東京工業大学は5月11日、12日の2日間、「すずかけサイエンスデイ2024」を開催しました。
すずかけサイエンスデイは、小学生から大人までの幅広い世代が、研究室の見学や講演会を通じて最先端の研究に触れ、理科や科学の面白さ・楽しさを体感できるイベントです。科学技術への理解を深め、東工大で行われている研究や東工大への進学に興味を持つ機会となるよう毎年開催しています。
今回も対面での参加がメインとなる研究室公開や、オンラインと対面のどちらでも楽しめる講演会と科学実験教室を行い、3,000人を超える参加者をすずかけ台キャンパスに迎えました。また、同時に開催された「すずかけ台オープンキャンパス」では、大学院 6学院説明会と各学院・系による個別説明会が行われました。
対面とオンラインのハイブリッド形式で講演会を開催
11日は、「東工大×医科歯科大 異分野融合研究の最前線」をテーマに、東工大と東京医科歯科大学が目指す「コンバージェンス・サイエンス※」の一部を紹介するために、工学院 情報通信系の金子寛彦教授と東京医科歯科大学 政策科学分野の伊角彩講師による講演を行いました。その後、科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所のチャン・ツォーフー准教授と同研究院 化学生命科学研究所の澤田知久准教授をモデレーターとして、「異分野融合が拓く未来のメンタルヘルスとは」をテーマにパネルディスカッションを行いました。本講演会には対面とオンラインで約100人が参加しました。
12日は、未来のアカデミアを支える基礎研究者を育成する場として、2018年7月に設置された基礎研究機構の塾生や修了生の若手研究者4人が、「細胞をデザインする」、「ビッグデータで挑む素粒子と宇宙の謎」、「藻類のバイオフィルムと多糖」、「人間を支える建築」というテーマで、現在取り組んでいる挑戦的な研究についてわかりやすく説明しました。この研究紹介にも、対面とオンラインで約100人が参加しました。
両日とも、講演に続いて行われた質疑応答では参加者から質問が活発にあがり、有意義な時間となりました。
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コンバージェンス・サイエンスとは、歴史的に別領域とされてきた複数の学問領域の融合によって新しい学問領域を生み出し、未知の社会課題を発見・解決していくアプローチのこと
31研究室を公開
研究室公開には、基礎科学、情報サイエンス、バイオ・医療、建築、環境、エネルギー、先端材料など多岐にわたる分野から31研究室が参加しました。日頃の研究をもとに、身のまわりにある物質や微生物を使った実験、身近な病気に関する研究や最先端機器の紹介などを行いました。参加者は各研究室で学生らの説明に耳を傾け、研究に対する理解を深めました。
「くらりか」実験教室に小学生約120人が参加
「くらりか」は、子供たちに理科の面白さを伝え、楽しんでもらうことを目的として、東工大の同窓会組織である蔵前工業会の有志が設立した実験教室です。今年も昨年に引き続き対面とオンラインで開催されました。
対面で実施された「スライム」教室では、洗濯糊・ホウ砂(鉱物の1種)・絵の具を材料として、オリジナルのスライムを作りました。自分で作ったスライムを切る、伸ばす、空気を吹き込むなどしながら形状が変化していく様子を楽しみました。
オンラインで実施された「ギシギシプロペラ」教室では、割り箸を使って2種類のギシギシプロペラを作成しました。ひとつは、ヤスリで10個の溝をつけた割り箸の先端にプロペラを付けたもので、もうひとつは、割り箸に針金を巻きつける、あるいは豆腐ケースの波板状の部分(振動が発生しそうな物)を切り取って貼り付けるなどして、先端にプロペラを付けたものです。割り箸の溝や波板状の部分を棒で擦ると振動でプロペラが回り始めます。自宅からオンラインで参加した子供たちは、保護者と一緒にパソコンやタブレットの画面を見ながら作業に真剣に取り組んでいました。
実験教室終了後にオンラインで行ったアンケートでは、「スライム」教室に参加したほぼ全員が、「また参加したい」と回答し、保護者も9割以上が今後の理科教室への参加を希望しました。
東工大は東京医科歯科大学との統合で、東京科学大学(Science Tokyo)に生まれ変わります。新大学となる来年度以降も、すずかけ台キャンパスがより身近に感じられるような楽しい企画を用意して、皆さまをお待ちしています。
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