11月25日、大岡山キャンパス西8号館10階大会議室で、英語による講演会「Japanese Corporate Efforts to Realize Dynamic Engagement of Diverse Human Resources(多様な人材が職場で活躍する社会の実現に向けた日本企業の取り組み)」が開催されました。日本経済団体連合会(経団連)教育・スポーツ推進本部副本部長の長谷川知子氏をお招きしました。
この講演会は、東工大の学生交流プログラムYSEP (Young Scientist Exchange Program)が主催したもので、当日の参加者は約80名でした。東工大の海外協定校からの受け入れ学生、協定校への派遣予定学生の他、本学の正規課程で学ぶ留学生や教職員も参加しました。
講演会冒頭、水本副学長は開会の挨拶を述べるとともに、イノベーション人材養成機構の博士課程学生キャリア教育プログラムにおいて、長谷川氏の尽力により企業との連携が実現したことへの感謝の意を表明しました。
講演会では長谷川氏はまず、経団連の概要と日本企業がグローバル人材を求める背景を紹介しました。経団連が企業に対して実施したアンケート結果に基づき、企業が求める人材像や、外国人留学生の採用状況、経団連による日本人学生の海外留学の支援、女性が働きやすい労働環境づくりに関する取り組みが説明されました。この内、企業が求める能力については、理系文系ともに「論理的思考力と問題解決能力」がトップであるものの、理系については、「専門分野の知識」が次ぎ、文系とは異なる傾向が見られました。また、外国人留学生を採用したことのある会員企業は55%に上りますが、採用者に占める外国人留学生の割合は5%未満の企業が4分の3に上ることが示されました。
さらに、経団連はグローバル人材の育成を促進するため、2012年に日本人の海外留学生のための奨学金を創設したり、留学帰国生及び外国人留学生向けの合同就職説明会・面接会「経団連グローバル・キャリア・ミーティング」を開催したりしています。女性の役員・管理職への登用を推進するため、経団連が会員企業に対して数値目標を含むアクションプランの作成を呼びかけ、既に49社が自発的に計画を作成・公表していることも紹介されました。
講演後は参加した学生から、日本企業が外国人留学生に対して期待する能力、一斉採用の背景、長時間労働の文化などについて質問が出され、長谷川氏から丁寧な回答がありました。
本講演会の後、同じ会場で派遣・受け入れ学生の交流会が開催されました。まず8つのグループに分かれ、コピー用紙の造形物の高さを競うアイスブレイク※で緊張をほぐしました。その後、長谷川氏の講演を踏まえて、留学の目的、将来計画とそのための準備、日本や海外に留学した場合の注意点や便利情報などについて、活発なグループ・ディスカッションが行われました。
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- 初対面の参加者にリラックスしてもらうための手法
問い合わせ先
留学生センター 佐藤由利子
Tel : 03-5734-3524
留学生交流課 上田英一
Tel : 03-5734-7645