東京工業大学学生支援センター未来人材育成部門(学生活動支援窓口)は2月29日、Hisao & Hiroko Taki Plaza(ヒサオ・アンド・ヒロコ・タキ・プラザ)にて「第17回学生応援フォーラム」を開催しました。
毎年開催しているこのフォーラムは、学生間・大学・地域に対して有益という公的な性格を有する学生活動を支援し活性化させるとともに、他大学の学生との交流促進も目的としています。
17回目となる今回は、プログラム内容の検討段階から企画運営までを学生に一任することで“学生による学生のためのフォーラム”として位置づけ、「学生の交流促進」に主眼を置いた構成としました。当日は本学に加え、東京医科歯科大学、宇都宮大学、筑波大学、東京大学、国際医療福祉大学、成城大学、東京都市大学から、合計85人の学生と教職員が参加し、コロナ禍で開催を控えていた懇親会も数年ぶりに行いました。
司会進行は環境・社会理工学院 融合理工学系の飯干成美さん(学士課程3年)と情報理工学院 情報工学系の橋本龍徳さん(学士課程2年)が務めました。益一哉学長の開会のあいさつがあり、続いて保健管理センターの齋藤憲司教授が学生応援フォーラムの歴史を振り返りながら、開催の趣旨や意図などについて説明しました。
アイスブレイク
本フォーラムとしては初の試みとして、アイスブレイクの時間を設けました。参加者は3~4人の小グループに分かれ、グループ内で自分自身を表すキーワードを決め、ハッシュタグを用いて共有することで、参加者同士をつなげるきっかけ作りをしました。
このアイスブレイクについては「ネームカードを作って行った自己紹介は和やかな雰囲気が醸成されて良かったです」「その後の議論を活発に行うことができました」「研究室のゼミでもやりたいと思いました」などのコメントが寄せられました。
学生活動の口頭発表
2024年10月から東京科学大学で共に歩む「東京医科歯科大学ピアサポーター」の学生も参加し、未来人材育成部門が支援する学生活動「東京工業大学ピアサポーター」「学勢調査」「東工大学生ボランティアグループ(以下、東工大VG)」「留学促進団体FLAP(フラップ)」「学修コンシェルジュJr.(ジュニア)」の5団体の学生たちと共に、1年間の活動内容や成果について発表を行いました。この発表で本学と東京医科歯科大学の共通点や相違点を知ることができ、東京科学大学の未来への期待が膨らむ時間となりました。
東京医科歯科大学ピアサポーター
庭屋実莉さん(医学部 保健衛生学科 3年)
東京医科歯科大学ピアサポーターは、学生生活の相談対応やアンケート調査、ピアサポート通信での情報発信など、学生による学生のためのさまざまな支援を行っています。昨年度は投書箱のリニューアルや「ぴあのわ※2023」への参加、他団体との交流など、6人のピアサポーターで新しい取り組みを行い活動の幅を広げてきました。ピアサポーターとしての活動は、傾聴スキルやニーズに合わせた個別の支援など看護ケアにも通ずる学びがあり、やりがいを感じています。フォーラムでは医療系以外の学部の方との交流ができ、視野を広げる貴重な機会となりました。
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ぴあのわ:全国の大学のピアサポート組織・団体に所属する学生や教職員が一同に会し、交流と研さんを行う研修会
福田衣莉さん(歯学部 歯学科 4年)
学生応援フォーラムにお招きいただき、ありがとうございました。東工大には学生や地域の方々のために活動している団体が数多くあることを知ることができました。他団体の発表をもとに、自分たちの活動を見つめ直すきっかけとなり、「もっとこうしていきたい」と思えるポイントがたくさんありました。私たちは、授業や実習、部活動など少人数の医療大学であることから、他の大学とは異なるところが多くあります。東京医科歯科大学の学生ならではのニーズに対応できるよう、これからも精進していこうと思います。
木村麻里さん(歯学部 歯学科 4年)
統合前最後の学生応援フォーラムへの参加となりました。東工大では、さまざまな団体が各々のテーマと目的を持って活動をしており、統合後もこうした主体的な活動が両大学にとって良い影響を与えるのではないかと思います。そのためにもお互いより深く打ち解けた関係になることも必要ですが、そうした点で懇親会は、学生団体での活動だけでなく普段の様子も垣間見ることができる非常に貴重な機会でした。医療の世界では多職種連携が求められるので、こうしたつながりを通して将来的に東工大生の方々とも連携していきたいと感じました。
東京工業大学ピアサポーター
松尾祥汰さん(工学院 情報通信系 学士課程4年)
研究活動では、「非協力ゲーム理論における一般化ナッシュ均衡の数値解法」に関する研究を行っています。本フォーラムでは、口頭発表での質疑や、その後のポスター発表を通じて、さまざまな方からピアサポート活動に関する意見や質問をいただき、自分たちの活動のあり方について今一度よく考えるきっかけを得られたと感じています。また、今回のフォーラムを通じて、自主的な活動をする団体同士のつながりが強まったと感じています。団体それぞれが頑張るだけでなく、お互いに協力し、活動を発展させられるのではないかと感じています。
学勢調査
吉村亮哉さん(工学院 システム制御系 学士課程3年)
学勢調査では、全学生を対象にアンケート調査を実施し、大学に学生の生の声を届ける活動を行っています。本フォーラムは学勢調査にとって、他団体や他大学の方との関わりを持つことができる非常に貴重な機会であり、私たちの活動の周知と他団体からの新たな活動のヒントを得ることができました。私は4月から研究室に所属し、コンピュータビジョンや画像処理の研究を始めます。新たな学生生活の中で、大学を多角的な視点から見つめ、学勢調査として柔軟な活動を行なっていきたいと思います。
東工大VG
大河原早紀さん(環境・社会理工学院 土木・環境工学系 学士課程4年)
多くの方が東工大VGの活動に関心を持って声をかけてくださり、他大学で同様の活動を行っている方とも交流することができました。情報交換の中で新たな活動のヒントや協働の兆しも見え、有意義な時間でした。私の周囲に限らず、さまざまなつながりが自分たちの企画したフォーラムで生まれたことをうれしく感じています。本フォーラムで得られた多様な視点を踏まえ、今後も土木専攻の学生として持続可能な国土や居住環境の在り方を見据えながら、復興や防災・地域連携などに関するボランティア活動に取り組んでいきたいと思います。
留学促進団体FLAP
守山日向さん(工学院 経営工学系 学士課程4年)
FLAPでは、東工大生にとって留学がより身近な選択肢に感じられるように、留学をサポートする活動を行っています。本フォーラムは、FLAPの理念や活動を知ってもらうと同時に、私たちの活動を見つめ直す良い機会になったと思います。私は電気自動車の配送計画問題について研究していますが、本フォーラムでのFLAPの活動に関する発表や、教職員の方々、学生との交流の経験を、今後の研究活動の発表や、予定している留学での学びに生かしたいと思います。
学修コンシェルジュJr.
中山真吾さん(環境・社会理工学院 土木・環境工学系 修士課程1年)
本イベントを通じて、高い志を持ち活動を行う学生と交流できたことは、非常に貴重な経験でした。自らの活動紹介にとどまらず、人材確保など抱える課題を共有することで、その解決策を相互に考えることができました。私自身は水災害に関する研究を行っていますが、理想的な姿を描き、その実現のために試行錯誤することはこの学修支援活動とも共通点が多く、自己成長にもつながっています。今後、大学も統合などの変革を遂げる中で、私自身も既存の枠にとらわれず挑戦し続けたいです。
学生活動のポスター発表
「教育革新センター・オンライン教育部門(OCRD)」「広報サポーター」「Taki Plaza Gardener(タキ・プラザ・ガーデナー)」「Attic Lab(アティック・ラボ)」「東京工業大学留学生会TISA(ティサ)」「みらい創造チャレンジ『瓶の中の機械ワークショップ』」「みらい創造チャレンジ『おおお知るまちプロジェクト』」の7団体が、1分間のプレゼンテーションとポスター発表を行いました。
口頭発表を行った6団体も加わり、13団体のポスター発表が行われ、学生たちの多彩な活躍を改めて認識することとなりました。各活動のポスターの前では積極的な議論が展開され、活動をさらに発展させていくためのヒントを得るなど、活動する仲間を増やすきっかけともなり、さまざまな実りのあるセッションとなりました。
リフレクション(振り返り)
振り返りシートを用いてグループ内で感想を共有した後、slido(スライド)※というアプリケーションを使って、このフォーラムでの体験を全員で共有しました。グループ内では熱心に話し合いが行われ、体験を全員で共有する際も絶えず笑い声が聞こえるなど、学生同士の交流が十分に深まったことを確認する時間となりました。
※ slido:参加者からのQ&Aやアンケートの回答をリアルタイムに画面に表示し、双方向コミュニケーションを促進するWebサービス。
このリフレクションについては「少人数のグループでもフォーラム全体でも共有することの重要性を感じました」「slidoは結果がすぐに可視化されて理解しやすかったです」「参加しているという実感が湧きました」などのコメントが寄せられました。
最後は、井村順一理事・副学長(教育担当)による閉会のあいさつでフォーラムは終了しました。
司会学生のコメント
飯干成美さん(環境・社会理工学院 融合理工学系 学士課程3年)
今回、司会という大役を務めさせていただき緊張するばかりでしたが、フォーラムを計画段階から作り上げてきたコアメンバーに助けられて、やり遂げることができました。その過程やフォーラムでの交流を通して、他団体との関わりを持つことができ、貴重な経験となりました。
現在は進化ゲーム理論の研究室に所属し、自分のテーマを模索している最中です。4月から本格的に研究が始まり、田町キャンパスに通うことになります。大岡山での授業中心の生活とは大きく変わると思いますが、研究もピアサポーターの活動も頑張りたいです。
橋本龍徳さん(情報理工学院 情報工学系 学士課程2年)
学生同士の交流を第一目標に、学生主体で本フォーラムを企画運営してまいりました。口頭発表・ポスター発表と質疑応答では、自身の活動を伝えるにとどまらず、相手の活動を積極的に知ろうとする方が多く、その姿勢に感動しました。
私はプログラミングや機械学習を学んでいます。まだ人前に立つ経験が少なく、このような大きな会での司会は大変緊張しましたが、司会として進行を行うだけでなく、slidoという共有ツールを用いて会場の皆さんと双方向に交流できたことも、かけがえのない経験になりました。
フォーラム参加者の感想
- よく練られたプログラムで、誰もがなじみやすい工夫が素晴らしかったです。司会のお二人のフレンドリー、かつ軽妙で流暢な進行が素晴らしかったです。
- 「アイスブレイク」、「リフレクション」共に非常に参加しやすく、楽しめる、とても良い形だなと思いました。いろいろな方と話せて楽しかったです。
- 全体を通して、とても楽しく刺激的な時間を過ごすことができました。これからもお互いの活動を知り、交流を深められるような機会が定期的にあると良いと思います。本日はありがとうございました。
- 東工大ではさまざまな学生団体が多様な活動をしていることに驚きました。自分の大学でも活動に参加する学生が増え、幅が広がると良いと思いました。
- 学生が輝くための大学のサポート・基盤作りも素晴らしいと思いました。
学生支援センター 未来人材育成部門(学生活動支援窓口)では、学生の主体性育成や社会性獲得、アントレプレナーシップを備えた人材育成を目的とする学生活動を今後も支援していきます。
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組織名、参加者の職名、所属、学年は全て開催当時のものです
- 第16回学生応援フォーラムを開催|東工大ニュース
- 第15回学生応援フォーラムをオンラインにて開催|東工大ニュース
- ピアサポート|相談窓口|在学生の方
- ボランティア|課外活動・アルバイト|在学生の方
- 学修コンシェルジュJr.|学内でできるお仕事|課外活動・アルバイト|在学生の方
- 学勢調査|学生支援センター 未来人材育成部門(学生活動支援窓口)
- 学生支援センター未来人材育成部門(学生活動支援窓口)
- FLAP(留学促進学生団体)
- ピアサポーター|学生生活サポート|東京医科歯科大学
- 東京医科歯科大学