11月25日、東京工業大学附属科学技術高等学校(以下、附属高校)では、学校設定科目「グローバル社会と技術」の一環として、高校1年生200名を対象に東京工業大学の教員による「特別講義」が行われました。本講義は、高大連携事業の1つとして例年行われているもので、最先端の科学技術に関する講義を受けることによって、科学技術への興味・関心を喚起させることを目的としています。
5つの講義テーマと講師陣
応用化学系
「グローバル社会と蓄電池」
谷口泉准教授(物質理工学院 応用化学系)情報系
「プログラミングを楽しむ」
権藤克彦教授(情報理工学院 情報工学系)機械系
「社会課題を解決するロボット」
遠藤玄教授(工学院 機械系)電気電子系
「有機エレクトロニクス~人や環境にやさしい電子デバイスを実現する~」
間中孝彰教授(工学院 電気電子系)建築系
「廃棄物のリサイクル—実験的アプローチと心理学的アプローチ」
高橋史武准教授(環境・社会理工学院 融合理工学系)
当日、附属高校の生徒は希望の講座を1つ選んで受講しました。講義のあとには質疑応答時間が設けられ、生徒たちは活発に質問をしました。
たとえば、応用化学系の講義の後に生徒が「現在リチウムイオン蓄電池を多用しているので、今後資源枯渇などでリチウムがなくなった場合にその代替になるものはありますか?」と質問し、谷口准教授は「代替品としてはナトリウムイオン蓄電池が考えられますが、リチウムイオン蓄電池よりも安全性や電池のエネルギー密度が低いという問題があります。リチウムの代替を探すことも大切ですが、現在使っているリチウムをしっかりと回収し、再利用して使うことがより大切かもしれません」と述べました。
生徒のコメント
プログラムにバグや不備があったときに仮説を立てて原因を考えるということでありましたが、これは、プログラミングに限った話ではなく、勉学においても役に立つ考え方なので、参考にしたいと思いました。
今学習している数学や物理、英語などが、どの様なタイミングで必要になるのか、好きな専門分野の事だけではなく、他の勉強もおろそかにしてはいけないという事を納得しました。
体内にチップなどを埋め込んだとき、それの経年劣化などがずっと気になっていたのですが、生分解性プラスチックを使うのは上手い方法だと思いました。
心理的なものを考えるって難しく、建築も広い分野の総合的なものだから人間について理解しないと理想的なものはつくれないと思いました。だからこそ今回のテーマのようなものを理論立てて数値化することはかなり役立つと思い、建築に関して視野を広げられました。
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