創造性育成科目を御存知でしょうか?
創造性育成科目は、学生に能動的・発見的に学習する機会を設け、新しいものや技術、アイディアを生み出すための創造力を育むための工夫を行っている講義科目のことです。
本年度、該当する科目についてアンケート調査を行ったところ、
- 約70%の科目は、学生同士のグループワークを講義に取り入れていること
- 約50%の科目は、学生あるいはグループ同士の競争を講義に取り入れていること
が分かり、いわゆるアクティブラーニングに近い講義形式が推進されていることが分かりました。
創造性育成科目は、毎年、専攻、学科、教員から申請され、登録・選定を行っています。選定されますと、科目に対して教材、実験器具等を充実させるための支援金の援助が行われます。このような事業を平成16年度より9年間行ってきましたが、さらなる創造性育成教育を発展させるため
- 創造性育成科目の講義実施状況の把握
- 創造性育成科目の学内への広報
- 発表会を通した教員相互の情報共有
- 平成 26 年度以降の創造性育成科目のあり方検討
を行うことが重要ではないかとの結論に至り、昨年度、第1回目の創造性育成科目事例発表会を実施致しました。この発表は学生がメインとなり、また、プレゼンテーションも素晴らしく、参加された先生方からは、「本当はもっと苦労しているところがあるのでは?」「教員同士で苦労・工夫している点を議論したい。」との感想を頂きました。そこで第2回目となる本年度は2部構成とし、第1部は、創造性育成科目のあり方及び講義を行う上での課題等についてのパネルディスカッション、その後、創造性育科目に選定された科目の担当教員による事例発表を行いました。そして引き続き第2部として、創造性育成科目のポスターセッション及び懇談会を行いました。
パネルディスカッションに先駆けて実施したアンケート調査では、
- 創造性育成科目の講義負担が大きいこと
- コンテストのテーマを毎年考えるのが大変なこと
- 学生の満足度、達成度などを学生にフィードバックすることが困難なこと
などが課題として出されました。パネルディスカッションを行った結果、
- 今後は、企業との連携が重要になるのではないか
- 大学院留学生にティーチングアシスタントをお願いすることで、英語の重要性を学部学生に早期に示せるのではないか
- 学内外に創造性育成科目の重要性を広報すべきではないか
といった意見が出され、今後の創造性育成科目の一つの方向性を見いだすことができました。
参加した教員からは、「他の分野での取組、抱えている問題点などが具体的に分かり、参考になった。」「講義構成、資金調達、指導体制など様々に工夫されている点を聞かせて頂き大変参考になった。」「他学科・他専攻の教員と講義の問題点等について議論できたのは有益であった。」などの意見が出されました。東工大では、各学科・専攻の垣根を越えて、講義科目に対する活発な議論を行う取り組みを、今後も進めていきたいと思います。