3月12日~14日、本学グローバルリーダー教育院に所属する学生や一橋大学、東京女子大学の学生などが主体となり、青森県立青森高校と宮城県立石巻高校の生徒を対象に2泊3日の合宿を行いました。
現状、高校生が大学受験の枠を越えて進路と向き合う機会は限られています。本活動の目的は、合宿中に行う研究室見学や座談会などを通して、世代間のボーダーを取り払い、高校生と大学生・大学院生が交流する場を作り、高校生が進路について一歩立ち止まって向き合う機会を作ることです。今回で2回目となる合宿では地方に焦点を当て、東北地方の2校、青森高校と石巻高校から生徒29名を招待しました。
1日目
研究紹介
本学の大学院生が主体となり、高校生に研究紹介を行いました。各自用意したプレゼン資料を用いて、高校生にもわかりやすく説明していました。普段耳にすることのない専門的な話に高校生も興味深く耳を傾けていました。
ワールドカフェ
ワールドカフェとは「カフェのようなリラックスした雰囲気で、気楽に、でも真剣味ある話をする場」のことです。テーマは「10年後に存在する職業」。高校生、大学生、大学院生、新卒社会人らが議論を交わしました。高校生も積極的に発言し、大学生があっと驚くアイデアがたくさんありました。
2日目
東工大大岡山キャンパス研究室見学
本学の大学院生が東工大大岡山キャンパスの研究室を案内しました。オープンキャンパスでもなかなか見ることができない研究室の内側です。高校生たちは興奮しながら目を丸くして研究室の中を見渡していました。
留学生と原宿を散策
本学の留学生が高校生と一緒に原宿を散策しました。散策では英語だけを使い留学生とミッションに取り組みます。ミッションクリアのため、高校生も積極的に英語を使っていました。地元で英語を使う機会は少ないこともあり、今回のミッションを通してツールとしての英語の重要性、そしてグローバルを体感するきっかけとなりました。
座談会
夕食後の講義室で、参加者全員が自由に話し合いました。2日間行動を共にしたことで仲が深まり、進路や受験に関する相談で会話は大きく弾み、終了予定時間を大幅にオーバーするほど盛り上がりました。
3日目
東工大すずかけ台キャンパス研究室見学
本学の大学院生が理工系志望の高校生を東工大すずかけ台キャンパスに招待し、研究紹介を行いました。広大な研究室や最新の機械など、世界最先端の研究に触れました。
一橋大学国立キャンパスツアー
文系志望の高校生は一橋大学国立キャンパスを見学しました。一橋大学大学院商学研究科の守島基博教授による模擬講義を体験しました。テーマは「大学で学ぶ意義について」。高校と大学の学びの違いなどの話に高校生は注意深く耳を傾け、緊張しつつも積極的に質問をしていました。
参加した高校生から「たくさんの大学院生と交流し、将来や進路を決めるきっかけになった。これからも人とのつながりを大切にしていきたい」「大学を見に行くつもりだったけど、多くの人たちと接する中でたくさんのことを考えた。視野が広がるってこういうことだと思った」「志望理由とか大学のこととかもっともっと知らなければならないと思った」などの感想がありました。3日間を通して、高校生たちは実際に大学を内側から眺め、普段会話することのない多くの人たちに出会いました。高校生たちにとって、大学受験の先にある自分の進路について考える貴重な3日間となりました。
2015年9月から本格的な取り組みが始まった今回の合宿について、リーダーを務めた本学グローバルリーダー教育院の博士後期課程1年(当時)の新井達之さんと林聖雷さんは「社会の厳しさや資金集めなどの困難に直面し、様々な経験を積むことができた。この合宿には100人を超える多くの方々にご協力頂き、人をつなぐ大切さを実感した」と感想を述べました。高校生、大学院生双方への影響のみならず、高校の先生方やボランティアで参加した社会人のみなさんにとっても新しい気づきがあり、視野が広がる機会となったことを期待しています。
また、本イベント開催にあたっては、東工大基金の日本再生プロジェクト「ものつくり人材のすそ野拡大支援」事業とロート製薬株式会社、その他個人の方々による支援をいただきました。