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ケンブリッジ大学との合同オンラインワークショップを開催

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東京工業大学の工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院は、ケンブリッジ大学の工学部(Department of Engineering)と合同で、11月25日に「Workshop on Summer Exchange Research Program(SERP)」を開催しました。今回のワークショップは2部構成で、第1部では2022年度にケンブリッジ大学へ留学した学生のプレゼンテーション、第2部では両校の教員によるパネルディスカッションが行われました。両校から100名以上の教員・学生の登録があり、SERPに対する興味の高さを表していました。

参加者の集合写真

参加者の集合写真

冒頭のあいさつでは、ケンブリッジ大学のフィリップ・ギルフォードCOOから、本学の創立とほぼ同時期にケンブリッジ大学の工学部が設置されたこともあり、両大学の学生研究交流の重要性が述べられました。また、東工大の物質理工学院学院長の関口秀俊教授からは、長年続いているSERPの重要性とその将来性について説明がありました。

SERPは主に大学院生を対象とする研究留学に特化した派遣交換留学プログラムです。異文化における研究により知識領域と視野を広げることを目的に、2005年に工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院(当時は理工学研究科)の教員が立ちあげました。現在ではスーパーグローバル大学創成支援採択校として、ダイバーシティ理解により異文化コミュニケーション力を向上し、国際的な場でリーダーシップをとる人材の育成へ繋げることも目的のひとつに掲げています。教員の理解と協力のもと3つの学院が連携して運営し、世界トップクラスのパートナー12校と共に多くの学生派遣・受け入れを実施してきました。ケンブリッジ大学は、SERP設立当初に協定を締結した大学のひとつです。

プロフィール

フィリップ・ギルフォード氏
(Mr. Philip Guildford)

1985年ケンブリッジ大学卒業。現在、ケンブリッジ大学の工学部の最高執行責任者(Chief Operating Officer)として、財務、企業連携、知財移転、起業など、工学部の学術コミュニティを支援する専門家チームを率いる。

あいさつをするギルフォード氏
あいさつをするギルフォード氏

関口秀俊教授

1990年東京工業大学大学院理工学研究科卒業。東工大の国際連携業務に多く携わり、近年では国際担当副学長、物質理工学院の教育国際副学院長を務める。現在は物質理工学院学院長として、工学院、物資理工学院、環境・社会理工学院が合同で進める国際連携活動を統括している。

SERPについて説明をする関口教授
SERPについて説明をする関口教授

第1部:学生プレゼンテーション

発表者:田野直輝さん(工学院 機械系 修士課程1年)

近年注目されている、生体を模倣したロボットや人と安全に協働するロボットとして柔らかい素材から作られるソフトロボットに用いるひずみセンサとして、ハイドロゲルひずみセンサに関する研究を行いました。柔軟なひずみセンサの感度の調整方法には様々な手法が提案されていますが、多くは製造が困難です。そこで、単純なプロセスで感度を調整できる手法としてメソスケールのメッシュ構造をもつセンサによる感度の調整に取り組みました。この手法は、柔軟なひずみセンサの感度を調整する単純な手法として広く応用できる可能性があります。3ヵ月間、研究において卓越している、異なるバックグラウンドを持つ研究室の仲間と一緒に研究に打ち込めたことは、私にとって大きな財産となりました。迷っていたら、一歩踏み出して留学にチャレンジしてもらいたいと思います。

発表者:小林詢大さん(工学院 機械系 修士課程1年)

機械学習を活用した流体シミュレーションは、開発コストの削減や機器の高効率化のために重要であり広く活用されています。スワミナサン教授のグループにて、物理現象予測に適したデータ拡張手法を研究し、より適応範囲の広い機械学習モデルを構築しました。これは幅広い条件下で適応可能な高精度シミュレーションの実現に繋がる可能性のあるものです。この留学で、優秀な学生との交流や受入教員の指導の下、有意義な研究活動が行ったことで国際的な視野を広げることができ、キャリアを考える際の幅が大きく変化したと感じています。海外での研究経験は有意義なものになるはずです。3ヵ月という長くない期間だからこそ、迷ったら参加してほしいです。

発表者:川合祥紀さん(物資理工学院 材料系 修士課程1年)

東工大松本研究室では1次元ナノ材料の研究に取り組んでいますが、2次元ナノ材料への興味からケンブリッジ大学のハッサン教授の下へ留学しました。留学中は、大気圧下の乾燥で3D印刷されたグラフェンエアロゲルの作製に取り組みました。この研究は、電気二重層キャパシタや電池などのエネルギーデバイスの電極材料として利用でき、従来の材料設計指針を変える可能性を秘めています。東工大の研究とは別の分野の研究に取り組め、また最先端で活躍する優秀な研究者と議論を交わすことを通して、グローバルな知見や視野を拡げることができました。

第2部:パネルディスカッション

ファシリテーター

飯田史也教授(ケンブリッジ大学 工学部)

パネラー

  • タウフィック・ハッサン(Tawfique Hasan)教授(ケンブリッジ大学 工学部)
  • ヌデヒャサン・スワミナサン(Nedunchezhian Swaminathan)教授(ケンブリッジ大学 工学部)
  • 間中孝彰教授(東京工業大学 工学院 電気電子系)
  • 吉川史郎准教授(東京工業大学 物質理工学院 応用化学系)
  • ジェフリー・クロス(Cross Jeffrey Scott)教授(東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系)

パネルディスカッションでは、「東工大から留学してきた学生がケンブリッジ大学の研究室に所属する誰よりも熱心に研究に取り組んだことに感銘を受けた」「これまでの学生交流により両校の絆が強まり、共同研究にも良い影響を与えている」「就職を考えていた学生がアカデミアへ進路変更を考えるようになるほどインパクトのあるプログラムである」など、ケンブリッジ大学の教授たちがポジティブな意見を語りました。また、後半のQ&Aでは、両校の参加学生が次々に質問し、本プログラムに対する強い興味を示しました。

発表者とパネラーの記念撮影(上左より:飯田教授、ギルフォード氏、関口教授、吉川准教授、中段左より:田野さん、小林さん、川合さん、間中教授、下段左より:クロス教授、スワミナサン教授、ハッサン教授)

発表者とパネラーの記念撮影(上左より:飯田教授、ギルフォード氏、関口教授、吉川准教授、中段左より:田野さん、小林さん、川合さん、間中教授、下段左より:クロス教授、スワミナサン教授、ハッサン教授)

両校は共同研究に繋がる可能性も視野に、SERPを友好なパートナーシップの下で継続するため、このワークショップを毎年開催することで合意しました。SERPは今後も東工大のグローバル化のため、大学院生の派遣・受け入れを行っていきます。

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お問い合わせ先

物資理工学院業務推進課 国際交流支援チーム

Email ko.intl@jim.titech.ac.jp


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