11月28日、大岡山キャンパス 百年記念館フェライト記念会議室にて、JCHM第2回シンポジウムおよびワークショップを開催しました。
JCHM(Japanese Consortium for Human Microbiome)とは
ヒトの腸内には 1000種100兆個体の微生物が共生していると言われ、 それらの腸内細菌の乱れは多くの疾病に関わっている事が知られています。 欧米では腸内細菌解析の重要性が早くから認識され、 大型予算が割り当てられ多くの研究者が携わっていることから、日本においても日本人腸内環境の全容解明は急務と言えます。
そのため、日本人腸内環境の全容解明をテーマに掲げ、 日本人腸内微生物データーベース構築による「日本人固有の腸内環境及び腸内代謝系の発見」と 「疾病マーカーの発見」を目指したプロジェクト活動を推進しています。
JCHMは、当研究に関心を持つ関係機関・団体・企業との連携によるコンソーシアムです。大学院生命理工学科 生命情報専攻 山田拓司講師が代表を務めています。
第2回JCHMシンポジウム
今回は、学内外の若手研究者を演者に招き、腸内細菌の解析技術や利用可能なデータなどを企業や研究機関に広く周知していくことをメインテーマとしました。2014年6月に開催された第1回シンポジウムを大きく上回り、103名の研究者、協賛企業、学生等の参加がありました。
シンポジウムに先立ち午前中には、菌叢解析パイプラインの実践を、ワークショップ形式で開催しました。本学大学院生命理工学研究科生命情報専攻の森宙史助教が講師を務め、実際のデータを用いた解析を行いました。
シンポジウム冒頭では、山田JCHM代表から、本コンソーシアムに協賛頂いた企業への謝辞とシンポジウム開会の挨拶がありました。
続いて以下の精鋭若手研究者より講演が行われました。
「メタボロゲノミクスがもたらす腸内細菌叢機能の包括的理解」 福田真嗣博士(慶応義塾大学)
「腸管T細胞の活性化機構における腸内細菌の役割」 新幸二博士(慶應義塾大学・理化学研究所)
「高速シークエンサーを用いたヒト常在細菌叢解析」 須田亙博士(東京大学新領域・慶応義塾大学)
「Bifidobacterium属細菌を中心とした腸内細菌叢研究」 小田巻俊孝博士(森永乳業株式会社)
「スキンマイクロバイオーム:研究Tipsとその応用」 冨田秀太博士(近畿大学)
「ヒト腸内細菌叢代謝経路データベースの構築」 山田拓司(東京工業大学)
講演後、参加者から活発な質問が出るなど、有意義なシンポジウムとなりました。 アンケートでは、興味がより深まった等、将来の発展につながるご意見を多々いただきました。
お問い合わせ先
大学院生命理工学研究科 生命情報専攻
山田研究室 JCHM事務局
Tel : 03-5734-3629
Email : info@jchm.jp