東京工業大学ものつくり教育研究支援センターと学生支援センターは、1月11日と18日の2日間にわたり、株式会社コモドソリューションズ(以下コモドソリューションズ)の協力による「初心者向けパイソン(Python)セミナー」(2022年度秋季IoT導入教育セミナー第3弾)を大岡山キャンパスの講義室にて対面で開催しました。参加者は学士課程から博士後期課程までと幅広く、1週目は13人、2週目は11人が受講しました。
「IoT導入教育セミナー」は、IoT(Internet of Thingsの略、モノとインターネットをつなぐ技術)に欠かせない各種の技術をハンズオンで学ぶことを目的として、年に4回、東工大の卒業生が活躍している企業に協力を得て実施しています。今回は、リナックス(Linux)がインストールされた小型のシングルボードコンピュータであるラズベリーパイ(Raspberry Pi:通称ラズパイ)を使用して、パイソン(Python:プログラミング言語の1つ)の基礎から応用までを、未経験者にも取り組みやすい形で学びました。
1月11日の講義:プログラミングの基礎を学び、音楽プレーヤーを実装する
初回の講師はコモドソリューションズの川村愛果氏が務めました。まずは、ラズパイとモニターなどの周辺機器を、参加者自身が接続することからスタートしました。次にプログラミングの基礎である「変数」「順次」「分岐」「反復」のコードの書き方について学び、自分で入力をして、実際に動作するかを確認しました。音楽プレーヤーの実装を行う際には、音楽をただ再生するだけでなく、学んだコードを組み合わせて音楽の再生を制御し、音楽ファイルを選択・管理する方法を学びました。参加者たちは、自分が入力したコードの指示通りに、イヤホンを通じて音楽が流れてくることを確認しました。
1月18日の講義:デジタルサイネージを実装する
2回目の講師は、コモドソリューションズの所治樹氏が務めました。テーマは、企業において、お客様からのリクエストにいかに応えていくかという実践的な内容でした。具体的には、「効果的な広告を掲載したい」というリクエストに対して、初回に学んだ技術を生かして、デジタルサイネージの設計を行いました。効果的なデジタルサイネージを作るためには、ディスプレイ上に何のコンテンツをどのようなタイミングで、どれくらいの大きさで実現させればよいかを考えながら、実装を行いました。次に、デジタルサイネージに「昼と夜で広告を切り替える」機能を追加しました。ラズパイの中に回路を組み立て、プログラムと組み合わせることで、ラズパイが日照センサーの役割を果たします。参加者たちは、与えられた課題に試行錯誤しながら取り組み、日照センサーに手をかざして明るさを変化させることで、値が変化することを体感しました。また、最終的には、サイネージが切り替わることを確認することができました。
最後に、ものつくり教育研究支援センターの齊藤卓志副センター長が閉会のあいさつとして「自分もプログラミングを学生時代に自習した。自習は面白くないし、当時はグーグルで解決方法を検索することもできなかったので、つまずくとどうしようもなかった。今回のセミナーは、単にプログラミングを学ぶだけでなく、プログラムで何かを動かしたり、お客様のリクエストに応えたりすることを体験できた。単にプログラミングを教えて頂いたのではなく、自分を磨く方法を教えて頂いたことになる」と、自身の学生時代の経験を紹介しながら、2日間のセミナーの意義を参加者たちに伝えました。
参加者のコメント
手頃に取り組みやすい内容で気分転換になった。
実際にボードを使い、自宅でパソコンをいじっているだけではできない体験ができました。
いつもやらないようなことがやれて楽しかった。
1回目は欠席となりましたが、2回目でプログラミングを用いてものづくりができて良かったと思います。
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当セミナーの実施にはEdCycleの助成を受けています。
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