画像情報教育振興協会(以下、CG-ARTS協会)が実施した「2015年度前期CGエンジニア検定エキスパート」において、大学院情報理工学研究科情報工学専攻修士2年(受賞当時)の犬飼康裕さんが優秀な成績を収め、文部科学大臣賞個人賞を受賞しました。
CGエンジニア検定は、文部科学省認可のCG-ARTS協会が実施している画像を中心とした情報分野のスキルアップを図るCG-ARTS検定試験の1つで、CG分野の開発や設計を行うエンジニア、プログラマのための検定です。難易度により、ベーシックとエキスパートの2種類に分かれており、犬飼さんは2015年度前期エキスパートにおいて、上位前位の受験者に与えられる上述の賞を収めました。
エキスパートでは、CGとディジタルカメラモデル、座標変換とパイプライン、モデリング、レンダリング、アニメーション、画像処理、視覚に訴えるグラフィックス、CGシステム、知的財産権、関連知識の10個の分野から出題されます。2015年度のエキスパートの受験者数は400名前後、合格率は約50%となっています。
犬飼康裕さんのコメント
この度はこのような賞を頂くことができ光栄です。
私は学部時代にアニメーション研究会に所属していて、他メンバーと共同して手描きアニメーションを制作していました。そこでアニメ制作に3DCGを利用しようとフリーの3DCGソフトを触ったことがきっかけでCGに 興味をもち、セルアニメ調の見た目で出力できるように試行錯誤したのですがなかなかうまくいかず、それによりCGの原理や理論的な側面を学ぶ必要性を感じました。勉強に使用した教科書がCG-ARTS協会のものであったことから同協会の開催している検定を知り、折角勉強したことであるし、力試しだと思い受験しました。
最近では日本のセル調アニメにおいても「楽園追放」など全編フルCGで制作された作品が人気を博しており、また「ガールズ&パンツァー」「アイカツ!」など手描き作画と組み合わせて利用されることも多く、 これからもアニメーションにおけるCG技術の重要性は増していくものと思われます。さらにアニメに限らず、3Dプリンタの普及等によりCGは画面内だけのものではなくなっており、これからさらに生活の中に溶け込み、より身近なものとなっていくでしょう。
現在所属している小池研究室は直接CGを研究対象にしている訳ではありませんが、ヒューマン・コンピュータ・インタラクションや情報可視化といったテーマにおいて間接的に利用することは多々あり、CGの知識を生かせる環境にあります。そのため、今回学んだ知識をこれからの研究に役立てていければと考えております。