工大祭開催中の10月12日、小学生を対象に、植物を材料に植物細胞のミクロな世界を顕微鏡で観察する科学教室を開催しました。
「生きるって動くこと! ―植物のミクロな動きを顕微鏡で観察しよう―」と題したこのイベントは、東工大基金を活用した日本再生プロジェクト「ものつくり人材のすそ野拡大支援」事業の支援を受けて実施しました。当日は大学院生命理工学研究科 基礎生物分野のスタッフが担当しました。
植物も動物も生き物です。生き物はたくさんの細胞が集まって組織を作り、その組織が組み合わさって器官となり、器官の集合が体を作っています。動物は動くことによって生きていることが実感できますが、多くの場合植物は目で捉えられるほどの運動をしないので、生きていることを感じることが乏しいかもしれません。しかし、植物細胞も動物細胞と同様に生きるためにさまざまな動きをしています。今回のイベントでは、このことを小学生の皆さんに理解してもらうため、オオカナダモ、ブライダルベール、ツユクサ、ベゴニアを材料にして植物の根、茎、葉、花のミクロな世界を観察しました。
当日は近隣の小学生だけでなく、近県からも保護者を含め30名以上が参加しました。顕微鏡を初めて触る参加者も見受けられましたが、まず、研究室のOB、大学院生の指導のもと、親子が協力してハサミやピンセット、カミソリなどを使ってプレパラート標本を作製しました。そして、根端の細胞分裂、茎の水の通り道、葉の細胞内の原形質流動や分離、気孔、花の花粉管の伸長などの植物細胞の動きを、顕微鏡で観察しました。
参加した小学生達は茎の中のらせん状の構造に驚いたり、葉の細胞内の葉緑体の動きに感動したり、花粉管の伸長にも深い興味を示し、次は○○を観たい、とリクエストも受けました。今回の科学教室の開催によって、小学生達は植物のミクロな世界を観察することで、生き物の不思議を体感できたようです。
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生命理工学研究科 基礎生物分野
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