Quantcast
Channel: 更新情報 --- 東工大ニュース | 東京工業大学
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4086

TiROP先進理工系大学体験型短期派遣プログラム成果報告会

$
0
0

TiROPによる先進理工系大学体験型短期派遣プログラムの成果報告会が、10月23日、HUB-ICS(大岡山キャンパス西9号館)にて開催されました。

TiROPとは

文部科学省の公募事業「大学の世界展開力強化事業(タイプB-I)」の採択を受け、平成23年度より「グローバル理工系リーダー養成協働ネットワーク(TiROP: Tokyo Institute of Technology International Research Opportunities Program)」として運営されている留学プログラムです。東京工業大学では、世界的に活躍できる研究者、技術者、企業人、国際機関職員等グローバルエリート人材の養成を目指しています。

先進理工系大学体験型短期派遣プログラムの概要

今年は9月16日から26日までの11日間にわたり、米国ジョージア工科大学・マサチューセッツ工科大学(MIT)の講義への参加、先端的な研究室の見学、現地学生たちとの交流などを体験しました。

日次
月日(曜日)
スケジュール
6月25日(水)
事前説明会
(プログラム概要・手続き・準備・日程の説明、派遣学生自己紹介)
7月15日(火)
第1回オリエンテーション
(TiROPサマープログラム学生との交流会)
9月1日(月)
第2回オリエンテーション
(アメリカ概要講義、"Think Aloud!"特別版)
9月2日(火)
9月9日(火)
事前英会話講座
(自己紹介の仕方、レストランでの注文の仕方)
Day 1
9月16日(火)
成田→アトランタ
Day 2
9月17日(水)
ジョージア工科大学での活動
(キャンパスツアー、講義聴講、日本語クラス参観、研究室訪問)
Day 3
9月18日(木)
ストーンマウンテン観光
KMA(クボタ・マニュファクチュアリング・オブ・アメリカ)工場見学
ジョージア工科大学での活動(寮見学)
Day 4
9月19日(金)
ジョージア工科大学での活動
(講義聴講・TiROPサマープログラム学生との昼食会)
アトランタ半日自主行動
Day 5
9月20日(土)
アトランタ→ボストン
Day 6
9月21日(日)
ボストン自主行動
Day 7
9月22日(月)
MITでの活動
(作業所見学、研究室訪問・キャンパスツアー)
Day 8
9月23日(火)
MITでの活動
(現地学生との交流会、作業所見学、研究室訪問)
Day 9
9月24日(水)
MITでの活動
(日本語クラス参観、研究室訪問)
Day 10-11
9月25日-26日(木・金)
ボストン→デトロイト→成田

成果報告会について

このたび、プログラムを無事終了し、帰国した学生たちによる成果報告会が開催され、派遣学生たちが、率直な感想と留学後の展望について発表しました。海外での体験を通じ、日本や東工大の良さを見直したり、勉学・研究への志を新たにする好機にもなった、などの感想がありました。

報告会終了後、本プログラムに関心をもつ学生が、今回の派遣学生に直接質問する場面も見られ、留学や研究に対する意識の高さが感じられました。

MITでの活動を発表する 生命科学科 中村敏弘さん MITでの活動を発表する
生命科学科 中村敏弘さん
ジョージア工科大学での活動を発表する機械知能システム学科 間瀬大幾さん ジョージア工科大学での活動を発表する
機械知能システム学科 間瀬大幾さん

今回の派遣に参加した学生と教職員
今回の派遣に参加した学生と教職員

プログラムに参加した学生の中から、2名の体験談を紹介します。

クナーヌソン ナッタナイさん(工学部化学工学科 下山研究室4年)

今回、ジョージア工科大学とMITという、米国の先進理工系大学を約10日間訪問した。本プログラムに参加しようと思ったのは、英語能力を発展させることが出来るとともに、米国の文化や大学生活などを体験することが、将来米国への長期間留学に役に立つことだと考えたからだ。

最初に訪問したのは、ジョージア工科大学であった。キャンパスツアーで、敷地面積がかなり広いことが分かった。また、1996年のオリンピック開催場所なので、スポーツ設備が非常に素晴らしいと感動した。大学寮の見学では、米国の寮生活がイメージできるようになった。多くの学生は寮に住んでいて1部屋4人の暮らしをしているそうだ。大学に近く設備も良いので、いい生活を送れそうだと思った。熱力学などの講義に参加する機会もあった。学生は理解できないところがあればきちんと質問しているので、真面目な印象を持った。授業の冒頭では、学生が授業内容の発表をしていた。普通の授業の他に、日本語クラスにも参加した。自分はタイ人で、日本語を勉強したので、少なからずアドバイスできると思った。ジョージアでの活動は、大学だけでなく、ストーンマウンテン観光とクボタ工場見学もあり、特にクボタ工場では、日本企業の活動を知ることができ、環境への負担が少ない工場を目指していることが分かった。工場のスタッフに質問する機会があったので、米国の就職に関して質問した。アトランタ最終日の自由行動では、ワールド・オブ・コカコーラとCNNを観光した。

MITの研究室にて 1
MITの研究室にて 1

次に、MITを訪問した。MITの面積は東工大とほぼ同じとのことである。場所はボストンなので、ハーバード大学などの様々な大学が他にも沢山あった。大学には、自分の興味やプロジェクトによって物を作ることが出来るホビーショップがあった。機械工学の授業にも参加した。このクラスはグループで三つのアイディアを出し、実際に製品を作る授業で、非常に面白いクラスだと思った。大学の博物館も見学した。博物館にはMITの有名な研究が紹介されているので、いろいろ勉強になった。また、本プログラムには自分の専攻に近い分野の教授にアポを取り、その研究室を訪問する時間も設けてあり、自分は化学工学科のMartin Z. Bazant教授を訪問することができた。その研究室は物質移動現象の数学モデルを基にして、電気化学、特にリチウム電池などを研究する研究室である。その機会により、自分の興味がある分野の勉強だけでなく、研究室の学生と話す機会もあり、大学生活などに関して色々な話ができて、将来長期間留学する場合に役に立つと思った。

本プログラムに参加し、米国に関して色々なことを理解できた。その一つは、米国は自由な国であるということである。それは、米国人は自分の考えで自分の行動を決める主体的な国民だからだと思った。また、人間関係も重要であり、人間同士が理解し合うために適切なコミュニケーションが非常に必要である。自分は現在日本に留学しているが、世界をもっと知りたいと思っている。将来チャンスがあればアメリカにも長期間留学したいので、本プログラムがその一歩になり、非常に役に立つ経験になると思った。

MITの研究室にて 2 MITの研究室にて 2
MITのホビーショップにて MITのホビーショップにて

中村敏弘さん(生命理工学部生命科学科 徳永・十川研究室4年)

MIT本館前にて
MIT本館前にて

ジョージア工科大で日本人の先生の研究室を訪問したとき、アメリカの学生は社会人を経験してから研究室に来る人も多く、研究内容が社会にどう役立つかをしっかり説明しないと研究に着手してくれないという話を聞いた。アメリカは軍隊を持っているため、精神疾患、義手、義足などの研究は国から多大なサポートを受けているという。アメリカでは全体的に実用性というものを強く意識して研究が行われることが多いようだ。一方で、私が個別にアポをとって見学した研究室では、研究内容がどのように社会に役立つかを聞くと、応用のためにやっているのではなく科学の知をより広げるためにやっているのだということを強調して言われた。また、派遣メンバー全員で見学したところでは、この研究でどうやって研究費がもらえるのだろうと思うような、あまり実用性の感じられない研究もあった。このように単純に新たなことを知りたい、面白いものを作りたいという方針の研究室もあるので、実用性を意識して研究する傾向があると言っても実際はさまざまであることが分かった。

ジョージア工科大学日本語クラスにて 1
ジョージア工科大学日本語クラスにて 1

MITで私が個別にアポをとって訪問した研究室の一つでは、英語で専門内容を話すのが難しく、質問したいことを伝えるのに苦労した。また、それと同時に自分の専門性がまだ不十分であるために、用意していた質問はなんとか聞けたが、研究室を見学したうえでさらに研究内容について掘り下げて話をすることができなかったので、意外とあっさり研究室訪問が終わってしまった。このような場で深く話を進めていくには英語と専門性の両方の面でさらなる向上が必要であることを身に染みて感じた。もう一つのアポをとった研究室では、東工大出身の日本人の方が対応してくださったので質問をするのが楽であり、はじめに行った研究室のように慣れない言語で専門分野を話すということがなかった。この点でやや今回のプログラムの目的から外れる部分もあったが、私と同じような環境にいた人がどのようにMITで研究生活をしているかということを聞くことができた点で非常に有意義であった。 日本語クラスの学生と話した時、アメリカの最高峰の大学で勉強するために高校からアメリカに留学してMITに入学したという学生がいた。大学からいきなり留学すると倍率などが厳しいので高校から留学して準備していたのだ。また、現地で話したどの学生も授業期間は勉強が忙しくてクラブ活動、アルバイトなどをする時間がないと言っていて、長期休みには自分の専門に合ったインターシップをやってきたという学生も多かった。このような点で日本の学生との大学時代の過ごし方がだいぶ違うと感じた。このように、学問に対して早いうちから高い志を持っていた学生と交流できたのはいい刺激になった。

ジョージア工科大学日本語クラスにて 2
ジョージア工科大学日本語クラスにて 2

日本語クラスの学生と話して日本人が間違って使っている英語について教わり驚いたことがいくつかあった。また、現地の学生が使っている日本語の教科書にはやや変な表現がありおもしろかった。外国語を学ぶときに、やはり現地の人がどのようにしゃべっているかを知らないとあまり使われない表現を覚えてしまったり、間違って覚えてしまったりすることが多いのだろうと感じた。英語を使って何がしたいかにもよるが、英語能力を高めたいならやはり、英語圏で生活するのがいいのだろうと感じた。

私は海外に行くのは今回が2回目で、前回行ったときも長期滞在はしていないので、今回の派遣は海外経験という意味でも新鮮であった。アメリカでは公共交通機関がやや使いにくいという印象を受けた。また、夜間は治安の点から公共交通機関を日本と同じ感覚で使ってはいけないということを何度も言われた。一方日本と比べてタクシーの料金があまり高くないので夜はタクシーを何度か利用した。今回は自由行動も含めて派遣のメンバー全員で行動することが多かったが、実際に留学するとなると海外で、一人で行動することが増えるので、より用心しなければいけないことが増えるだろう。しかし、そういった面も含め、一人で海外生活をしてみることは自分の成長のきっかけになると思うので今度は一人でアメリカに行ってみたいと感じた。

お問い合わせ先

東京工業大学国際部留学生交流課「大学の世界展開力強化事業」
グローバル理工系リーダー養成協働ネットワーク事務局
Email: tirop@jim.titech.ac.jp
TEL: 03-5734-2984


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4086

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>