Quantcast
Channel: 更新情報 --- 東工大ニュース | 東京工業大学
Viewing all 4086 articles
Browse latest View live

ナノサイズの「異空間」をもつ新物質 反芳香族分子で構築された新しい分子ケージの開発に成功

$
0
0

要点

  • 反芳香族分子を基盤にした分子ナノケージの構築に成功
  • 反芳香族分子に囲まれた内部空間の性質を理論的に解明
  • 取り込ませた分子と反芳香族分子間の反遮蔽効果を実験的に証明

概要

東京工業大学 理学院 化学系の山科雅裕助教(当時・JSPS海外特別研究員)とJonathan R. Nitschke教授(英国 ケンブリッジ大学)らの研究グループは、取り扱いが困難な反芳香族分子[用語1]を基盤にしたナノサイズの分子ケージ(かご状分子)の構築に世界で初めて成功した。この分子ケージの内部空間は、壁面の性質を反映した特異な空間性質を有していた。さらに、他の分子を取り込ませることで、「反芳香族壁のナノ空間」との分子間相互作用が初めて実験的に証明された。本研究成果は、いまだ明らかではない反芳香族分子の性質解明や、未発見分子の探索のための重要な手段になることが期待される。

従来、内部空間を有する分子(ホスト分子)の大部分は、安定な芳香族分子を基本骨格にしており、極めて不安定な反芳香族分子を基盤にしたホスト分子や、その内部空間の性質は全く解明されてこなかった。本研究では、室温でも安定に取り扱いが可能な反芳香族分子であるノルコロールに着目し、これに化学修飾を施すことで、反芳香族分子で構成された分子ケージを世界で初めて合成した。理論計算から、分子ケージを構成する反芳香族分子の寄与によって、内部空間が強い反遮蔽空間になっていることが判明した。さらに、内部空間にゲスト分子を内包すると、内包された分子の核磁気共鳴(NMR)[用語2]シグナルが顕著に低磁場シフトしたことから、分子間での反遮蔽効果を実験的に証明することにも成功した。

これらの研究成果は、本学 化学生命科学研究所の田中裕也助教と、ケンブリッジ大学のRoy Lavendomme博士、Tanya K. Ronson博士、コペンハーゲン大学のMichael Pittelkow准教授らとの共同の成果で、英国の総合科学雑誌『Nature(ネイチャー)』に2019年10月23日(英国時間)に掲載された。

研究の背景とねらい

内部に空間を有する分子(ホスト分子)に取り込まれた(内包された)ゲスト分子は、内部空間を形成する「壁」の性質に応じた特異機能性(異常な反応性や物性など)を発現することが知られている。1990年代に、分子が自発的に集まる現象(自己集合)を活用したかご状の分子ケージが初めて報告されて以降[参考文献1]、多くの研究グループによって、様々な形状のかご状・カプセル状のホスト分子が開発されてきた。従来のホスト分子は、ベンゼンやアントラセンなどの芳香族分子を基盤にしているため、その内部空間は「芳香族壁のナノ空間」と定義できる(図1a)[参考文献2]。このナノ空間の最大の特徴は、壁面からの誘起磁場による遮蔽効果[用語3]により、ゲスト分子の核磁気共鳴(NMR)シグナルが内包前後で高磁場シフトすることである。一方で、芳香族分子と正反対の性質をもつ反芳香族分子で構築された「反芳香族壁のナノ空間」では、逆方向の誘起磁場により、正反対のNMR挙動(反遮蔽効果)を発現することが予想される。しかしながら、反芳香族分子が極めて不安定な分子であるため、反芳香族分子を基盤にしたホスト分子やナノ空間(図1b)の性質は、超分子化学の歴史を俯瞰しても、全く明らかにされていなかった。

図1. (a)代表的な芳香族分子の化学構造と、「芳香族壁のナノ空間」の概略図 (b)ノルコロール1の化学構造と、「反芳香族壁のナノ空間」の概略図
図1.
(a)代表的な芳香族分子の化学構造と、「芳香族壁のナノ空間」の概略図 (b)ノルコロール1の化学構造と、「反芳香族壁のナノ空間」の概略図

「反芳香族壁のナノ空間」を構築するにあたり、反芳香族分子であるノルコロール1(図1b)(2012年に名古屋大学の忍久保洋教授が報告)[参考文献3]に着目した。ノルコロールには(1)室温で安定、(2)強い反芳香族性、(3)化学修飾可能といった化学的特徴がある。今回、研究グループは、ノルコロールを化学修飾した分子を合成し、「動的共有結合の自己集合[用語4] [参考文献4]」の手法を活用することで、世界初となる、反芳香族分子で構築された分子ケージの構築を行うとともに、空間性質や分子間での反遮蔽効果など、これまで不明だった「反芳香族壁のナノ空間」の性質を解明することを目指した。

研究内容

反芳香族壁のナノ空間を有する分子ケージの構築

まず、「動的共有結合の自己集合」の手法を利用するために、ノルコロール骨格に2つのアニリン部位を導入した分子2を合成した(図2a左)。続いて、合成した分子2(6当量)とホルミルピリジン4(図2a左、12当量)、Feイオン(4当量)をアセトニトリル中に混ぜることで、ビスイミノピリジル配位子2’(図2a中央)の形成を介して、定量的にM4L6型の分子ケージ3を得ることに成功した(図2a右)。分子ケージ3の構造は、1H NMR(プロトン核磁気共鳴装置)およびESI-TOF MS(飛行時間型 質量分析装置)分析で確認した。また、最終的なケージ構造は、単結晶X線結晶構造解析により決定した(図2b)。その結果、分子ケージ3は予想通り、正四面体状構造を形成しており、直径約1ナノメートル、体積1,150 Å3という比較的大きな内部空間を有していることが判明した。

図2. (a)反芳香族壁のナノ空間を有する分子ケージ3の合成 (b)分子ケージ3のX線結晶構造解析結果。左:stickモデル(黄色は内部空間を示す)、右:CPKモデル
図2.
(a)反芳香族壁のナノ空間を有する分子ケージ3の合成 (b)分子ケージ3のX線結晶構造解析結果。左:stickモデル(黄色は内部空間を示す)、右:CPKモデル

反芳香族の壁に覆われた内部空間の性質解明

続いて、理論計算により、内部空間の反芳香族性を評価した。今回の研究では、遮蔽(芳香族性)と反遮蔽(反芳香族性)の性質を定量的に評価できるNICS計算を利用した。まず、分子ケージ3の断面を計算し、空間内の反芳香族性を評価した。その結果、モデル分子3’では分子近傍にのみ反遮蔽領域が存在するのに対し(図3a左)、分子ケージ3では空間全体に反遮蔽の寄与が広がっていることが判明した(図3a右)。これは、分子ケージを構成する6個の反芳香族分子が協同的に働いた結果であり、空間全体を計算した結果からも裏付けられる(図3b)。このことから、分子ケージ3の内部空間は「反遮蔽空間」であり、高い反遮蔽値が空間全体で維持されていることがわかった。

図3. (a)断面のNICS計算結果(赤色:反遮蔽領域、青色:遮蔽領域)。左:モデル分子3’、 右:分子ケージ3 (b)空間のNICS計算結果(黄<橙<赤の順で反芳香族性が強くなる)
図3.
(a)断面のNICS計算結果(赤色:反遮蔽領域、青色:遮蔽領域)。左:モデル分子3’、 右:分子ケージ3 (b)空間のNICS計算結果(黄<橙<赤の順で反芳香族性が強くなる)

分子間における反遮蔽効果の実験的証明

「反芳香族壁のナノ空間」がゲスト分子に及ぼす影響を明らかにするため、分子内包実験を行った。まず、多環芳香族分子であるコロネン5(図4a左)と分子ケージ3をアセトニトリル中で混合したところ、60%の収率で2分子のコロネン5が分子ケージ3に内包された(図4a右)。NMR測定では、内包されたコロネンのシグナルは17 ppmに出現し、通常の溶液状態と比較して低磁場方向に+8 ppmもシフトすることが判明した(図4c)。同様に、他の6種類の多環芳香族分子の内包にも成功し、いずれも内包後のNMRシグナルは低磁場領域に出現した(図4b)。最も強いシフトを示したのがカーボンナノベルト6[参考文献5](図4b左下)を取り込んだ場合であり、24 ppm(+15 ppmのシフト)に内包された分子のNMRシグナルが現れた(図4d)。前述の通り、従来の芳香族分子で構築された分子ケージ内では、ゲスト分子のNMRシグナルは高磁場方向にシフトする。したがってこの現象は、ゲスト分子が壁面から強い反遮蔽効果を受けた結果といえる。これにより、「反芳香族壁のナノ空間」が「芳香族壁のナノ空間」とは正反対の挙動を示すことを、実験的に証明することに成功した。

図4. (a)分子ケージ3へのコロネン5の内包 (b)内包可能なゲスト分子の構造 (c)コロネン5のNMRシグナル (d)カーボンナノベルト6のNMRシグナル
図4.
(a)分子ケージ3へのコロネン5の内包 (b)内包可能なゲスト分子の構造 (c)コロネン5のNMRシグナル (d)カーボンナノベルト6のNMRシグナル

今後の研究展開

本研究では、反芳香族分子と自己集合の手法を利用することで、これまで確認されたことのない「反芳香族壁のナノ空間」を有する分子ケージを構築し、その性質を明らかにすることに成功した。これらの成果は、新しいタイプの分子ケージのコンセプトを提案するだけではなく、反芳香族分子との相互作用など、未解明の部分が多い反芳香族分子の性質を解き明かす重要な手段の一つになることが期待される。今後は、特異反応や不安定分子の特異安定化を通じて、「反芳香族壁のナノ空間」内でのみ観測される未知の分子の発見や、新材料の開発を探求していく計画である。

用語説明

[用語1] 芳香族分子と反芳香族分子 : 二重結合と単結合が交互に繋がった環状分子。環の上を動き回る電子数が異なり、芳香族分子は4n+2個、反芳香族分子は4n個の電子を持つ。一般的に、芳香族分子は安定で扱いやすいが、反芳香族分子は不安定であり分解しやすい。このため、芳香族分子がすでに医薬品や光・電子材料などに応用されているのに対し、反芳香族分子は、現在でも多くの研究グループが性質解明に精力的に取り組んでいる。

[用語2] 核磁気共鳴(NMR) : 外部磁場の中で原子が特定のラジオ波を吸収・放出する現象。原子の置かれた化学的または磁気的環境で周波数が異なるため、その周波数を解析することで分子構造・分子間相互作用の情報を得ることができる。

[用語3] 遮蔽効果と反遮蔽効果 : 芳香族・反芳香族分子は、外部磁場によって一方向の誘起磁場を発生する。この誘起磁場の方向性は、芳香族分子と反芳香族分子で逆になる。分子に含まれる水素原子に、外部磁場と逆方向の誘起磁場が作用すると、そのNMRシグナルは高磁場(右側)に移動する。これを遮蔽効果という。一方、順方向の誘起磁場が作用して生じる逆の挙動を反遮蔽効果という。

[用語4] 動的共有結合の自己集合 : ピリジン部位を有するアルデヒドと、2つ以上のアミンを有する分子、6つの手を持つ金属イオンを混合すると、イミン結合と金属配位結合の形成が同時に進行する。このとき、金属イオンの結合方向が明確に規定されているため、特定のケージ構造が得られる(下図)。

動的共有結合の自己集合

参考文献

[1] Fujita, M., Oguro, D., Miyazawa, M., Oka, H., Yamaguchi, K. & Ogura, K. Nature 378, 469–471(1995).

[2] Yoshizawa, M. & Yamashina, Chem. Lett. 46, 163–171 (2017).

[3] Ito, T., Hayashi, Y., Shimizu, S., Shin, J.-Y., Kobayashi, N. & Shinokubo, H. Angew. Chem. Int. Ed. 51, 8542–8545 (2012).

[4] Zhang, D., Ronson, T. K. & Nitschke, J. R. Acc. Chem. Res. 51, 2423–2436 (2018).

[5] Povie, G., Segawa, Y., Nishihara, T., Miyauchi, Y. & Itami, K. Science 356, 172–175 (2017).

論文情報

掲載誌 :
Nature
論文タイトル :
An antiaromatic-walled nanospace(反芳香族壁に囲まれたナノ空間)
著者 :
Masahiro Yamashina, Yuya Tanaka, Roy Lavendomme, Tanya K. Ronson, Michael Pittelkow, Jonathan R. Nitschke
(山科雅裕、田中裕也、ロイ ラベンドム、ターニャ K. ロンソン、マイケル ピッテルコフ、ジョナサン R. 二チケ)
DOI :
<$mt:Include module="#G-03_理学院モジュール" blog_id=69 $>

お問い合わせ先

東京工業大学 理学院 化学系 助教

山科雅裕

E-mail : yamashina@chem.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2311

ケンブリッジ大学 化学科 教授

Jonathan R. Nitschke

E-mail : jrn34@cam.ac.uk
Tel : +44-0-1223-33632

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661


岡田健一教授が第18回ドコモ・モバイル・サイエンス賞を受賞

$
0
0

工学院 電気電子系の岡田健一教授が、第18回ドコモ・モバイル・サイエンス賞 先端技術部門を受賞しました。ドコモ・モバイル・サイエンス賞は、NPO法人モバイル・コミュニケーション・ファンドが2002年に創設した賞で、情報通信技術および移動通信技術の発展と、次代を切り開く意欲的な若手研究者の育成に寄与することを目的に、優れた業績を挙げた研究者に対し与えられます。授賞式は、10月18日にANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)にて行われました。

授賞式の様子(前列右から3人目が岡田教授)

授賞式の様子(前列右から3人目が岡田教授)

受賞テーマ

CMOS集積回路による超高速ミリ波無線機の研究開発

受賞理由

岡田教授は、従来CMOS回路の無線機の未踏領域であったミリ波帯において、世界初のダイレクトコンバージョン方式により16 QAMの無線通信を実現した後、64 QAMによる50 Gbpsへと高速化を実現させました。さらに70-105GHz帯において世界最高伝送速度となる120 Gbpsを達成しました。

モバイル端末等の急速な普及により、無線通信は現代社会を支える根幹技術の一つとなっています。岡田教授の研究業績は、高周波数帯を用いた無線機における、超高速伝送のみならず、小型化・低消費電力化にも大きく寄与し、5G無線技術の実現ならびにBeyond 5Gへの貢献が期待されます。

今回の受賞を受けて、岡田教授は以下のようにコメントしています。

岡田健一教授
岡田健一教授

ミリ波による無線通信は、今後の社会インフラを支えるために必要不可欠な技術として期待されています。本賞で評価して頂いた研究成果はそのようなミリ波無線機による超高速無線通信をスマートフォン等で利用可能とするための技術です。現在、共同研究企業と実用化への研究開発に邁進しております。また、本賞で評価して頂いた成果は独力では成し得なかったものです。共同研究者の皆様や学生の皆様に大変感謝しています。

<$mt:Include module="#G-05_工学院モジュール" blog_id=69 $>

お問い合わせ先

岡田健一

E-mail : okada@ee.e.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-2258

東工大ボート部 韓国・大邱の国際大学ボート大会で3位入賞

$
0
0

東京工業大学 端艇部(ボート部)が、8月21日から25日、韓国・大邱の大邱慶北科学技術院(DGIST)で開催された「大邱慶北科学技術院 国際大学ボート大会」(DGIST World-class University Rowing Festival)に出場し、男子舵手付きフォアが3位に入賞しました。蔚山科学技術大学校(UNIST)と合同で結成した男女混合エイトのチームは惜しくも4位でした。

この大会は、東工大および韓国の大邱慶北科学技術院(DGIST)、浦項工科大学校(POSTECH)、蔚山科学技術大学校(UNIST)、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH-Zürich)、香港科技大学(HKUST)と、5か国・地域の7大学から約100人の学生が参加しました。ボートレースだけでなく、文化交流の行事も行われ、世界トップレベルの理工系大学の選手と交流ができました。

後列左から:小木曽さん、森永さん、藤原さん、野瀬さん、前列左から:槇さん、石川さん、佐貫さん、内田さん、猿渡さん

後列左から:小木曽さん、森永さん、藤原さん、野瀬さん、前列左から:槇さん、石川さん、佐貫さん、内田さん、猿渡さん

ボート大会は大邱を流れる韓国最長の川、洛東江で行われました。

舵手付きフォアは、漕ぎ手が4人となったエイトともいえる競技で、舵手(コックス)1人と合わせ計5人で構成されます。

男女混合エイトは、男女4人ずつ計8人の漕ぎ手と舵手の計9人で構成されます。

出場選手

男子舵手付きフォア

槇望さん(情報理工学院 数理・計算科学系 学士課程3年)

石川隼さん(工学院 システム制御系 学士課程2年)

佐貫海斗さん(工学院 電気電子系 学士課程2年)

内田優斗さん(物質理工学院 応用化学系 学士課程2年)

猿渡悠生さん(物質理工学院 応用化学系 学士課程2年)

男女混合エイト

小木曽喬皓さん(環境・社会理工学院 融合理工系 学士課程3年)

森永健太郎さん(工学院 経営工学系 学士課程2年)

藤原優也さん(物質理工学院 材料系 学士課程2年)

野瀬保憲さん(工学院 経営工学系 学士課程2年)

男女混合エイトと舵手付きフォアに舵手として乗った槇さんのコメント

異国の地でスポーツ大会に参加することができ非常に良い経験になりました。特に、韓国の学生と合同の男女混合のエイトに乗り、日本語が伝わらない中でコミュニケーションをとる事は難しい部分もありましたが、英語を駆使して言語の壁を乗り越え、良い雰囲気づくりができ良かったです。普段の練習でも、この雰囲気づくりを忘れずに頑張りたいと思います。

また、海外の選手は院生が多く専門的な知識についても話されていたため、自分も英語で自分の研究分野であるコンピュータサイエンスも英語で語れるほどの力を付けていきたいと思いました。

東工大基金

端艇部の活動は東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

東京工業大学 端艇部

E-mail : titboat@green.ocn.ne.jp

Tel : 048-442-5581

東工大ヨット部の河合亜美さんと津田南美さんが関東学生女子ヨット選手権大会で入賞

$
0
0

9月14、15日に神奈川県三浦郡葉山町森戸海岸沖で開催された第86回関東学生女子ヨット秋季選手権大会(以下、秋インカレ)に東工大ヨット部が出場し、スナイプ級で河合亜美さん(工学院 経営工学系 学士課程4年)と津田南美さん(生命理工学院 生命理工学系 学士課程4年)のペアが総合6位で入賞しました。 秋インカレは、スナイプ級と470級の2種目で総合成績を競い合う団体戦です。東工大ヨット部女子はスナイプ級に2艇、470級に1艇が出場し、大学別の総合成績では8位をおさめました。

ヨットレースは、ディンギーと呼ばれる2人乗りのエンジンのないヨットに乗り、風や潮といった気まぐれな流体の中をどう早く進むか、高度な戦略と戦術が要求される頭脳スポーツです。470級とは艇体の全長が4.7 mであることに由来して命名された、2人乗りで帆が3枚のレーシング・ディンギーを用いて戦われるレースです。オリンピックのセーリング種目にも採用されており、乗員の適正体重は2人の合計で130 kg前後と小柄な日本人の体格に適していることから、国内で最も盛んに行われています。スナイプ級とは、鳥のシギを指す英語名からその名が取られた、2人乗りで帆が2枚のレーシング・ディンギーを用いて戦われるレースです。安定感のある艇体とシンプルな構造が特徴であり、国内外を問わず幅広い年齢層から親しまれているクラスです。

河合(後)・津田(前)ペア

河合(後)・津田(前)ペア

河合・津田ペアのコメント

研究室との両立で忙しい中、少ない練習時間で成果を出せるよう、話し合いを重ねました。レース2日間は私たちが得意とする風と波のコンディションで、安定したリザルトを取り続け、4年間の集大成となる大会で入賞という結果を残すことができました。ヨットで磨いた粘り強さを、今後の研究活動にも活かしていきます。

東工大ヨット部とは

部活動としても歴史が古く、一般社団法人くらまえ潮会という会員数400名を誇るヨット部OB/OG会が、「一人前のセーラーを育てることは、すなわち一人前の社会人を育てること」をモットーに、現役部員の活動を全面的に支援しています。今回の大会への出場も、OB/OG会の支援を受けています。

東工大基金

ヨット部の活動は東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

東京工業大学ヨット部

E-mail : titech.sailingteam@gmail.com

11月の学内イベント情報

$
0
0

11月に本学が開催する、一般の方が参加可能な公開講座、シンポジウムなどをご案内いたします。

A Drop of Science展

A Drop of Science展

東工大教授陣が科学の道を志したきっかけとなるエピソードを集めた展覧会。

東工大卒業生はもちろん、一般の方も感慨深く愉しんでいただける企画展です。

日時
2019年10月12日(土) - 11月1日(金)
会場

社会人アカデミー2019年度講演会「人間・数理・情報」

社会人アカデミー2019年度講演会「人間・数理・情報」

時代はSociety5.0、でも実はよく知らない?「人間・数理・情報」のいま。

東京工業大学が誇る、気鋭の若手研究者に素朴なギモンをぶつけてみました。

日時
  • 第1回 11月2日(土) 13:30 - 15:30 西田亮介
    「日本の政治、デジタル・メディア時代についていけますか?―情報と政治の社会学」

  • 第2回 11月2日(土) 16:30 - 18:30 葭田貴子
    「サイボーグになりたいんですけど、なれますか?―人間と機械の融合の脳科学」

  • 第3回 11月16日(土) 14:00 - 16:00 山田拓司
    「腸内細菌ってなんだ??―ヒト腸内メタゲノム解析が広げる医療」

  • 第4回 11月16日(土) 17:00 - 19:00 鈴木咲衣
    「結び目ってなんですか?―「結び目の数学」の魅力」

会場
東京工業大学 田町キャンパス キャンパスイノベーションセンター(CIC)
参加費
  • 一般 : 2,000円
  • 社会人アカデミー受講生・修了生 : 1,500円
  • ※ 学生(中学生以上) : 500円
  • ※ 蔵前工業会会員(蔵前カード家族会員含む)、本学教職員・学生(附属高校含む)、小学生 : 無料(席数に限りあり)
該当する身分証(生徒手帳/学生証/教職員証/蔵前カード)が必要。

2019年度東京工業大学 健康・衛生週間特別講演会「ストレスとの付き合い方」

2019年度東京工業大学 健康・衛生週間特別講演会「ストレスとの付き合い方」

誰もがストレスを抱えている現代ですが、ストレスに押しつぶされるなんてつまらない!

ストレスとうまく付き合って、心を健康に保ち、気持ちを前向きにするヒントをカウンセラーと精神科医の3人の先生方に対談形式で楽しく教えていただきます。

日時
2019年11月6日(水) 17:30 - 19:00
会場
申込
不要

AESセンター第12回シンポジウム

AESセンター第12回シンポジウム

AESは、研究成果を社会実装することによる脱炭素化イノベーションの創造を推進し、2019年度末に満10年を迎えます。この間に得られた成果を振り返りつつ、2050年に向けた脱炭素化の実現方策について産官学から意見を伺います。これらを通じて、地域創生と脱炭素化を加速するための社会実装をどのようにして創るか、また産官学が連携することの強みと課題について議論を深めます。

日時
2019年11月7日(木) 13:30 - (13:00 開場/17:15 終了予定)
会場
東京工業大学 蔵前会館outer くらまえホール
申込
必要

理工系学生能力発見・開発プロジェクト第14回シンポジウム「デザインなんて知らない~僕らの考えるモノの価値」

理工系学生能力発見・開発プロジェクト第14回シンポジウム

現役の人気デザイナーと現役の人気ショップオーナーが面白グッズを手に語る2時間。

東京工業大学の学生の中には、機能と価格のみに価値を置く人も多いと思われます。しかし、プロのデザイナーが作り出す製品の価値は、それだけではありません。それは何なのか。それはどうすれば作り出せるのか。

モノが溢れる現代にゼロからモノを生み出し続けているアイドントノウ様と、機能と価格だけじゃない価値を持つユニークな商品を取り扱う人気店アシストオン様に価値についてお話していただきます。

日時
2019年11月12日(火)18:00 - 20:00(開場 17:30)
会場
申込
必要

東工大未来社会DESIGN機構が「サイエンスアゴラ2019」にセッションを出展

理東工大未来社会DESIGN機構が「サイエンスアゴラ2019」にセッションを出展

2019年11月16日(土)にサイエンスアゴラ2019outerにDLabのセッションを出展し、「こんな未来社会ってどう思う?」のワークショップを開催します。

セッションの最初に、これまでDLabのワークショップ等で出たアイデアをもとに作成した未来のシナリオを2つほどご紹介します。

参加者の皆さんは少人数のグループに分かれて、その未来のシナリオへの意見や、まったく別の「こんな未来社会はどうだろう?」や「こんな科学技術があったら、世の中こう変わるんじゃない?!」「そのために自分たちができることは何だろう?」といった提案を考えていただきます。

その提案をグループごとに発表するとともに、ほかのグループの発表を聞いて、気に入った提案に投票してください。

一番たくさんの票を集めたグループの皆さんにプレゼントを差し上げます。(DLabからの特別賞もあるかも?!)

賞をもらえなかったとしても大丈夫です!参加者全員へのプレゼントもあります。

皆さんの未来がより豊かで幸せなものとなるよう、意見を聞かせてください。

ご参加をお待ちしています!

日時
2019年11月16日(土) 10:15 受付開始予定
会場
お台場 テレコムセンタービル 5階(ゆりかもめ「テレコムセンター」駅直結)
申込
必要

リベラルアーツ研究教育院「『あの出来事』を語る-新国立劇場上演作品をめぐるトーク-」

リベラルアーツ研究教育院「『あの出来事』を語る-新国立劇場上演作品をめぐるトーク-」

11月13日から26日まで、新国立劇場で『あの出来事』という作品が上演されます。2011年に起きたノルウェーのウトヤ島での銃乱射事件をもとにして、スコットランドの劇作家デイヴィッド・グレッグが、恐ろしい無差別大量殺人とその余波を描いたフィクションです。本作の主人公は、あやうく殺されるところを免れた後、想像もつかない事件を引き起こした犯人の内面を想像しようと努めます。彼は悪魔なのか?人間なのか?劇中に明確な答えは出てきません。今夏、日本でも京都で痛ましい事件があったばかりです。この劇の翻訳者である本学の谷岡健彦教授と、演出を担当した瀬戸山美咲さんをお迎えして、作品の内容を深く堀り下げます。

日時
2019年11月20日(水)18:00 - 20:00(開場 17:30)
会場
申込
不要(先着順)

東工大グローバル水素エネルギー研究ユニット 第5回公開シンポジウム

東工大グローバル水素エネルギー研究ユニット 第5回公開シンポジウム

将来の水素利用体系に関する総合的かつ技術的な検討を推進する「東工大グローバル水素エネルギー研究ユニット(GHEU)」は、国内外の水素利用技術の現状と将来展望を共有するため、年1回の公開シンポジウムを開催しています。

今回は、「脱炭素に向けた水素導入の社会ビジョン」をメインテーマに、三菱総合研究所理事長の小宮山宏先生をお迎えし、脱炭素に向けた社会ビジョンについて幅広い観点から語っていただくとともに、水素エネルギー導入についての期待についても触れていただきます。

また、例年通り、経済産業省新エネルギーシステム課からは、日本の水素エネルギー戦略と展望について、最新情報をご提示いただきます。

パネル討論では、水素導入の強いフラグシップであるオリパラの後の水素導入のさらなる拡大に向けた取り組みについて、パネリストや参加者からの提案をもとに総合的に意見交換を行います。

東工大では、新しいエネルギー社会構築に関する研究/教育コンソーシアムを設立します。

その概要と関連研究の紹介を行い、ご参加の皆様方からご意見をいただきたいと考えています。

日時
2019年11月21日(木)(シンポジウム 13:30 意見交換会 17:40)
会場
シンポジウム : 東京工業大学 蔵前会館outer 1階 くらまえホール
意見交換会 : 東京工業大学 蔵前会館outer 1階 ロイアルブルーホール
参加費
無料(意見交換会は3,000円、当日払い)
申込
必要

第4回東京工業大学COIシンポジウム

東工大グローバル水素エネルギー研究ユニット 第5回公開シンポジウム

地球の声“サイレントボイス”を「感じて、伝えて、行動する」

IoT/AI技術の応用展開に関する講演が4件とCOI参加企業のポスター展示を行います。

教職員の方から学生さんまで広く興味持って頂ける内容です。

日時
2019年11月25日(月)13:00 - 17:00(開場12:30)
会場
申込
必要

AHeDD2019/IPAB2019 Joint Symposium 「IT創薬を加速するAI・シミュレーション技術の新潮流」

東工大グローバル水素エネルギー研究ユニット 第5回公開シンポジウム

IT創薬やバイオインフォマティクス、ハイパフォーマンスコンピューティングなどの分野で活躍するアジア各国の研究者らによるコミュニティ「Asia Hub for e-Drug Discovery (AHeDD)」の第10回目となるシンポジウムが開催されます。このシンポジウムは、特定非営利活動法人 並列生物情報処理イニシアティブ(IPAB)の設立20周年を記念したシンポジウムとの共催となります。

この「AHeDD2019/IPAB2019合同シンポジウム」では、同分野に関わる研究者や学生が参加し、最先端の議論が交わされるほか、ペプチドリーム株式会社 副社長 舛屋圭一氏と神戸大学 教授・AMED BINDSプロジェクトプログラムオフィサー田中成典氏による基調講演、AMED BINDSプロジェクト参画研究者らによる創薬支援プロジェクト講演などが実施されます。

近年急速に最先端研究拠点や民間企業の集積が進む「川崎市殿町国際戦略拠点 キング スカイフロント」において開催される本シンポジウムに、ぜひご参加ください。

日時
2019年11月27日(水) - 29日(金)
会場
殿町国際戦略拠点 キング スカイフロント地区(神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目)
LiSE 川崎生命科学・環境研究センター
ペプチドリーム株式会社
参加費
一般 35,000円、学生 15,000円
申込
必要

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-2975

「日中韓大学間交流・連携推進会議」委員が東京工業大学を訪問

$
0
0

9月5日、「日中韓大学間交流・連携推進会議」の委員が、本学を訪問しました。同会議は、2009年の日中韓サミットでの合意に基づく質の保証を伴った大学間交流推進の一環として、日本、中国、韓国の政府、大学、質保証機関、産業界等から成る有識者会議です。

東京工業大学では、日中韓の大学間交流構想(CAMPUS Asia: Collective Action for Mobility Program of University Students in Asia)の一つとして、2011年度以降、大学の世界展開力強化事業に採択された学生交流プログラムである「日中韓先進科学技術大学教育環」(第一期)、2016年度からは「日中韓先進科学技術大学教育環高度化プロブラム」(第二期)を、東京工業大学、清華大学、韓国科学技術院(KAIST)との間で実施してきました。

会場の様子
会場の様子

サマースクール参加学生によるプレゼンテーション
サマースクール参加学生によるプレゼンテーション

今回の訪問は、第7回日中韓大学間交流・連携推進会議の東京開催に併せ、日中韓の大学間交流構想の一つである本学の活動を視察したものです。

水本哲弥理事・副学長の挨拶に続いて、構想責任者の原正彦教授から取組みの概要説明を行った後、同プログラムのサマースクールに参加していた清華大学、KAISTの学生、及び清華大学、KAISTへ留学経験のある東京工業大学の学生によるプレゼンテーションが行われました。その後のポスターセッションでは、委員が各参加学生のポスターを訪れ、学生の留学体験や学んだこと、自身の経験を元にしたプログラムへの意見や改善点を聞き、意見交換を行いました。

ポスターセッション後は、地球生命研究所(Earth-Life Science Institute; ELSI)outerの見学が行われました。廣瀬敬所長から施設概要の説明を受けた後、実験室の見学をし、各種装置を間近に見るなど、本学における最先端の研究活動の一端を体感する機会となりました。

ポスターセッション
ポスターセッション

地球生命研究所(ELSI)見学
地球生命研究所(ELSI)見学

お問い合わせ先

留学生交流課 キャンパス・アジア事務局

E-mail : campusasia@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2984

東工大初!一橋大学生が本学のグローバルリーダー教育課程を修了

$
0
0

2019年9月、一橋大学の渡邊真由さんが晴れて本学のグローバルリーダー教育課程(AGL)を修了しました。AGLは一橋大学と連携して広く産学官政会を牽引し社会に新しい価値を創造できる人材の養成を目指した学位プログラム型の教育を実施しています。これまで一橋大学の学生も数多く科目を履修し本学学生と切磋琢磨してきましたが、所定の単位をすべて修得し修了審査に合格した上で博士の学位を取得してAGLを修了した一橋大学生は、渡邊さんが第一号となります。

左から中村AGLプログラム主査、布井教授(一橋大学)、渡邊さん、益学長、佐藤理事・副学長、山田特任教授

左から中村AGLプログラム主査、布井教授(一橋大学)、渡邊さん、益学長、佐藤理事・副学長、山田特任教授

10月15日、学長室に於いてAGL修了証授与式が執り行われました。授与式には益一哉学長のほか、佐藤勲理事・副学長(企画担当)、AGLプログラム主査である中村聡副学長(国際広報担当)、リーダーシップ教育院の山田圭介特任教授(元AGL特任教授)、一橋大学大学院法学研究科の布井千博教授が出席しました。はじめに益学長より、東京工業大学、一橋大学の両学長名が入ったAGL修了証が授与され、「一橋大学の学生がAGLを修了するのは初めてのことで、大変すばらしいと思います。一橋大学の博士課程も修了されて在学中は大変だったかと思いますが、東工大のプログラムも修了できたことを誇りに思って、これからの活動に励んでください」との祝辞が述べられました。続いて佐藤理事・副学長(企画担当)より「東工大と一橋大の連携プログラムでありますAGLにおいて、一橋大学の修了生を輩出できたことを非常に嬉しく思っています。これからも頑張って世の中を変えていってください」との励ましと期待が寄せられました。式後には渡邊さんを囲んでの歓談の時間が設けられ、出席者一同で和やかな雰囲気の中、渡邊さんの新たな門出を祝いました。

益学長より修了証授与

益学長より修了証授与

渡邊さんを囲んでの歓談

渡邊さんを囲んでの歓談

渡邊さんがAGLの第3期生として参加したのは2013年の秋。社会人生活を経てから一橋大学大学院国際企業戦略研究科の博士課程に進学した渡邊さんは、社会人経験で培った教養と幅広い視野や身に付けつつある専門的知識をもって本学学生たちと良い刺激を与え合ってきました。政策・ビジネス・科学技術の「三位一体」の連携が鍵を握るこれからの時代に、文理・分野の壁を越え「共鳴」しあうことで時代を拓くリーダーを育てようとするAGLの教育理念を体現しました。

渡邊さんはAGLでスタンフォ―ド大学研修やハーバード大学研修に参加するなど、多くの出会いに恵まれ、多様なリーダー哲学を学びながら研究の成果を社会へ還元することについて意識を高めてきました。今後、ICT技術を活⽤して紛争を予防、管理、解決するための仕組みであるODR(Online Dispute Resolution、オンライン紛争解決)の領域でTechとDesign(科学技術とデザイン)の発想を取りこみながらリーダーシップを発揮してくれることと期待しています。

お問い合わせ先

グローバルリーダー教育課程事務室

E-mail : agl.jim@agl.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-3116

研究者・留学生向け英文メールニュース 「Tokyo Tech Bulletin No. 58」を配信

$
0
0

Tokyo Tech Bulletin(トーキョー テック ブリテン)」は、東京工業大学の研究成果やニュース記事、学生の活動などを紹介し国内外へ広く配信する英文メールニュースです。

この度、Tokyo Tech Bulletin No. 58が発行されました。

メールでの配信をご希望の方は申込フォームからご登録ください。

SPECIAL TOPICS

Industry and academia - The different paths of two researchers. Both seeking to create the next generation of batteries

Industry and academia - The different paths of two researchers
Both seeking to create the next generation of batteries

A story of two Tokyo Tech graduates from Ryoji Kanno's world-leading laboratory on battery research, both working to bring forth the next-generation of batteries, but through different career paths

Discovery of periodic tables for molecules

Discovery of periodic tables for molecules

Scientists at Tokyo Tech develop tables similar to the periodic table of elements but for molecules. Their approach could be used for predicting novel stable substances and creating useful materials.

Research

Creating a nanospace like no other

Creating a nanospace like no other

Researchers at Tokyo Tech, the University of Cambridge, and the University of Copenhagen have built a self-assembled nanocage with a very unusual nanospace: Its walls are made of antiaromatic molecules, which are generally considered too unstable to work with. The study creates an entirely new nanospace for scientists to explore.

Histone modifications are the influencers of zygotic genome awakening

Histone modifications are the influencers of zygotic genome awakening

Scientists at Tokyo Tech observed changes to the gene-regulating factors during zebrafish development and discovered that modifications to "histone H3", one of the proteins around which DNA is bound, play an important role in "zygotic genome activation" or transition of control of zebrafish embryonic development from maternal material to the zygote.

Deep-Earth mineral named in honor of ELSI Director Kei Hirose

Deep-Earth mineral named in honor of ELSI Director Kei Hiroseouter

ELSI director Kei Hirose has been honored for his pioneering work in identifying and describing components of the Earth's lower mantle. In recognition of his work, a newly identified lower mantle mineral has been given the name of hiroseite. (Nerissa Escanlar)

Scientists develop DNA microcapsules with built-in ion channels

Scientists develop DNA microcapsules with built-in ion channels

A Research group led by Tokyo Tech reports a way of constructing DNA-based microcapsules that hold great promise for the development of new functional materials and devices.Their study will accelerate advances in artificial cell engineering and molecular robotics, as well as nanotechnology itself.

Measuring changes in magnetic order to find ways to transcend conventional electronics

Measuring changes in magnetic order to find ways to transcend conventional electronics

Researchers from Tokyo Tech have developed an approach for precisely measuring changes in the magnetic order of antiferromagnetic materials in real time. Further understanding of these materials could enable electronic devices with speeds orders of magnitude higher.

A new timeline of Earth's cataclysmic past

A new timeline of Earth's cataclysmic pastouter

The joint press release was issued by University of Colorado Boulder in collaboration with ELSI.

Can't get thinner than this: synthesis of atomically flat boron sheets

Can't get thinner than this: synthesis of atomically flat boron sheets

Scientists at Tokyo Tech find a simple method for producing atomically thin layers of oxidized borophene, a promising 2D boron-based nanomaterial that could serve in a variety of fields.

Wet-dry cycling as means of controlling the prebiotic chemistry

Wet-dry cycling as means of controlling the prebiotic chemistryouter

The research described here employs the process of gelation in hyperbranched polymer as a model for tar formation in prebiotic reaction. By subjecting hyperbranched polyesters forming reactions to wet-dry cycles, the onset of gelation was delayed. The finding suggests that wet-dry cycling systems, associated with tidal or geyser activity, could impose rudimentary control over prebiotic chemistry, guiding the products toward selection and function rather than deterioration to tar.

Possible early life on Mars through an impact-generated hydrogen atmosphere?

Possible early life on Mars through an impact-generated hydrogen atmosphere?outer

Humanity has always been curious about whether life exists or has ever existed on Mars. Here the authors study whether such a long-lived H2 atmosphere could have also existed on the surface of Mars.

In the spotlight

Tokyo Tech Bulletinは英語で配信を行っていますが、コンテンツは一部を除いてすべて日英両方で掲載しています。

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : publication@jim.titech.ac.jp


東工大基金に「学生交流支援基金」を創設 Taki Plazaを中心とした学生の国際交流を応援します

$
0
0

東京工業大学には、広く社会の皆さまから寄附をしていただく受け皿として「東京工業大学基金」があります。この基金は学生の奨学金、海外派遣、留学生受け入れなど多くの分野で使われ、東工大の教育と研究を支えています。このたび、東工大基金のメニューに新たに「学生交流支援基金」が加わりました。大岡山キャンパスで建設が進む国際交流施設Hisao and Hiroko Taki Plaza(ヒサオ・アンド・ヒロコ・タキ・プラザ、以下Taki Plaza)は、学生が中心になってさまざまな交流活動に取り組み、東工大の新たなランドマークとなります。学生交流支援基金はTaki Plazaで活動する学生間の国際交流を応援するための基金です。より一層のご支援をお願いします。

Taki Plazaの内観イメージ(提供:隈研吾建築都市設計事務所)

Taki Plazaの内観イメージ(提供:隈研吾建築都市設計事務所)

東工大への寄附金は個人の場合、寄附金控除の対象となり、税制上の優遇措置を受けることができます。法人の場合、全額損金算入となります。

寄附金の金額に応じて、寄附していただいた方のお名前やメッセージを刻印したプレートをTaki Plazaに設置し、大学としての感謝を次の世代に伝えます。

Taki Plazaは学生の国際交流の場に

2020年秋、大岡山キャンパスの風景が大きく変わります。

正門入り口付近に地上2階、地下2階の最新の建物、Taki Plazaが誕生します。本学の卒業生である滝久雄氏から多額のご寄附をいただき、学生向け国際交流施設の新設に至りました。

「外国人学生と日本人学生がここで出会い、絆を深め、共にまだ見ぬ未来を生み出そう」が建物のコンセプトです。本学が目指す“Student-centered learning”(学生本位の学び)の拠点となる重要な施設であり、教育改革により新たに芽生えた東工大生の“志”を育て、花開かせる場となります。

この“Student-centered learning”を実現し、発展させるためには、学習・交流の「場」の創設のみならず、その場で行われる「活動」「交流」が重要となります。その活動を支え、学生間の交流のさらなる推進を支援するため、「学生交流支援基金」を創設しました。

学生交流支援基金の使い道は

Taki Plazaでは、学生が自ら企画する留学生との交流イベント、学生が世界に目を向けるための留学フェア、日本人学生と留学生が互いの言語で教え合う相互学習、学生が窓口応対や館内案内を行うStudent Ambassador(スチューデント・アンバサダー)育成といった学生が主役となる事業が計画されています。学生交流支援基金は、こうした学生の活動を支援するだけでなく、大学全体の学生交流活動の活性化のためにも使われます。

学生交流支援基金による支援事業の主なものは以下のとおりです。

  • Taki Plazaを運営する学生の支援
  • 学生同士の学び合いを活発化するための環境整備
  • 大学全体の学生交流活動を活性化するための環境整備

東工大基金

この事業は東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

総務部 広報・社会連携課 基金室

E-mail : bokin@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2415

第4回東京工業大学COIシンポジウム 地球の声“サイレントボイス”を「感じて、伝えて、行動する」

$
0
0

地球の声“サイレントボイス”を「感じて、伝えて、行動する」

IoT/AI技術の応用展開に関する講演が4件とCOI参加企業のポスター展示がございます。

教職員の方から学生さんまで広く興味持って頂ける内容ですので、参加登録のほどお願い致します。

日時
2019年11月25日(月)13:00 - 17:00(開場12:30)
場所
参加費
無料
参加の申し込み
参加申込みフォームouterよりお申し込みください。

第4回東京工業大学COIシンポジウム

関連情報

お問い合わせ先

東京工業大学 地球インクルーシブセンシング研究機構

E-mail : coi.info@coi.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3562

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

生命理工学院 第7回生命理工オープンイノベーションハブ(LiHub)フォーラム ―メゾスケール分子と創薬― のご案内

$
0
0

国立大学法人東京工業大学生命理工学院は、生命科学と生命工学を広くカバーする国内最多の75研究室を擁する学術組織です。「生命理工オープンイノベーションハブ(LiHub)」は、各学術分野の最先端と社会・産業とを橋渡しする協創の場であり、社会還元を想定した分野テーマごとに、現在、複数の研究室が集結した11研究グループから構成されています。LiHubフォーラムは、LiHubの活動の一つとして、各研究グループが目指す産学連携のビジョンを企業の皆様と共有すると共に、企業や社会の皆様からそのビジョンに対する率直なご意見をフィードバックして頂く協創のファーストステップと考えています。

第7回LiHiubフォーラムでは、メゾスケール分子が関わる生命現象の理解から創薬への利用を目指す「メゾスケール分子創薬グループ」が中心となり、産学連携の最先端研究に携わる講師による医学、工学、生命科学応用へ向けた話題提供を通して、産官学のさらなる協力を促進する契機にしたいと考えています。

講演後は、ご参加の皆様とメゾスケール分子創薬グループを含む各LiHub研究グループの教員とが、自由に意見交換や研究相談などできる交流会を開催します。奮ってご参加ください。

概要

日時
2019年11月21日(木) 13:00 - 18:30(12:30 受付開始)
場所
大岡山キャンパス 大岡山西9号館 ディジタル多目的ホール
参加費
無料(講演会後の交流会ご参加の場合のみ参加費 2,000 円)
参加申込
参加申込フォームouterからお申込みください。
第7回 生命理工オープンイノベーションハブ(LiHub)フォーラム ―メゾスケール分子と創薬― ポスター
<$mt:Include module="#G-11_生命理工学院モジュール" blog_id=69 $>

お問い合わせ先

生命理工オープンイノベーションハブ(LiHub)事務局

E-mail : lihubforum@bio.titech.ac.jp

Tel : 045-924-5942

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

硬式庭球部が関東理工科大学硬式庭球連盟リーグ戦 3部で優勝 2部に昇格

$
0
0

東工大硬式庭球部が10月6日から27日まで行われた関東理工科大学硬式庭球連盟リーグ戦の3部で優勝し、入れ替え戦にも勝利して2部に昇格しました。

関東理工科大学硬式庭球連盟に所属する大学が一同に会する大会でリーグ戦形式で行われます。対戦はダブルス3本シングルス6本計9本の勝敗で決まります。男子は連盟所属の計51校が1~13部に分かれています。1~12部まで各4校リーグ、13部は3校リーグです。

硬式庭球部が関東理工科大学硬式庭球連盟リーグ戦 3部で優勝 2部に昇格

リーグ戦の日程と結果

  • 10月6日第1戦 対神奈川工科大学 8-1で勝利
  • 10月13日第2戦 対北里大学 7-2で勝利
  • 10月27日2部入れ替え戦 対東京都市大学 9-0で勝利

初戦を8-1で勝利して勢いに乗り、第2戦も7-2で勝利し3部優勝を果たしました。

2部最下位校との入れ替え戦は9-0で1試合も負けることなく勝利し、2部昇格を果たしました。

主将の漆原惇さん(理学院 地球惑星科学系 学士課程3年)のコメント

この度、関東理工科大学硬式庭球連盟リーグ戦にて3部優勝、そして2部昇格を達成することができました。

先月4年生が引退した後初の公式戦でこのような結果を残すことができ、日頃からご支援下さっているOB・OGの皆様や保護者の方々にとても感謝しています。昨年は3部残留という結果で悔しい思いをしていたので今年昇格したことはとても嬉しく思います。

部員一同、文武両道の精神を持ち、これからも日々、部活と勉強に励んでいこうと思います。

硬式庭球部について

東工大硬式庭球部は100年の歴史と伝統を持つ体育系公認サークルです。

関東学生テニス連盟と関東理工科大学硬式庭球連盟に所属しており、現在男子は関東大学テニスリーグ全7部中6部、理工系リーグ全13部中2部に、女子は関東大学テニスリーグ全5部中5部、理工系リーグ全11部中5部にそれぞれ所属しています。男子は関東大学テニスリーグ5部昇格、女子は理工系リーグ4部昇格を目標に日々、心身の鍛錬に励んでいます。

高校生の体験練習も行っております。

東工大基金

硬式庭球部の活動は東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

2019年「教養卒論発表会」開催報告

$
0
0

7月15日、東京工業大学大岡山キャンパスのディジタル多目的ホールで、2019年の教養卒論発表会が行われました。発表した学生は11名で、いずれも学士課程3年目だった前年の2018年に教養卒論を書きあげ、優れた論文と評価されました。これから2019年の教養卒論に取り組む後輩のために自分たちの経験を伝えました。

「教養卒論」とは、学士課程3年目の秋に履修する必修2単位の文系教養科目です。学生はその授業の中で、入学後3年間,あるいは編入1、2年後のリベラルアーツ教育の集大成として、5,000字から10,000字の論文(教養卒論)執筆に取り組みます。東京工業大学では、2016年度から新しいリベラルアーツ教育を実施しており、今回発表した学生は、この新しいカリキュラムのもとで教養卒論を執筆した最初の学年に当たります。

今回、新カリキュラム第1期生の中で、特に優秀な論文を執筆した学生11名が、これから教養卒論を執筆する予定の下級生に向けて、論文の内容や、どんな志を抱いて執筆に取り組んだのか、執筆を通じて得られたことなどについて発表を行いました。

当日は、学士課程1~3年目の学生のほか、教養卒論を執筆した学士課程4年目(学士課程の早期修了者は修士課程1年目)の学生、修士課程の学生、教職員、蔵前工業会(東工大の同窓会)やマスコミ関係者の方々など、出席者は130名を超えました。

「教養卒論」のねらい

発表会の冒頭、リベラルアーツ研究教育院長の上田紀行教授が開会の挨拶を行い、発表会開催の趣旨を次のように説明しました。

「リベラルアーツは、人間を自由にする技術です。東工大では、自由な魂をもって発信をしていく人たちを育てたい、そのコンセプトでこれまで教育改革を進めてきました。教養卒論では、自分がこれからやっていこうとするテーマ、それが社会にどう貢献していくことになるのか、そのテーマの一番わくわくするところはどこなのか、そういったことをのびのびと、皆でピアレビュー※1しながら書いていきます。こんなプログラムを、学年全員で行っている大学は、ほかにはありません。」

※1

ピアレビュー:仲間(ピア)が相互に論評・見直し(レビュー)を行うこと。
教養卒論では、学生がお互いの文章を読み合い、対話を通して文章を練り上げていきます。さらに、認定証を授与された大学院生がGSAレビューアーとして授業に参画し、教養卒論の執筆をサポートしています。

学びを助ける活動や人との関わりを通じた成長に期待する GSAプログラム|Graduate Student Assistant (GSA) Program

文系教養科目「教養卒論」と発表会開催の意義について語る上田紀行教授

文系教養科目「教養卒論」と発表会開催の意義について語る上田紀行教授

「ぜひ皆さんにお伝えしたいのは、われわれはこの教養卒論や、東工大の教育を、社会に出るための予行演習としてやっているのではない、ということです。学校では予行演習をやって、社会に出たら社会で活躍しましょう、というのが普通の教育の考え方だと思います。しかしながら、東工大立志プロジェクト※2や教養卒論では、友達に本音を言ってその友達の目が輝く、あるいは、そんなこと聞いたことなかったといってその学生の生き方が変わる。それは予行演習でやっているのではなく、もうそこ自体が社会なのです。立志プロジェクトが始まったところから、社会が始まっています。今日このステージに立つ皆さんは、予行演習として立っているのではなく、まさに社会全体に発信しているのだ、という意気をもって発表してください。そして、それを聞く皆さんも、観客というよりは、自分自身が主人公だという思いで聞いていただければと思います。」

※2

東工大立志プロジェクト:学士課程1年全員が、入学直後の第1クオーターで履修する必修科目。大講堂での講義と少人数クラスでの対話を行き来しながら学ぶ。

東工大リベラルアーツの登竜門―東工大立志プロジェクト―|教育TOPICS|教育

続いて、リベラルアーツ研究教育院副院長であり、「教養卒論」科目の立ち上げおよび運営のワーキング・グループ主査でもある林直亨教授から、授業の概要とねらいについて説明がありました。

教養卒論の授業概要について説明する林直亨教授

教養卒論の授業概要について説明する林直亨教授

「教養卒論では、アカデミックライティングを理解してライティングスキルを向上させること、対話を通して他者の文章の改善を促すことを目指しています。皆さんは、社会に出ると、一人で文章を書くだけではなく、様々な人と共同で文章をまとめる、あるいは、ポジションが上がっていけば、他の人の文章を直すといった機会が増えていきます。そういったことができるように、ピアレビューのスキルを身につけます。」

また、この科目を実施した効果について、次のように話しました。

「昨年度に履修した学生からは、『自分を見つめ直せた』『志や今後のことを考えなおして、研究室所属前に再確認できた』『文章や論文の書き方全般に有用だった』など、授業の設計者として嬉しい感想が寄せられました。意外だったのは、『自分の専門領域の研究について話す中で、他の学生からいろいろな意見を聞くことができたのがよかった』という感想でした。これは事前に予想していなかった効果でした。」

発表と質疑応答

その後、優秀賞受賞者等、特に優れた論文を執筆した学生11名からの発表が始まりました。

発表者
所属
論文題名
中村夏輝
理学院 地球惑星科学系
主体性を育む理科教育
下山達大
工学院 電気電子系 エネルギーコース
授業改革
千葉のどか
生命理工学院 生命理工学系
すべての人が科学の良さを享受するために
高橋一樹
生命理工学院 生命理工学系
差異の存在と人類の幸福について
小西優実
情報理工学院 情報工学系 情報工学コース
偏った将来像
小野篤輝
物質理工学院 応用化学系
真のグローバル化とは
松下龍太郎
環境・社会理工学院 建築学系
内田樹という物語について
岡崎尚太
物質理工学院 材料系
物性科学における科学コミュニケーションの問題点
北嶋宏樹
工学院 経営工学系
人間のための社会・経済
星野シンジ
情報理工学院 情報工学系
ゲームの芸術としての社会的価値
市村知輝
環境・社会理工学院 建築学系
「水の人」を目指して

発表順、敬称略

論文のテーマも執筆のアプローチも、多彩なものとなりました。

たとえば、将来就きたい仕事に関連する領域での課題について、問いを立てて探究するもの/専門とする領域での研究成果の価値を、社会に広く知ってもらうための提案を行うもの/自分が熱中しているものについて、社会の文脈の中に置いて考察したものなど、どの発表もその人ならではの試行錯誤や考えの深まりがうかがえるものでした。発表後には、学生や教職員はじめ、多くの参加者から質問が寄せられました。

教養卒論執筆者による発表と質疑応答の様子

教養卒論執筆者による発表と質疑応答の様子

教養卒論執筆者による発表と質疑応答の様子

教養卒論執筆者による発表と質疑応答の様子

教養卒論執筆者による発表と質疑応答の様子

益学長による講評

発表後、益一哉学長による講評が行われました。その中で、教養卒論を執筆する上でのピアレビューの価値について、次のようなコメントがありました。

「執筆された教養卒論をいくつか読ませていただいて、非常に素晴らしい文章だと思っていました。そのような文章が書けたことの背景として、ピアレビューをやっていたことが重要だったのではないかと思っています。ピアレビューは、これからみなさんが研究していく、あるいは社会に出ていくときに、非常に重要なものになるでしょう。」

「人に何か言われるのは、実はあまり気持ちのいいものではありません。ピアレビューする方も、いいものを引き出そうとする気持ちでやるのが重要で、そうすると、単に文章を直してもらっているのではなくて、そこから新たなものが生まれます。3年、2年、1年の皆さんは、より良いものを作っていく一つのやり方を身につけるためのものとしても、この教養卒論にチャレンジしてほしいと思います。」

 発表について講評する益一哉学長

発表について講評する益一哉学長

また、発表者に向けて、次のような激励がありました。

「今日は、皆さんの内なるものを発表していただきましたが、研究室の仕事であれ何であれ、皆さんがこれから発表をするときには、何かを背負って話すことになります。学会発表であれば研究室を、さらにいえば東工大を背負って発表することになります。先ほど、上田先生が『教養卒論は練習ではない』とおっしゃいました。まさにそのとおりで、教養卒論を書かれた方は、4年になり、あるいは早期修了で修士1年になり、いま何がしかの研究をされていると思います。東工大の先生は、最先端の研究をしています。ですから、それを一緒にやっている皆さんは、練習でもなければ演習問題を解いているわけでもなく、最先端の課題に取り組むことになるのです。そのような環境に皆さんがいるのだということを認識して、これからの研究に取り組んでほしいと思います。」

発表会参加者からの声

発表会の熱気や盛り上がりを受けて、発表会終了後のアンケートでは、参加者の方々からたくさんの感想が寄せられました。

学士課程1~3年

  • 教養卒論のテーマが思ったより広いことを知り、自分のテーマを考えるうえで役立った。
  • 思っていたよりも、自由にテーマを解釈して取り組んでよいことが分かった。
  • 文章を読むだけでは分からない執筆のプロセスまで見えてきて、楽しかった。
  • 教養卒論を目前に控えた3年に、もっと知られていてもいいと思う。
  • 内容が把握できればいいと思っていたが、すごく面白いもので、期待以上だった。
  • 聞きに来て本当に良かったと思う。

学士課程4年、大学院生

  • 修士コア学修科目「ピアレビュー実践」の受講を考えており、その感覚をつかみたいと思って参加した。ピアレビューでは「導く」のではなく「解きほぐす」ことで、人それぞれの可能性を広げるようにしたいと思った。
  • 多様な考え方があるということがよく分かった。この授業を受けてみたかったとも思った。
  • もっとたくさんの人が見にきたらよいと思った。とてもよい発表会なのでもったいない。
  • 教養卒論を題材に、実際に専門分野に触れたうえで、どのような気づき、感想、反省が生まれたのかを聞きたかった。過去(執筆時)の視点だけではなく、「今」の視点から見た教養卒論の像についても語ってほしかった。

教員・リベラルアーツ研究教育院以外

  • 学生の真剣さに感動をおぼえた。
  • 学生が多面的に様々な検討をしながら教養卒論に取り組んだことがよく分かった。
  • 機会とトレーニングがあれば、ここまでできるものかと感動した。
  • 完成した論文の内容に関する発表が多かったが、ペアになった相手や大学院生とのやり取りの内容など、論文を作成する過程の“うらばなし”も聞きたかった。

教員・リベラルアーツ研究教育院

  • 素晴らしい学生を我々は預かっているのだと再確認した。
    私(たち)にできることは何だろうと、考えを深める機会になった。
  • 全体として静かな熱意があり、とても充実していた。

職員

  • Student-centeredのサービスを提供するために、事務職員も志を改めて考えてみたい。
  • 毎年続けて開催してもらいたい。可能な限り出席したい。
  • 理系の学生が志を省察される過程を見せていただいた。納得!という主張が多く、プレゼンも上手だった。来て良かった。
  • 学生の一生懸命な様子を見ることができて、先生方のご苦労も感じられた。様々な視点から考える機会は、学生にとっても大事だということを強く感じた。

学外

  • 理系の学生という先入観があったが、文系学生顔負けのプレゼンだった。論文も読んでみたい。
  • 自分の問題意識、視点を分かりやすく発表できているのも、リベラルアーツ教育の成果なのだと思った。

開催時期等の関係で、発表会に参加できなかった優秀賞受賞者の学生も多くいました。次年度は、開催時期や開催回数を見直すことで、より多くの発表をたくさんの方にご覧いただけるようにしていきます。次回も、どうぞご期待ください。

<$mt:Include module="#G-15_リベラルアーツ研究教育院モジュール" blog_id=69 $>

お問い合わせ先

リベラルアーツ研究教育院 准教授 岡田佐織

E-mail : okada@ila.titech.ac.jp

JALと航空事業に関する共同研究の組織的連携協定を締結

$
0
0

本学と日本航空株式会社(以下、JAL)は、10月31日、航空産業界と地域・社会の持続的な発展に向け共同研究を推進することに合意し、組織的連携協定を締結しました。

概要

本協定は、本学とJALが、緊密なパートナーシップのもと、本学が保有する科学技術に関する研究力とJALが保有する航空事業に関する技術・知見とを活かした研究に連携して取り組むことにより、航空産業界と地域・社会における課題の解決と社会や地域とともに持続的な発展の実現に貢献していくことを目的としています。

11月より、本学の科学技術とJALの航空産業視点を融合させた共同研究として、「航空・空港」や「交通・都市・環境」に関連する研究を開始します。

具体的には、未来の航空産業界と地域・社会における課題解決に主眼を置いたテーマ創出や、「航空・空港」と「交通・都市・環境」の在り方という観点での研究、スマート空港をはじめとした航空・空港技術に関わる最先端技術の研究などを予定しています。

本学とJALは連携協定のもと、東工大の科学技術研究とJALの航空産業視点を融合させ、両者の持つ人的・知的資源を活かした共同研究を推進し、航空産業界と地域・社会の持続的な発展に寄与することを共に目指します。

連携・協力事項

1.

共同研究の推進および研究テーマの創出に関すること

2.

地域・社会の持続的な発展・貢献に関すること

3.

最先端技術に係わる研究に関すること

4.

その他、本協定の目的を達成するために必要な事項

JALと航空事業に関する共同研究の組織的連携協定を締結

お問い合わせ先

広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975

“動くDNA”による哺乳類の乳腺進化メカニズムを発見 レトロトランスポゾンが遺伝子制御の根源配列を増幅

$
0
0

要点

  • 乳腺形成に関わる遺伝子発現の制御配列の多くが“動くDNA”から生じた
  • レトロトランスポゾンが哺乳類の進化過程でエンハンサーの根源配列を増幅
  • 乳腺の形成機構の進化の解明に向けて飛躍的に前進

概要

東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系の西原秀典助教は哺乳類の乳腺[用語1]形成に関わるゲノム配列の一部が“動くDNA”とも呼ばれる転移因子[用語2](トランスポゾン)によって生じたことを明らかにした(図1)。特にレトロトランスポゾン[用語3]とよばれるコピー配列を増幅させる転移因子によって遺伝子発現のオン/オフを決定するエンハンサー[用語4]の根源配列が段階的に増幅してきたことを突き止めた。

この結果は哺乳類の乳腺形成の遺伝子制御機構がいつどのように成立してきたのかを初めて解き明かすものである。このような大規模な制御機構の獲得は従来、考えられているような単純な塩基置換の蓄積だけでは説明できず、レトロトランスポゾンによるダイナミックなゲノム配列の改変が進化の重要な促進剤になったと考えられる。

この研究成果は10月23日付で英科学誌「Nucleic Acids Research」オンライン版に掲載された。

レトロトランスポゾンによる乳腺形成遺伝子のエンハンサー進化のモデル

図1. レトロトランスポゾンによる乳腺形成遺伝子のエンハンサー進化のモデル

研究の背景

乳腺は哺乳類特有の組織であり、仔に与えるミルクをつくる。乳腺の形成に関わる遺伝子の機能は徐々に明らかにされつつあるが、その遺伝子の発現を制御するメカニズムが哺乳類でどのように進化してきたのかはほとんど明らかになっていなかった。

乳腺の初期形成ではERα、FoxA1、GATA3、AP2γといった転写活性化因子[用語5] が様々な遺伝子のエンハンサーやプロモーターに結合し、乳腺形成に必要な遺伝子を発現する。哺乳類でこうしたメカニズムが進化する過程では、これらの転写活性化因子が結合する発現制御配列が大規模に獲得されてきたと考えられる。

そこで、その発現制御配列の起源を調べることにより、乳腺形成の分子機構がいつどのようなプロセスを経て獲得されてきたのかを辿(たど)ることにした。特にゲノム中で大量に存在する転移因子がその進化の鍵を握っているのではないかと考えた。

転移因子は“動くDNA”とも呼ばれ、ヒトゲノムの半分を占めている。中でも特にレトロトランスポゾンと呼ばれる種類は、そのコピー配列をゲノム中の様々な場所に挿入させる(コピー&ペースト型)。一般的に転移因子はゲノムに寄生する利己的DNAであり、個体の生存において役に立たないものと考えられている。しかし本研究では大量に増幅したレトロトランスポゾンがエンハンサー配列の根源となり、哺乳類の乳腺進化に関与したことを初めて明らかにした。

研究成果

本研究ではヒトゲノムにおける4種類の転写活性化因子(ERα、FoxA1、GATA3、AP2γ)の結合配列と転移因子との位置関係を解析した。その結果、全結合配列のうち約3分の1が転移因子によって生じたことを発見した。それらはエンハンサー特有のヒストン修飾[用語6]を受けており、しかも多くが進化的に保存された配列であった。この結果から、少なくとも数千の転移因子配列がエンハンサーとして機能していると考えられる。またそれらは乳腺形成の関連遺伝子の近傍に高密度で存在していた。 もしレトロトランスポゾンが結合配列の増大を引き起こしたのであれば(図1)その結合位置の多くはレトロトランスポゾン内部の特定の場所に由来するはずである。調べてみると実際に42種類のレトロトランスポゾンの内部で結合位置の極端な偏りが見られ、そのDNA配列も高度に保存されていた(図2)。

3種類のレトロトランスポゾン上における転写活性化因子の結合位置の分布。結合位置が極端に偏った領域ではモチーフが保存されている。こうした結合位置の偏在は42種類のレトロトランスポゾンで見られた。
図2.
3種類のレトロトランスポゾン上における転写活性化因子の結合位置の分布。結合位置が極端に偏った領域ではモチーフが保存されている。こうした結合位置の偏在は42種類のレトロトランスポゾンで見られた。

例えばその中の一つの配列は乳腺形成に必須なIgf1遺伝子[用語7]の近傍に位置しており、マウスの乳腺組織でもERαが結合している。この配列の機能を調べると真獣類[用語8]の共通祖先で獲得されたエンハンサー活性を持つことが分かった。この結果からレトロトランスポゾンが結合配列の根源を拡散増幅し、それを元にエンハンサーが進化したことが明らかになった。

また、これらのレトロトランスポゾンがどの時期に増幅したのかを解析した。その結果、ヒトゲノムでエンハンサー機能を持つレトロトランスポゾンのうち半数以上が白亜紀前期に真獣類の祖先において増幅したことが明らかになった(図3左)。さらに古第三紀には真猿類[用語9]内在性レトロウイルス[用語10]が活発に増幅し、さらなるエンハンサーの増加を引き起こしていた。このように二段階のレトロトランスポゾンの増幅がエンハンサーの獲得に大きく寄与したことを初めて明らかにした。

さらに、マウスの乳腺組織におけるERαの結合配列の由来も解析した。その結果、ヒトゲノムと同様にマウスの結合配列の一部もレトロトランスポゾンによって生じていたことを発見した。その起源を調べると、霊長類のレトロトランスポゾンで見られたように白亜紀前期の真獣類の祖先で増幅していた。

また興味深いことに、古第三紀のネズミ科の祖先においても内在性レトロウイルスによって結合配列の増幅が起きていた。このように霊長類と齧歯類(げっしるい)で独立に二段階にわたるエンハンサーの根源配列の増幅が起こっていることを突き止めた(図3右)。

結合配列を生み出したレトロトランスポゾンの獲得時期。霊長類(左)および齧歯類(右)のいずれの系統でも二段階の獲得時期があった。
図3.
結合配列を生み出したレトロトランスポゾンの獲得時期。霊長類(左)および齧歯類(右)のいずれの系統でも二段階の獲得時期があった。

今後の展開

乳腺に関わる遺伝子制御配列の進化ではレトロトランスポゾンの増幅が多大な影響を及ぼしていた。このことは、従来考えられているような単純な塩基置換の蓄積だけでは大規模な遺伝子制御機構の成立が十分に説明できないことを意味している。

今後は個々のエンハンサーが各遺伝子の発現に対してどのような役割を担っているのかを詳細に解き明かす必要がある。一方、乳腺のみならず、こうしたレトロトランスポゾンによるエンハンサーの進化は哺乳類の様々な組織で起こってきたはずである。それらを解き明かすことで、哺乳類が持つ組織形態の分子進化メカニズムの全容解明に大きく繋がると期待される。

謝辞

本研究は主に日本学術振興会科学研究費補助金および内藤記念科学振興財団の支援を受けて行われました。

用語説明

[用語1] 乳腺 : 哺乳類が仔に与える乳汁を産生する組織。乳腺の初期形成ではホルモンの一種であるエストロゲンの作用によって増殖し、エストロゲン受容体であるERαが転写活性化因子として働く。乳腺はすべての哺乳類が持つが、その組織形態は生物群ごとに少しずつ異なる。

[用語2] 転移因子 : ゲノム上で自身の配列もしくはそのコピー配列を移動させることのできるDNA配列。“動くDNA”とも呼ばれる。ヒトゲノムの約半分が転移因子で占められている。レトロトランスポゾン(コピー&ペースト型)とDNAトランスポゾン(カット&ペースト型)の2種類がある。

[用語3] レトロトランスポゾン : 転移因子の一種。転写と逆転写を介して自身のコピー配列をゲノム中で増幅させる(コピー&ペースト型)。レトロトランスポゾンには、SINE、LINE、LTR型レトロトランスポゾンが含まれる。

[用語4] エンハンサー : 遺伝子発現を制御するDNA配列。エンハンサーの活性化/不活性化によって、遺伝子発現の時期・組織・量が決定される。一つの遺伝子につき複数のエンハンサーが協調的に働く場合が多い。

[用語5] 転写活性化因子 : 遺伝子のプロモーターやエンハンサーに結合し、その遺伝子の発現を活性化させるタンパク質。

[用語6] ヒストン修飾 : 真核生物のゲノムDNAはヒストンと呼ばれるタンパク質に巻き付いて折りたたまれている。ヒストンタンパク質がメチル化やアセチル化などの修飾を受けることは遺伝子発現の制御に関与している。

[用語7] Igf1遺伝子 : インスリン様成長因子。体内の様々な細胞の増殖と成長に関わるホルモンとして機能する。Igf1が欠損したマウスでは乳腺の分枝形成に異常が起こることが知られている。

[用語8] 真獣類 : 哺乳類のうち単孔類と有袋類を除いた大きな分類群。現生の真獣類は完全な胎盤を持ち母体内の子宮内で胎児を育てることから有胎盤類とも呼ばれる。霊長類や齧歯類も真獣類に含まれる。

[用語9] 真猿類 : 霊長類の1グループ。ヒト上科(ヒト、チンパンジーなど)、旧世界ザル(ニホンザルなど)、新世界ザル(マーモセットなど)を含む。

[用語10] 内在性レトロウイルス : 転移因子の一種で、ゲノムに組み込まれたRNAウイルス様配列。他のレトロトランスポゾンと同様にゲノム中でコピー配列を増幅させることができる。

論文情報

掲載誌 :
Nucleic Acids Research
論文タイトル :
Retrotransposons spread potential cis-regulatory elements during mammary gland evolution
著者 :
Hidenori Nishihara
DOI :
<$mt:Include module="#G-11_生命理工学院モジュール" blog_id=69 $>

お問い合わせ先

東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系

助教 西原秀典

E-mail : hnishiha@bio.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5742

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661


デジタル創作同好会traPが中高生のためのプログラミング教室を開催(2019年 夏)

$
0
0

東京工業大学の学生サークル、デジタル創作同好会traPは8月24日、中学生と高校生のためのプログラミング教室を開催しました。

この教室はプログラミングを経験したことがない中高生に対し、グループワーク形式でプログラミングを教えます。traPが定期的に主催しています。今回も、JavaScript(ジャバスクリプト)というプログラミング言語を用いて、簡単なインベーダーゲームの制作に取り組みました。会場は大岡山キャンパス大岡山南4号館の講義室を借り、株式会社サポーターズにご協力いただきました。

東工大生の説明を熱心に聞く参加者
東工大生の説明を熱心に聞く参加者

参加したのは中高生合わせて40名程度です。講師の東工大生2名程度と参加者4名で一つのグループを作りました。アイスブレイクで緊張をほぐしてから、開発環境を導入します。東工大生の説明を聞きながら、実際にプログラミングをするのは中高生です。活発に制作を進めるにぎやかな声が、あちこちで聞かれました。

幸い、ほとんどの参加者がゲームを完成させました。中には講師の東工大生のアドバイスをもとに、追加の要素の実装に挑戦したグループもありました。

和やかな雰囲気のプログラミング教室
和やかな雰囲気のプログラミング教室

作成中のゲーム画面
作成中のゲーム画面

プログラミング教室責任者の松本裕介さん(工学院 経営工学系 学士課程2年)のコメント

私は最適化問題に興味があり、現在は経営工学系の授業などでプログラミングを勉強しています。

初めてプログラミングに触れると、何から始めればよいのか、何をしたらよいのかわからないということが多くあります。

そこで今回の教室では、参加者の皆さんが講師の東工大生のアシストのもとで実際にゲームを作りました。今回の経験を通し、少しでもプログラミングを身近に感じてもらえたら幸いです。

デジタル創作同好会traPとは

ゲーム制作を中心に、プログラミング、DTM(音楽制作)、2Dイラスト、3Dモデル、ドット絵、競技プログラミング、CTF(コンピュータセキュリティ技術を競う競技)など幅広く取り組んでいます。

デジタルコンテンツのチーム制作や技術共有を目的として、2015年4月に設立したサークルです。

また、ゲーム制作者交流イベントや中高生向けのプログラミング教室を主催するなど外部との交流も積極的に行っています。

教室終了後の記念撮影

教室終了後の記念撮影

東工大基金

デジタル創作同好会traPの活動は東工大基金によりサポートされています。

東工大への寄附 > 東京工業大学基金

お問い合わせ先

東京工業大学 デジタル創作同好会traP

E-mail : info@trap.jp

海洋酸性化により北西太平洋の一酸化二窒素放出量が増加

$
0
0

ポイント

  • 海洋酸性化に対するN2O生成プロセスの応答を検証
  • 海洋酸性化により北西太平洋でN2O生成が強まる可能性を示唆
  • 将来の気候変化予測の精緻化へ結びつく結果

概要

東京工業大学 物質理工学院 応用化学系の吉田尚弘教授(地球生命研究所 主任研究者兼務)と豊田栄准教授らの研究チームは、北西太平洋の酸性化により、主要な温室効果ガスでありオゾン層破壊ガスである一酸化二窒素(N2O)の放出が増加することを発見した。

北西太平洋で船上培養実験を行い、酸性化によってN2O生成速度が増加することを確認した。これは従来、想定されていた仮説と真逆の現象である。この発見はスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)、東京大学および国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者らとの共同研究によるもので、11月11日(現地時間)付の「Nature Climate Change(ネイチャー クライメートチェンジ)」に掲載される。

研究の背景

二酸化炭素(CO2)の大気への放出量増加は地球温暖化の主たる原因となっている一方で、CO2が水に溶けると水素イオンを放出することから海洋を酸性化しつつあり、サンゴ礁などに影響が出始めている。海洋酸性化は、海水中の化学的な性質を変化させるため、炭酸カルシウムの骨格や殻を持つ海洋生物だけではなく、さまざまな生化学反応にも影響を及ぼす恐れがある。

米国科学アカデミー紀要に2011年に発表されたBemanらの研究論文では、海洋酸性化によって微生物のアンモニアを硝酸に変換する速度(硝化速度)が弱まることが明らかにされた。N2Oは、その変換過程の副産物として放出されるため、海洋酸性化によってN2O生成は弱まると想定されていた。

研究成果

研究チームは、2013~2016年に北西太平洋の亜寒帯から亜熱帯までの5ヵ所で海水を採取し、試料の水素イオン指数(pH)を意図的に下げて、海水中で硝化の副産物として放出されるN2Oの生成量がどのように変化するかを調べた。すると、全てのサイトで酸性化に伴いN2Oの生成が弱まることはなかった。

中でも亜寒帯の試料は、Bemanらの研究論文と同様に、酸性化に伴い硝化速度が弱まる一方で、N2Oの生成量は著しく増加した。さらに研究チームは、CO2の放出量が減ることなく酸性化が現在の速度(水素イオン指数で年0.0051の低下)で進めば、2100年には北西太平洋でのN2O生成速度は1.9~5.0倍になると見積もった。

今後の展開

今回の発見で、海洋酸性化により北西太平洋のN2Oの放出量は、減少ではなく増加する恐れがあることが明らかになった。しかし、N2Oには今回研究対象とした硝化以外にも複数の生成・消費プロセスがあり、海域によって主要な生成・消費プロセスは異なる。大気中のN2Oの増加は、温暖化を加速させ、オゾン層の回復を遅らせてしまう。酸性化に対する他のN2O生成・消費プロセスの応答とともに他の海域の調査が急務である。

本研究で海水を採取した場所(地図中の星印)および亜寒帯の観測点KNOTにおける採水作業の様子。研究船から採水器を海中へ投入し、硝化が活発に起こっている水深100-200 mの海水を採取した。
図1.
本研究で海水を採取した場所(地図中の星印)および亜寒帯の観測点KNOTにおける採水作業の様子。研究船から採水器を海中へ投入し、硝化が活発に起こっている水深100-200 mの海水を採取した。
本研究で行った船上培養実験の様子。海水に15Nトレーサー(用語1)を添加後、塩酸も添加することでpHを意図的に段階的に下げ、現場水温で暗所培養した。
図2.
本研究で行った船上培養実験の様子。海水に15Nトレーサー[用語1]を添加後、塩酸も添加することでpHを意図的に段階的に下げ、現場水温で暗所培養した。
酸性化実験の結果。縦軸は硝化速度とN2O生成速度、横軸はpHの減少量を示す。暖色系は亜熱帯、寒色系は亜寒帯の観測結果を示す。pHの低下に伴い、硝化速度は減少し、N2O生成速度は増加する傾向がみられる。
図3.
酸性化実験の結果。縦軸は硝化速度とN2O生成速度、横軸はpHの減少量を示す。暖色系は亜熱帯、寒色系は亜寒帯の観測結果を示す。pHの低下に伴い、硝化速度は減少し、N2O生成速度は増加する傾向がみられる。
N2O生成・消費プロセス。赤色と青色は硝化を、灰色は硝化菌脱窒と脱窒を示している。本研究海域のN2Oは、主に硝化と硝化菌脱窒によって生成する。赤色は酸性化によって強まるプロセスと増加する物質を示し、青色は酸性化によって弱まるプロセスと減少する物質を示す。今回の発見で、NH2OHからN2Oへの矢印が酸性化によって強まるプロセスであることが明らかになった。
図4.
N2O生成・消費プロセス。赤色と青色は硝化を、灰色は硝化菌脱窒と脱窒を示している。本研究海域のN2Oは、主に硝化と硝化菌脱窒によって生成する。赤色は酸性化によって強まるプロセスと増加する物質を示し、青色は酸性化によって弱まるプロセスと減少する物質を示す。今回の発見で、NH2OHからN2Oへの矢印が酸性化によって強まるプロセスであることが明らかになった。

謝辞

本研究は、スイス国立科学財団PBNEP2-142954、JSPS科研費JP23224013、JP15H05822、JP15H05471、JP17H06105の助成を受けたものです。本研究は、MR13-04、KS-16-8、YK16-16の研究航海で得られた試料を使用しました。

用語説明

[用語1] 15Nトレーサー : 窒素(N)には質量数14(14N)と15(15N)の2種類があり(同位体という)、自然界ではそれぞれ約99.6%、約0.4%の比率で存在している。15Nの比率を人工的に高めた窒素化合物を15Nトレーサーと呼ぶ。15Nトレーサーを自然の反応系の原料に微量加えると、生成する物質の15N比率がわずかに上昇するので、これを精密に質量分析することによって原料から生成物への15Nの移動を追跡することができ、反応速度を求めることができる。

論文情報

掲載誌 :
Nature Climate Change
論文タイトル :
Response of N2O production rate to ocean acidification in the western North Pacific
著者 :
Florian Breider (スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)、中央環境研究室)、吉川知里(国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)、海洋機能利用部門)、眞壁明子(国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)、超先鋭研究開発部門)、豊田栄(東京工業大学 物質理工学院 准教授)、脇田昌英(国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)、地球環境部門)、松井洋平(東京大学 大気海洋研究所)、川口慎介(国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)、超先鋭研究開発部門)、藤木徹一(国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)、地球環境部門)、原田尚美(国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)、地球環境部門)、吉田尚弘(東京工業大学 物質理工学院 教授/地球生命研究所 主任研究者)
DOI :
<$mt:Include module="#G-07_物質理工学院モジュール" blog_id=69 $>

お問い合わせ先

東京工業大学 物質理工学院 応用化学系

准教授 豊田栄

E-mail : toyoda.s.aa@m.titech.ac.jp

取材申し込み先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

産業界の知見を合わせ「ありたい未来社会像」を考えるワークショップを開催 未来社会DESIGN機構のメンバーと企業代表者が議論

$
0
0

東京工業大学の未来社会DESIGN機構(以下、DLab)は、「人々が望む未来社会とは何か」を社会と共に考え、デザインしていくための組織です。DLabではこれまで学内外の有識者を中心に豊かな未来社会像を構想する「Team Imagine」(チーム・イマジン)、一般参加者も含む多彩な方と語りあう場を作る「Buzz Session」(バズ・セッション)、未来社会像の実現に強い説得力を持つように具現化に向けたシナリオを描く「Team Create」(チーム・クリエイト)の3チームを中心に、検討を進めてきました。9月26日には「Team Imagine」をはじめとするDLabのメンバーと日本を代表する企業各社の代表が東工大の大岡山キャンパスでワークショップを実施しました。その模様をレポートします。

「未来のシナリオ」が実現した時の社会について考える

DLabでは2018年10月の発足から、イベントやワークショップなどを重ね、学内外の有識者や学生、一般の方など幅広い視点から未来社会のあり方を検討してきました。その上で各所から出たアイデアをまとめ、「(将来、人間は)場所の束縛から解放される」など「起こりうる事象」として表現した「未来のシナリオ」をおよそ20点作成。その要素を時系列で整理した「東工大未来年表(仮称)」を、未来を俯瞰する最初のツールとして発表すべく、シナリオの充実化を進めています。

今回のワークショップでは、この「未来のシナリオ」の中から、「五感を自在に着脱することで、深い共感体験が可能になる」というシナリオを選択。それが実現した場合にどんな商品・サービスが生まれるかを検討する形で、社会や自分にどういった変化が起こるかを考えていきました。

当日は、学内外の有識者で構成されたDLabの「Team Imagine」をはじめとするDLabのメンバー14名と旭化成、ソニー、NEC、NTT東日本、日立製作所といった日本を代表する企業5社から13名の計27名が参加。DLab機構長を務める佐藤勲総括理事・副学長による「“将来の社会はこうあるべき”という『べき論』ではなく、こう“ありたい”という個人の自由な視点から、楽しく、真剣に未来社会像を考えていきましょう」という挨拶でワークショップが始まりました。

佐藤機構長からの挨拶

佐藤機構長からの挨拶

グループワークで未来の技術を活かした商品・サービスを検討

はじめに、東工大環境・社会理工学院の梶川裕矢教授が「科学技術、未来社会とイノベーション」というテーマでプレゼンテーションを行いました。未来社会をデザインする手段として、望む未来像を起点に必要な技術や現在すべきことを考える「Backcasting」(バックキャスティング)や、予測が本当になったらどんな社会が実現されるか思い描く「Envisioning」(エンビジョニング)などの方法を紹介しました。

その後は5~6人のグループに分かれた参加者が、「他者や静物・生物などの知覚や感覚を体験できるようになったら、どんな商品・サービスが実現できるか」というテーマに沿って、個人で3つのアイデアを考えました。

続いてグループ内で各自のアイデアを発表しました。さらに、各グループが企業の新商品開発チームという設定で、メンバーのアイデアを集約しながら意見を出し合い、どんな人に向け、どのような商品・サービスを開発して、どういった価値を提供するかを考えました。

完成した案は、グループの代表が全員に発表します。「自分と一緒に行動していた相手の立場から、ものの見え方、感じ方を追体験できるサービス」「素粒子、動物、人間、地球などさまざまな無機物・有機物の感覚を共有できるサービス」などユニークなアイデアが次々と紹介されました。

梶川教授のプレゼンテーション
梶川教授のプレゼンテーション

チームに分かれてグループワーク
チームに分かれてグループワーク

「ボーダーを、超えよう。」を体現するワークショップに

ワークショップ後半では、グループの組み替えを行い、内容をさらに洗練させていきます。前半との違いは、そのサービスや商品を実現するために必要な技術、社外連携の必要性、規制緩和の必要性、実現に向けた課題についても検討すること。加えて商品やサービスが実現した結果、社会にどんな変化が起こるかも考えます。

各チームでは、「目や耳がない植物の感覚を共有する場合、どう再現したらいいか」などと意見を交わしながら、商品・サービス案を完成させ、再度グループの代表が全員に発表をしました。最後に本日の議論全体を踏まえながら、参加者が改めて実現したいサービス・商品を個人で検討し、学びを深めました。

その後は同キャンパス百年記念館に場所を移して交流会を開催しました。交流会には益学長も出席し、参加者と意見交換を行いました。参加者からは「会社では、ここまで長いスパンの未来検討はなかなか行わないので刺激的だった」、「他の企業や研究者の方の意見が聞けて良いインプットができた」などの感想が寄せられました。今後、DLabは、来年1月の「東工大未来年表(仮称)」の公表に向け、さらに幅広い視点から未来社会像の検討を進めていきます。

完成した案を発表し、全員で共有

完成した案を発表し、全員で共有

完成した案を発表し、全員で共有

<$mt:Include module="#G-37_未来社会DESIGN機構(DLab)モジュール" blog_id=69 $>

お問い合わせ先

総務部企画・評価課総合企画グループ

E-mail : kik.sog@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-3619

ペロブスカイト太陽電池特性の再現性、安定性を向上 プレスセミナーを開催

$
0
0

10月28日、物質理工学院 応用化学系の脇慶子准教授によるプレスセミナーを大岡山キャンパスにて行いました。

太陽電池は、太陽の光エネルギーを電気に変換します。一般的に普及している太陽電池はシリコン太陽電池で、変換効率が高いものの重量や製造コストなどに課題があります。

ペロブスカイトと呼ばれる結晶材料を光吸収に用いるペロブスカイト太陽電池※1は、溶液塗布で簡便に作成することができ、次世代の太陽電池として注目されています。実用化するには、発電効率の向上、大面積化、高耐久性の付与などをクリアする必要があります。また、通常ペロブスカイト太陽電池のホール伝導層※2には高分子材料や金が使われていますが、吸湿性があり劣化しやすいという問題もあります。

今回のセミナーでは、酸素官能基※3を導入したカーボンナノチューブ紙状電極※4をホール伝導層に用いることで、安定的な発電効率の向上を実現した研究成果について説明がありました。

プレスセミナーの様子

プレスセミナーの様子

開発のポイント

ホール伝導層を炭素材料にする研究は最近盛んに行われており、安定性向上とコスト低減は達成できましたが、発電効率は従来型に及ばないことが課題でした。

脇准教授らは、長年取り組んできた多層カーボンナノチューブの研究をもとに、カーボンナノチューブ紙状電極にカルボキシル基(-COOH)やフェノール基(-OH)といった酸素官能基を導入し炭素の仕事関数を制御することによって、発電効率を高められると考えました。

官能基を導入したカーボンナノチューブを電極に用いて太陽電池を作製した直後の性能がばらついても常温常圧で放置すると、酸素官能基はペロブスカイトと強い相互作用をすることで水分の侵入を防ぎ、接合界面の再構成を引き起こすことがわかりました。再構成により接合界面が強固に安定化し、ペロブスカイト層を水から守る効果も発揮しました。その結果、電荷移動抵抗がさがり、初期効率が3%程度のセルであっても放置後11%に向上した例もあり安定性も高くなりました。

今後の展望

ペロブスカイト層の組成や厚さ、電極界面などを最適化することで、発電効率と安定性をさらに向上させ実用化を目指します。この最適化は、材料の本質を理解して初めて達成できるもので、基礎研究をさらに充実させていく必要があります。

ペロブスカイト太陽電池について説明する脇准教授

ペロブスカイト太陽電池について説明する脇准教授

資料

※1 ペロブスカイト太陽電池

ペロブスカイトと呼ばれる結晶材料を光吸収に用いた新しいタイプの太陽電池。塗布技術などの湿式法で容易に作製できるため、既存の太陽電池よりも低価格になると考えられています。

※2 ホール伝導層

太陽電池に光(光子)が当たると、光子のエネルギーによって電子と正孔が発生し、これらの粒子が移動することで電気が流れます。正孔を収集する電極をホール伝導層といいます。

※3 酸素官能基

有機化合物は、その性質によってグループに分類されます。同じグループに属する化合物がもつ、性質を特徴づける原子団を官能基といいます。アルコール類のヒドロキシル基(-OH)、カルボン酸類のカルボキシル基(-COOH)のように酸素を含む官能基を酸素官能基といいます。

※4 カーボンナノチューブ紙状電極

炭素(カーボン)でできた直径がナノメートルレベルのチューブ状の素材がカーボンナノチューブです。軽量で曲げなどに強く、電気を通す性質があります。このカーボンナノチューブを薄膜状にしたものは電極などへの応用が考えられています。

<$mt:Include module="#G-07_物質理工学院モジュール" blog_id=69 $>

お問い合わせ先

東京工業大学 広報・社会連携本部 広報・地域連携部門

E-mail : media@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2975 / Fax : 03-5734-3661

東京工業大学・清華大学大学院合同プログラム 15周年記念式典を開催

$
0
0

東京工業大学・清華大学大学院合同プログラム(以下、「プログラム」)が開設15周年を迎え、10月21日、東工大蔵前会館で15周年記念式典を開催しました。

集合写真

集合写真

このプログラムは、東京工業大学と中国の清華大学が共同で大学院の学生教育を行い、両大学から修士の学位を取得するダブル・ディグリー(双方学位)プログラムです。日本語、中国語及び英語の素養を持ち、日中双方の文化・習慣に通暁した優れた理工系の人材を養成し、両国の科学技術及び産業経済の発展に資することを目的として2004年に開設されました。

記念式典には益一哉学長、水本哲弥理事・副学長(教育担当)のほか、胡洪营(HU Hongying)清華大学研究生院副院長ら清華大学代表団9名、文部科学省、プログラムを支援している民間企業の方々、本学名誉教授、本学学生およびプログラム修了生など約100名が参加しました。

益学長の挨拶
益学長の挨拶

胡洪营清華大学研究生院副院長の挨拶
胡洪营清華大学研究生院副院長の挨拶

橋爪大三郎名誉教授
橋爪大三郎名誉教授

式典の前半では、プログラム立ち上げ前から清華大学との交渉やカリキュラム設計等に尽力した本学側の初代運営委員長である橋爪大三郎名誉教授、佐藤邦明・文部科学省高等教育局高等教育企画課国際企画室長および曽谷太ソマール株式会社代表取締役社長が15年の節目を迎えたプログラムについて祝辞を述べました。

佐藤邦明文部科学省国際企画室長
佐藤邦明文部科学省国際企画室長

曽谷太ソマール(株)代表取締役社長
曽谷太ソマール(株)代表取締役社長

続いて、清華大学側の運営委員長であり企画、立案から運営に至るまで15年以上にわたりプログラムのキーパーソンとしてご尽力いただいた邢新会(XING Xinhui)清華大学教授に対し、益学長が第一号の「東京工業大学フェロー」の称号を贈りました。

東工大フェローの称号授与
東工大フェローの称号授与

邢新会(XING Xinhui)清華大学教授(左)、益学長(右)
邢新会(XING Xinhui)清華大学教授(左)、益学長(右)

現役生と修了生が報告

後半では、プログラム現役生である菱川湧輝さんと董芳含(DONG Fanghan)さんが現在の活動状況等について報告しました。さらに、プログラム修了生である陳振(CHEN Zhen)さん、成澤勝さん、胡容(HU Rong)さん、小路晃正さんの4名が、プログラムを経験したことにより終了後の社会人生活にどのような影響があったのか等について報告しました。

  • プログラム14期生 菱川湧輝さん
    プログラム14期生 菱川湧輝さん
  • プログラム15期生 董芳含さん
    プログラム15期生 董芳含さん
  • プログラム2期生 陳振さん
    プログラム2期生 陳振さん
  • プログラム11期生 成澤勝さん
    プログラム11期生 成澤勝さん
  • プログラム2期生 胡容さん
    プログラム2期生 胡容さん
  • プログラム5期生 小路晃正さん
    プログラム5期生 小路晃正さん

式典終了後は東工大百年記念館で懇親会が催され、両校の教員が交流を深め、修了生が思い出話に花を咲かせました。和やかな雰囲気で進行し、盛況のうちに閉会しました。

記念式典では、学生や両大学関係者の熱意と15年間で200名以上の学生が参加した実績に対し、文部科学省や支援企業から高い評価が寄せられました。トップレベルの理工系研究型大学が共同して実施する教育プログラムの優れたモデルケースであり、さらなる発展に向けてプログラムを充実させていきます。

懇親会
懇親会

懇親会
懇親会

記念品交換(益学長(左)、胡洪营清華大学研究生院副院長(右))

記念品交換(益学長(左)、胡洪营清華大学研究生院副院長(右))

ダブル・ディグリー・プログラム

2004年9月にスタートした修士課程では、日本と海外の2つの学位が取得できるという、大学院レベルにおいては、わが国初となるダブル・ディグリー(双方学位)プログラムです。参加学生は、東工大及び清華大の双方に修士課程学生として在籍し、日中両大学の指導教員の指導の下、両大学からそれぞれ修士の学位を取得します。修士課程の修了に要する年数は、東工大学生の場合、2年半(清華大学生の場合、3年間)です。4月に入学後、半年は東工大のみに学籍を有し、その後の2年間は、東工大及び清華大に学籍を有し、就学の途中で日本-中国間のキャンパスの移動を行います。

2007年10月からスタートした博士課程では、共同指導の下、どちらか一方の学位を取得することになります。

ナノテクノロジー、バイオ、社会理工学の3つのコースが設けられています。

お問い合わせ先

学務部留学生交流課 交流推進第2グループ

E-mail : seika@jim.titech.ac.jp

Tel : 03-5734-7650

Viewing all 4086 articles
Browse latest View live


<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>