東京工業大学博物館は、11月3日に「岩石から天然顔料絵の具<岩絵の具>をつくろう」を理科教育振興支援「ものつくり人材の裾野拡大支援プロジェクト」の後援にて午前の部と午後の部の2部開催しました。
3年ぶりに対面形式の大岡山キャンパス百年記念館で開かれた本講座には、延べ70人が参加しました。地域の方々との交流や身の回りの石から岩絵の具が採れるという体験を通して「環境」「SDGs」「場所愛(トポフィリア )」などを考えるきっかけになるとして、本講座は企画されました。
講師の日本画家、橋本弘安氏(女子美術大学名誉教授)は、実技体験を交えた天然顔料の研究・普及活動に携わり、「粉体工学会」を通して本学教員との研究交流により、自然素材(主に石)を粉砕することで絵の具を作ることで環境を考えるきっかけづくりを行っています。
講座は、前半に橋本氏による「美術を素材から考える」~小さな石から岩絵の具をつくる~というテーマのレクチャーが行われ、美術から「材料・素材」を考えるという切り口で、人間と石、粉砕の歴史やそれに伴う土地への関心、現代における粉砕技術の活用例などの話がありました。
後半は実際に「天然岩絵の具作成キット」を使って絵の具を作り、白いうちわに絵付けする体験をしました。参加者は事前にレクチャーを受けていた学生スタッフからサポートをしてもらいながら石を粉砕し、砂状にし、水のりを混ぜ合わせることで絵の具になる工程を体験しました。
参加者のコメント
実際に石を削ってこんなにきれいな色が出たところがおもしろかったです。
実際に出る色と石の見た目の色の違いに驚きました。
色々な素材を用意して下さっていて、カラフルなうちわを作ることが出来ました。スタッフさんにも手伝って頂いて、完成させることができました。とっても楽しかったです。
スタッフの学生のコメント
東工大をもっと好きになりました。初めてスタッフとしてイベントに参加できてとても充実した1日でした。
身近な(石)でこのようなたくさんの色・質感の絵の具を作るができることに感動した。
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