リベラルアーツが動き出す シリーズ講演会 第4回 開催報告
「東工大発、世界を見据えたリベラルアーツとはなにか。」多彩なゲストを迎え、さまざまな視点から考えていく全7回の講演会シリーズです。東工大は現在教育改革を進めており、2016年4月から新しい教育がはじまります。この改革の取り組みのなかで、東工大の教養、語学、健康教育などを司る「リベラルアーツ研究教育院」が同じく2016年4月に発足します。この講演会シリーズは同研究教育院の発足に向け、準備を進めている同研究教育院ワーキンググループが、スーパーグローバル創成支援事業の支援を受け、実施しています。
このシリーズ講演会は主に東工大の大学院生、教職員を対象としていますが、今回の講演会は一般にも公開されました。
第4回 |
日時 |
3月12日(木)14:00~17:00 |
場所 |
西9号館コラボレーションルーム |
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タイトル |
「理科系学生の文章作成を支援する―早稲田大学ライティング・センターでの取り組みから」 |
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講師 |
佐渡島紗織(早稲田大学ライティング・センターディレクター、教授) |
大学生は、アカデミックな文章を書く事ができるようになることが求められています。かつては、多くの場合自分で学ぶしかありませんでした。しかし、現在、大学では、組織的にライティングを教える必要に迫られています。そのような状況の中、独立した機関でライティングを学ぶことの出来る機会を提供することが大学の課題になっています。この課題にいち早く取り組んできた日本におけるパイオニアが、早稲田大学ライティング・センターです。講演会には、学内外の学生、教員、そしてメディア関係者が50人以上集まりました。
前半では、ライティング・センターの意義、立ち上げ方、運営、チューターの養成について詳しく説明がありました。ライティング・センターでは、書き手の自立を促すために、文章を診断し修正する観点を指導しながら、内容をよくしていくことを目指します。書き手自身が内容を深めていくことができるように、対話で書き手を導きます。このチュータリング※セッションにおける、文章の磨き方の理念と技術についても言及がありました。添削をするのではなく、書き手に修正案をいくつか見つけてもらう手助けをするのがポイントとのことです。
- ※
- 家庭教師のように、学習に関する指導やサービスを行うこと
後半は実践です。参加者が1枚の小論文を書いて、パートナーに見てもらい、チェックリストを使って互いに評価しあいました。その後、4人グループに分かれ、チュータリング体験を振り返り、その意義について語り合いました。