
終了後の学生アンケートでは、「イベント参加前より海外留学に挑戦したくなった」、「語学への不安が無くなった」、「学士課程のうちに短期留学に挑戦したいと思った」など、留学に関する前向きな意見が寄せられました。
本学では多彩な留学プログラムを用意しており、今後も留学説明会や様々なテーマの留学イベントの開催を企画しています。